■J_Coffeeのテクニカル教室(4巻)■

---目次---
  • 新値三本足(前編)
  • タートルスープの戦略
  • OBV線でみる大相場の一生(前編)
  • OBV線でみる大相場の一生(後編)

  • (2003/9/1改正9/3)
    新値三本足(前編)

    ひさしぶりのテクニカルです。

    まず、トレンド転換を判断する有力な手法「新値三本足」の説明です。

    新値足は、毎日の終値だけからつくります。言い換えると窓も髭もない階段のような形です。

    上昇相場の場合。

    1.今日の終値が、直前の陽線の終値を超えた場合は、新しい陽線を書き込みます。

    2.今日の終値が、連続する三本前の陽線の初め値を下回った時、すなわち、三本の陽線を貫いて、値下がりした時は、新しい陰線を引きます。この陰線が引けた時、相場は陰転、下降トレンドに変わります。

    3.今日の終値が、三本前の陽線の初め値より高く、直前の陽線の終値より低い場合は、何も書き込みません。

    4.明日の終値が、1又は2になった場合は、二日分の変動を1本の足に書き込みます。

    5.明日の終値が、3の場合は、何も書き込まず、明後日にまた調査です。

    下降相場の場合

    1.今日の終値が、直前の陰線の終値を下回る場合は、新しい陰線を書き込みます。

    2.今日の終値が、連続する三本前の陰線の初め値を上回った時、すなわち、三本の陰線を貫いて、値上がりした時は、新しい陽線を引きます。この陽線が引けた時、相場は陽転、上昇トレンドに変わります。

    3.今日の終値が、三本前の陽線の初め値より高く、直前の陽線の終値より低い場合は、何も書き込みません。

    以下は、同じなので、省略です。

    なお、前三本の新値足に陰線と陽線が混ざっている場合は、三本の新値の最高値を上回るか、最安値を下回るときに書き込みます。最高値と最安値の間にあるときは、書き込みません。

    ローソク足を書くのは、苦手なので、他のサイトの例をご覧ください。階段のようですね。

    上り階段が続く時、下り階段の最初の一段は、最後の上り3段以上の落差!
    初めての人は、何を言っているかサッパリ分からないでしょう。
    私は、新値三本足を表でチェックしています。少し長くなりますが、次に示します。

    自分で、作業しないと身体で覚えることはできません。

    さて、過去100日分の日経平均の終値を調べました。日付は、新しいものが上に来ます。

    Aの欄には、その日付の終値が書いてあります。

    @は前日の終値で、Aの数字を1行上にずらしたものです。

    B欄は、前日に対する価格変動(A-@)が書いてあります。

    表の一番下から見ていきましょう。4月8日〜14日は、5連続安。つまり5本の新値陰線がたちます。 日付が、青くなっているのは、陰線を表現します。

    4月15日〜24日は、直前の陰線の終値を下回ることができませんし、三本前の陰線(4月10日)の始め値(8,249.98)を上回ることができません。したがって、何も書き込みません(日付の色がそのままです)。

    4月25日、ついに安値が更新され、9日分をまとめて1本の陰線が引かれます。

    この陰線の長さは、C欄に示すように9日分の変動の合計で52.60となります。

    26日も陰線です。

    さて、注目すべきは、4月30日です。

    この日の終値は、7831.42円で、直前の3本陰線を貫きました。
    新値三本足による陽転!

    陽線は、日付を赤くしています。

    ここで7,831.42 円で、買った人は、次の陰転の5月21日(8,018.51 円)売ると利益を出せました。
    実は、この日は、騙しで、翌日陽転します。

    ◆100日分調べると、大きな相場の流れを的確に捉えているのが分かります。◆
    ◆◆ このトレンドフォロー戦略は、他の指標と組み合わせれば、結構実用的なのです。◆◆

