■コバンザメの徒然草■
ジンベイザメvsコバンザメの 熱き戦い |
このサイトのメインテーマの一つは、TOPIXや日経平均に連動した投信の買いや売りを予測して、確実に儲けるという 極めて効率的な投資法の紹介であります。
予測どおり、大引けの怒涛の上げ(一番下の注意参照)に直面した時の感激は、忘れられません。
この急上昇は、引け値保証という特殊な取り引きが、関係しています。
今日は、一部昇格を例にとり、この取り引きを解説することにします。
直接市場から昇格銘柄を買うのは、実際には投信ではなく、彼らの委託を受けた証券会社です。
東証のTOPIX算定ルールによれば、一部昇格会社の場合、昇格日前日の終値で、投信は大量の株を手に入れる必要があります。
大引けに、それほど多くの取り引きが成立するはずはありません。従って、市場から終値で、投信の需要を満たす株を手に入れるのは、不可能です。
そこで、考え出されたのは、引値保証取引という方法です。 投信会社は、昇格日前日、午後2時30分頃に証券会社に銘柄と株数を正式に発注します。 そして、市場終了後、確定した終値に基づいて、証券会社との間で株を市場外で売買するのです。 |
投信は、終値で必要な株を確実に手に入れることができます。
競争の激化で、手数料は安くなり、証券会社は、終値で仕入れたのでは、利益がでないそうです。
もちろん、証券会社は、どの程度の注文が投信からくるのか、ある程度は事前に分かっています。 彼らは、前もって安く仕込みます。
そして、昇格日前日の午後2時45分。買い注文を次々と出し、売り板を薄くします。
・・・・圧巻は、午後2時59分・・・・
ネットでの新規注文が出せない時刻。
一気に買い注文を出し、終値を吊り上げます。
ホールダーが慌てて、高値で売却しようとすると、市場は終了。
売ることが出来ません。
証券会社は、手数料以外に次の利益を得ます。
証券会社は儲けますし、投信もトラッキングエラーを出さずにすみます。
こうして、無理に吊り上げられた株価は、後に修正されることが多いようです。
損する人も、実は存在します。
一番損をするのは、TOPIX連動投信の購入者なのです。
TOPIXは、引け値保証により、確実に値下がりします。
実質的というより、形式的な値下がりですが・・・
2000年4月、値がさ株30銘柄の入れ替えの影響で、日経平均が2000円も形式的に暴落したのは有名ですね。
・・・・さて、話は変わって、コバンザメの説明です。・・・・
そして、昇格日前日の値動きを嗅ぎつけ、この利益の分け前を得ようと我々個人投資家は、集ってきます。 |
コバンザメ投資家・・・当サイトの命名です。一般化したいので、皆さん、ぜひこの言葉を使って下さい。
優れたコバンザメは、昇格発表前、誰よりも早く安値で株を仕入れ、証券会社が吊り上げた株価で売り抜けます。
コバンザメは、不当な株価を修正する方向に行動して、TOPIX連動投信の購入者の利益を守ります。
優れたコバンザメが充分生息していれば、2000年春の日経平均2000円分暴落は、ある程度緩和されたでしょう。
もっとも、劣ったコバンザメは、買いと売りのタイミングを間違え、メガネトップのように暴落を加速させることもあります。
多くのコバンザメが討ち死の原因となる、行き過ぎた先回り買いは、なんとか未然に防ぎたいものです。
このサイトの影響力に鑑み、結果として買い煽りとなる行為は、今後は避けたいと思います。
コバンザメは、ジンベイザメ(証券会社)の天敵です。
ジンベイザメの平均仕入れ値が高くなるとともに、
終値が吊り上げにくくなり、証券会社の利益が激減してしまいます。
憎きコバンザメを叩き潰そうと、ジンベイザメの戦法も日進月歩しています。
分散買い、ストップ安の見せ板、空売りと翌日の安値買い戻し、そしてオーナーからの調達・・・
こうして、毎回
ジンベイザメ(証券会社)VSコバンザメ(個人投資家)
の権謀術数を尽くした熱き戦いが、繰り広げられるのです。
最後にジンベイザメの正体とは・・・
◆◆系列に投信会社を持つ大手証券会社と欧州系証券会社は、◆◆
◆◆引け値保証取り引きが得意だといわれており、ジンベイザメになることが多いようです。
◆◆
(注意)最近では、昇格日前日の終値がその日の高値にならない例が多くなってます。
ちゃっかり者のコバンザメ |
さて、今日は本物のコバンザメについて、調査したのでご紹介しましょう。
コバンザメは、鮫やカジキや亀に吸着して、生活します。
頭部の背面にある、小判状の吸盤は、背びれが進化したものです。
鮫の子供と間違えられ、この名がつきましたが、実はサメの仲間でなく、鯖やカジキと同じスズキ目の魚です。 大型生物に吸着することで、エネルギーも使わず移動が出来、外敵も手出しできません。
そして、サメや亀が食べ残した餌のおこばれをちゃっかりと横取りして味わいます。 |
しかし、コバンザメも、のんびりしては、いけないようです。
鮫の胃袋を解体すると、コバンザメが入っていることがあるそうです。
鮫を利用しようとして、反対に食べられてしまったのでしょう。
う〜ん、これが一番考えさせられる逸話
・・・・・・・・
さて、一方の主役ジンベイザメも紹介しましょう。
ジンベイザメは、世界で一番大きな魚です。 大きいものは、全長20メートルにも達します。
大海原を悠々と泳いで、小さな甲殻類や小魚、オキアミなどを食べます。