    前日終値@ 日付 当日終値A 値上(下)がりB 新値足の長さC
    10,670.18 2003年9月2日 10,690.08 19.90 19.90
    10,343.55 2003年9月1日 10,670.18 326.63 307.49
    10,225.22 2003年8月29日 10,343.55 118.33
    10,308.99 2003年8月28日 10,225.22 -83.77
    10,332.57 2003年8月27日 10,308.99 -23.58
    10,276.64 2003年8月26日 10,332.57 55.93
    10,281.17 2003年8月25日 10,276.64 -4.53
    10,362.69 2003年8月22日 10,281.17 -81.52
    10,292.06 2003年8月21日 10,362.69 70.63 70.63
    10,174.10 2003年8月20日 10,292.06 117.96 117.96
    10,032.97 2003年8月19日 10,174.10 141.13 141.13
    9,863.47 2003年8月18日 10,032.97 169.50 119.50
    9,913.47 2003年8月15日 9,863.47 -50.00
    9,752.75 2003年8月14日 9,913.47 160.72 160.72
    9,564.81 2003年8月13日 9,752.75 187.94 187.94
    9,487.80 2003年8月12日 9,564.81 77.01 77.01
    9,327.53 2003年8月11日 9,487.80 160.27 222.24
    9,265.56 2003年8月8日 9,327.53 61.97
    9,323.91 2003年8月7日 9,265.56 -58.35 -58.35
    9,382.58 2003年8月6日 9,323.91 -58.67 -58.67
    9,452.79 2003年8月5日 9,382.58 -70.21 -70.21
    9,611.67 2003年8月4日 9,452.79 -158.88 -110.42
    9,563.21 2003年8月1日 9,611.67 48.46
    9,632.66 2003年7月31日 9,563.21 -69.45 -69.45
    9,834.31 2003年7月30日 9,632.66 -201.65 -201.65
    9,839.91 2003年7月29日 9,834.31 -5.60
    9,648.01 2003年7月28日 9,839.91 191.90
    9,671.00 2003年7月25日 9,648.01 -22.99
    9,615.34 2003年7月24日 9,671.00 55.66
    9,485.97 2003年7月23日 9,615.34 129.37
    9,527.73 2003年7月22日 9,485.97 -41.76 -12.89
    9,498.86 2003年7月18日 9,527.73 28.87
    9,735.97 2003年7月17日 9,498.86 -237.11 -492.09
    9,751.00 2003年7月16日 9,735.97 -15.03
    9,755.63 2003年7月15日 9,751.00 -4.63
    9,635.35 2003年7月14日 9,755.63 120.28
    9,955.62 2003年7月11日 9,635.35 -320.27
    9,990.95 2003年7月10日 9,955.62 -35.33
    9,898.72 2003年7月9日 9,990.95 92.23 92.23
    9,795.16 2003年7月8日 9,898.72 103.56 103.56
    9,547.73 2003年7月7日 9,795.16 247.43 170.36
    9,624.80 2003年7月4日 9,547.73 -77.07
    9,592.24 2003年7月3日 9,624.80 32.56 32.56
    9,278.49 2003年7月2日 9,592.24 313.75 313.75
    9,083.11 2003年7月1日 9,278.49 195.38 359.23
    9,104.06 2003年6月30日 9,083.11 -20.95
    8,923.41 2003年6月27日 9,104.06 180.65
    8,932.26 2003年6月26日 8,923.41 -8.85
    8,919.26 2003年6月25日 8,932.26 13.00
    9,137.14 2003年6月24日 8,919.26 -217.88 -217.88
    9,120.39 2003年6月23日 9,137.14 16.75 16.75
    9,110.51 2003年6月20日 9,120.39 9.88 9.88
    9,092.97 2003年6月19日 9,110.51 17.54 17.54
    9,033.00 2003年6月18日 9,092.97 59.97 59.97
    8,839.83 2003年6月17日 9,033.00 193.17 131.13
    8,980.64 2003年6月16日 8,839.83 -140.81
    8,918.60 2003年6月13日 8,980.64 62.04 62.04
    8,890.30 2003年6月12日 8,918.60 28.30 28.30
    8,789.09 2003年6月11日 8,890.30 101.21 67.57
    8,822.73 2003年6月10日 8,789.09 -33.64
    8,785.87 2003年6月9日 8,822.73 36.86 36.86
    8,657.23 2003年6月6日 8,785.87 128.64 128.64
    8,557.86 2003年6月5日 8,657.23 99.37 92.74
    8,564.49 2003年6月4日 8,557.86 -6.63
    8,547.17 2003年6月3日 8,564.49 17.32 17.32
    8,424.51 2003年6月2日 8,547.17 122.66 122.66
    8,375.36 2003年5月30日 8,424.51 49.15 49.15
    8,234.18 2003年5月29日 8,375.36 141.18 356.85
    8,120.24 2003年5月28日 8,234.18 113.94
    8,227.32 2003年5月27日 8,120.24 -107.08
    8,184.76 2003年5月26日 8,227.32 42.56
    8,051.66 2003年5月23日 8,184.76 133.10
    8,018.51 2003年5月22日 8,051.66 33.15
    8,059.48 2003年5月21日 8,018.51 -40.97 -226.4
    8,039.13 2003年5月20日 8,059.48 20.35
    8,117.29 2003年5月19日 8,039.13 -78.16
    8,123.40 2003年5月16日 8,117.29 -6.11
    8,244.91 2003年5月15日 8,123.40 -121.51
    8,190.26 2003年5月14日 8,244.91 54.65 23.79
    8,221.12 2003年5月13日 8,190.26 -30.86
    8,152.16 2003年5月12日 8,221.12 68.96 68.96
    8,031.55 2003年5月9日 8,152.16 120.61 42.39
    8,109.77 2003年5月8日 8,031.55 -78.22
    8,083.56 2003年5月7日 8,109.77 26.21 26.21
    7,907.19 2003年5月6日 8,083.56 176.37 176.37
    7,863.29 2003年5月2日 7,907.19 43.90 43.90
    7,831.42 2003年5月1日 7,863.29 31.87 31.87
    7,607.88 2003年4月30日 7,831.42 223.54 223.54
    7,699.50 2003年4月28日 7,607.88 -91.62 -91.62
    7,854.57 2003年4月25日 7,699.50 -155.07 -52.60
    7,793.38 2003年4月24日 7,854.57 61.19
    7,790.46 2003年4月23日 7,793.38 2.92
    7,969.08 2003年4月22日 7,790.46 -178.62
    7,874.51 2003年4月21日 7,969.08 94.57
    7,821.90 2003年4月18日 7,874.51 52.61
    7,879.49 2003年4月17日 7,821.90 -57.59
    7,838.83 2003年4月16日 7,879.49 40.66
    7,752.10 2003年4月15日 7,838.83 86.73
    7,816.49 2003年4月14日 7,752.10 -64.39 -64.39
    7,980.12 2003年4月11日 7,816.49 -163.63 -163.63
    8,057.61 2003年4月10日 7,980.12 -77.49 -77.49
    8,131.41 2003年4月9日 8,057.61 -73.80 -73.80
    8,249.98 2003年4月8日 8,131.41 -118.57
    2003年4月7日 8,249.98