性格は温和で、身体には白い点の模様があり、きものの甚平を着ているように見えます。「甚平を着ている鮫」というのが、名前の由来です。食用には適さず、かまぼこの原料になったと思います。
◆◆巨額な資金を地味な運用に回す、◆◆
◆◆パッシブ運用投信や裁定取引に関連した証券会社に◆◆
◆◆ピッタリな命名ではないでしょうか。◆◆
◆◆
閑話休題でした◆◆
コバンザメの異常増殖 |
正直に言うと去年の私の株式運用は、異常に好成績でした。
こうした自慢は、妻が何か買ってくれと騒ぐので、書かない方が賢いのです。 しかし、某サイトの宣伝のせいで、とうとう彼女にばれてしまいました。
成績が安定しなかった私が勝てるようになったのは、コバンザメ投資法のおかげでしょう。 コバンザメ投資家は、外国から天敵のいない日本の湖に放たれたブラックバスのように増え続けています。
このサイトも、コバンザメ投資法の普及に貢献しているでしょう。
最近、私は、ときどき心配になります。
この異常繁殖が続くと、コバンザメの適正数をオーバーするのではないでしょうか? 一匹のジンベイザメに多くのコバンザメが殺到して、食べ残しを奪い合う。 利益も上げにくくなるでしょう。 |
コバンザメ同士の競争が激しくなるでしょう。 ジンベイザメも、気の毒です。東証が、ジンベイザメのためにルールを変更する悪夢も、実現するかもしれません。
さらに、コバンザメの画一的な習性を利用して、嵌め込みを狙う天敵がそのうち登場するような気がします。
CSKとか双信電機とか、敗北した例も増えてきたのは、偶然ではないでしょう。 銀行が持ち合い株を放出する場合、一部昇格は最高の機会。コバンザメは、ネギを背負った鴨になりかねません。
レミングというネズミに似た動物は、何年か毎に、食べ物がなくなるほど異常繁殖した後、不思議な行動にでるそうです。
レミングは群れをなして断崖に上り、つぎつぎと海に飛び降ります。
集団自殺で、大自然はバランスを取り戻すそうです。
◆◆さて、コバンザメバブルは、どうはじけるのか?◆◆
◆◆
儲けられるうちに、儲けましょう。◆◆
引け値保証ガイドライン |
3月19日、東証は「引値保証取引等に係るガイドライン」を発表しました。 相場操縦規制に抵触するかどうか、東証が注視しているジンベイザメの取引形態は、次のとおりです。
右の欄は、独断と偏見による私の感想です。
項目 | 内容 | 私の感想 |
---|---|---|
事前ヘッジの総数量 | 立会取引を通じた事前ヘッジを必要とする数量を超えて、取引することはないか(いわゆるオーバー・ヘッジ)。 | TOPIX買いが翌日に幾分か持ち越される |
立会終了接近時におけるヘッジ数量等 | 午後立会終了前15分以内における事前ヘッジの数量が、当該銘柄の流動性に比較して、過大なものになっていないか。価格形成へのインパクトを大きくするため、執行のタイミングを意図的に遅らすような行為はなされていないか。 | 大引の極端な出来高集中、大引の怒涛の上げがなくなる。 |
買い上がり(売り下がり) | 午後立会終了前15分以内に、直前の約定価格又は気配価格を上回る(下回る)価格での買い付け(売り付け)注文や成行注文の発注を反復・継続して行っていないか。(注2) | |
維持的形態 | 午後立会終了前15分以内に、直前の約定価格の水準を買い支える(上値を押える)ような取引を反復・継続して行っていないか。(注3) | |
終値形成への関与 | 立会終了時の流動性に比して価格形成に過度な影響を与えるような数量や価格での発注を行っていないか。 | 流動性の少ない株は、TOPIX買いの日以降、日数をかけて買ってくる可能性あり。 |
その他 | 引値保証取引等に係る情報及び当該取引に係る事前ヘッジの情報を利用したフロントランニング的行為はないか。 | ジンベイザメ自身は、先回り買いによるコバンザメ投資ができない。 |
(注1)上記行為形態はあくまで当取引所が主に注視しているものであり、ここに掲げる形態以外の行為について違法性がないとされるものではありませんのでご留意ください。
(注2)引け値保証取引に係る事前ヘッジ売りについては、空売り規制の対象になっております。
(注3)相場が下落(上昇)傾向にあって、より低い(高い)価格で買付け(売付け)を行い得る期待される状況にあるにもかかわらず、直前の価格水準を固定するよう買付け(売付け)を反復継続して行っているような場合がこれに該当することになります。
ジンベイザメの大引の利益を横取りしていた、コバンザメには打撃です。
しかし、効率が落ちるだけでコバンザメ投資自体は、不滅でしょう。
さて、今日、光通信は、第三者割り当て増資(450万株)で、13.5万株のTOPIX買いが予想されました。
同社のチャートです。
ガイドライン実施後のTOPIX買い
高値圏は、この例では、前場の終わりから、後場の初め。
◆◆出来高は、97,000株で、予想の71.9%。◆◆
◆◆
終値1175円は、VWAP 1162.3258を1.09%上回りました。◆◆
5月からTOPIX買いの日が変わります |
4月9日、東証は「TOPIX及びサブインデックス算出要領の一部変更」を発表しました。
2003年5月1日から、以下の二つの場合で、TOPIX買いの日が変わります。