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    (2001/8/5)
    タートルスープの戦略

    タートルズの方法は、バブルやその崩壊相場、戦争や異常気象による作物の凶作などを的確に捉える順張り手法であることは、以前紹介しました。

    その欠点は、だましが多く勝率がわずか36%しかないことです。この欠点を取り戻すため、ホームランで大勝をするのです。 事件がないと、ロスカットの繰り返しで悲惨です。

    リンダとラリーは、合計34年の相場ともに過ごし、ヘッジファンドマネージャーや投資顧問業者の経験があります。

    二人はこの事実を、逆手にとり、高い勝率で小刻みに儲けようという方法を発表しています。

    その方法の名は・・・・亀のスープ・・・タートルスープ・・・
    買う場合の骨子は、次のとおりです。(売りから入る場合はこの反対です。)

    1. 過去20日の安値を更新した日に買う。

    2. 更新された前回の安値は、少なくとも今日より4営業日前につけていなけてばならない。

    3. 安値を更新したら、この値よりも5〜10ティック高い値で、逆指値をだす。(一日だけ有効)

    4. もし、逆指値の買い注文が通った場合、今日の安値よりも1ティック下に逆指値の売り注文を出す。(この指値は、取り消すまで有効)

    5. 利が乗ってきたら、売りの逆指値を上げていく。この取引は、2〜3時間で終ることもあれば、数日で終ることもある。

    通常の買い指値は、指値以下になったときに買い注文が有効になりますが、逆指値は全然違います。 買いの逆指値は、指値以上に高くなったとき初めて、買い注文が成立するのです。 つまり、安く買うよりも、相場のトレンドが上昇に転換したかどうかを重視するのです。

    タートルスープは、素早い利食いが特徴の短期投資です。
    利益率は低いが、勝率は高い。

    タートルスープは、タートルズの方法より、私の感性にあっている気がします。しかし、逆指値が可能な証券会社の口座を持っていません。

    ◆◆タートルスープの経験が豊富な人へ◆◆
    ◆◆ 何か情報がありましたら、掲示板で教えてください。◆◆
    ◆◆ そのうち、続編を書きたいと思います。◆◆

    なお、タートルズスープの資料は、座敷童子さんから提供していただきました。
    ご厚意に対して、この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。

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    (2001/9/1)
    OBV線でみる
    大相場の一生(前編)

    OBV線とは、On Balance Volumeの略で、
    「出来高を足したり、引いたりする」という意味です。

    1. 終値が、前日より値上がりした日の出来高は、足されます。

    2. 終値が、前日よりも値下がりした日の出来高は、引かれます。

    3. 基準日から始まって、こうしてプラスマイナスされた出来高の累計をグラフにしたものが、OBV線です。


    OBV線は、値そのものには意味がなく、グラフの形が重要といわれています。

    下のグラフは、三菱製鋼のOBV線です。

    三菱製鋼は、都市再生銘柄として人気化、8月8日頃から出来高を伴い上昇します。

    ところが、実際には東雲の土地は、昔、売却済みでした。
    上がる理由がないのに、勢いで市場のテーマにのってしまったというのが、真相でしょう。

    OBV線でもエネルギーの高まりと急上昇ぶりがわかります。

    OBV線は、株価の動きとほぼ連動しますが、

    よ〜く見ると微妙に形が異なります。
    この違いが重要だ、と私は思います。

    大相場初期の特徴は、OBV線の上昇のほうが、株価の上昇よりも急勾配なことです。

    出来高は、株価に先行する。出来高が増えた銘柄を買え」とよく言われますね。

    そして、8月22日は168円(7円高)、一日の出来高は1767万株の大商いでした。 この日は、後から考えるとピークですが、OBV線のピークは、株価のピークより先端が鋭く、はっきり出ています。

    この日を過ぎると、大量の出来高を伴いながら、少しずつ値下がりが始まります。

    そして、8月29日、異変が起きます。この日の出来高は、わずか257万9000株ですが、株価は12円と大幅に値下がりします。

    グラフでは、株価の値下がり勾配がきつく、OBV線の下げ勾配はゆるくなっています。
    この株の大相場は、もう終わりでしょうね・・・

    ◆◆バブルとその崩壊の値動きの一般化は、重要ですが◆◆
    ◆◆この例は、短期間で終る場合の典型例だと思います。◆◆
    ◆◆ 明日は、OBV線の作成法と東急不動産の例をご紹介します。◆◆

    三菱製鋼OBV

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    (2001/9/2)
    OBV線でみる
    大相場の一生(後編)

    さて、OBV線をEXCELで書いてみましょう。 例によって、Yahooの時系列から三菱製鋼の7/17〜8/31までのデータをEXCELにコピーしましょう。 各欄には、次のデータが入ります。

    ABCDEFG
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高 調整後終値*

    さて、最新の8月31日のデータの直ぐ右のH2に、=E2-E3をいれて、値上がり幅を計算させます。

    そして、I2には、F2の出来高にプラスかマイナスの符号をつけたものを出させたいと思います。 ABSは、絶対値関数です。これを利用して=F2*H2/ABS(H2)を入れればよさそうです。

    ところが、一つ問題があります。値上がりゼロの時ゼロで割り算してしまいます。 この場合、I2には、ゼロを入れるべきです。 そこで、=IF(H2=0,0,F2*H2/ABS(H2))を入れることにします。

    J2には、OBVを計算させます。前日のOBVにI2(今日の出来高に符号をつけたもの)を加えればよいですね。つまり、J2=J3+I2/1000000を入れます。 グラフに書く時、株価といっしょに表示させるには1,000,000株で割ったほうが便利です。

    以上を表にまとめます。
    説明値上(下)がり幅符号付出来高OBV
    入力するセルH2I2J2
    入力する式=E2-E3=IF(H2=0,0,F2*H2/ABS(H2))=J3+I2/1000000

    H2〜J2を選択して、下(7月17日)までオートフィルすれば、完成です。 A欄、E欄、J欄を選択して、グラフ化ボタンを押して、グラフの体裁を整えれば完成です。

    さて、お待ちかねの話題の銘柄。
    東急不動産について、作ったOBV線は、次のとおりです。

    この大相場は、三菱製鋼よりかなり複雑です。OBV線のピークは、過去6回ありました。

    東急不動産は、少なくとも5度は不死鳥のように甦りました。
    一般的に、前のOBV線のピークを抜くと、上昇がしばらく続くといわれています。

    ◆◆現在買いを唱える人も多いようですが、◆◆
    ◆◆8月22日のOBV線のピークを抜くのは厳しい、と私は思います。◆◆

    ◆◆ 都市再生のテーマに、秋が忍び寄っているようです。◆◆

    東急不動産OBV

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