(1)先ず、他市場(大証、名古屋、ジャスダックなど)から東証一部へ上場する場合です。 これまでは、新規上場日がTOPIX買い日でしたが、新規上場日の翌月の応答日に変更になります。 |
5日間に買いが集中した伝説のセシール(大証)、京阪神不動産(大証)、今仙電機(名古屋)のような豪快な値動きは、先回り買いの期間が1ヶ月延びるために、今後は期待できません。
なお、変更後のTOPIX買い日は、何処にも上場されなかった会社が、東証一部に直接上場されるケースと同じになります。 また、東証2部やマザーズからの昇格のTOPIX買いの日は、昇格日前日で、これまでどおりです。
(2)次に第三者割り当て増資のTOPIX買い日です。 これまでは、払込日がTOPIX買い日でしたが、払い込み日の5営業日後に変更されます。 |
◆◆実際に払い込まれるかどうか分からない増資に◆◆
◆◆ジンベイザメが付き合わされる、という矛盾が改善されます。◆◆
◆◆過去を知らず、新しく研究される方はこちらを読めば、よいわけです◆◆
昇格直前の業績下方修正 |
ドッドウエルは、5月16日の市場終了後、平成15年6月期の業績予想の下方修正を発表しました。
売上げは14,000百万円から、12,718百万円に、純利益は1,031百万円から824百万円に減額されました。 昇格の基準は、最近の一年の利益については、4億円以上なので、問題ありません。
しかし、もともと過熱気味だったこともあり、下方修正発表直後の19日は、ストップ安の比例配分。 翌20日も続落しました。
昇格しないと考えて、売った人も多かったかもしれません。結果は、無事昇格です。
ドッドウエル | 発行済株数@ | 46,032,534 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
日付 | 事柄 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高A | A/@ |
2003年5月16日 | 680 | 691 | 673 | 683 | 532,000 | 1.16% | |
2003年5月19日 | 業績予想下方修正直後 | 583 | 583 | 583 | 583 | 27,200 (ストップ安比例配分) | 0.06% |
2003年5月20日 | 553 | 569 | 502 | 545 | 2,833,500 | 6.16% | |
2003年5月21日 | 昇格発表直後 | 560 | 574 | 522 | 535 | 1,468,400 | 3.19% |
よく考えてみると、3月に昇格したダイニチ工業も、発表直前の19日(市場終了後)下方修正の発表がありました。
平成15年3月期の利益予想は、900百万円から677百万円に減額されました。
ダイニチ工業 | 発行済株数@ | 19,058,587 | |||||
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日付 | 事柄 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高A | A/@ |
2003年2月19日 | 481 | 481 | 475 | 477 | 28,700 | 0.15% | |
2003年2月20日 | 業績予想下方修正直後 | 440 | 440 | 420 | 430 | 199,700 | 1.05% |
2003年2月21日 | 昇格発表直後 | 480 | 491 | 472 | 490 | 172,000 | 0.90% |
どうも東証一部昇格後に下方修正を行うことは禁じられており、昇格発表直前に下方修正を発表するよう東証から指導されている可能性が高いと思います。
むしろ、発表直前の業績予想の下方修正は、昇格が確実であることのサインかもしれません。 下方修正後の安値圏で買って、昇格発表直後の寄り付きで売れば、二社についてはプラスになっています。
しかし、下方修正発表前に買った人は、多額の損害を出していますね。
私は、両銘柄とも、暴落の惨事を体験しました。
地雷を踏んだような、気分です。
◆◆業績が悪化している昇格候補は、◆◆
◆◆発表直前まで持たないほうがよいようです。◆◆
TOPIX買い直前の売出発表 |
昨日(TOPIX買いの前日)、市場終了後、ニイウスは23,040株の売出を発表しました。 これは、発行済株数143,130株の16.1%にも相当します。売り出しは、供給過剰になることから株価下落要因です。
会社側としては、TOPIX買いの前日に発表して、株価を少しでも維持したかったのでしょう。 しかし、コバンザメ投資家にとっては、恐怖の大事件です。
ニイウス売出発表直後のTOPIX買い
さて、今日の寄り付きは、246,000円と7.52%も下がって始まりましたが、直ぐに上昇、引けは261000円(-1.88%)まで戻しました。 さすが、人気のある銘柄は、強いですね。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2003年5月29日 | 市場終了後、売出(23040株、16.1%)発表 | 269,000 | 274,000 | 263,000 | 266000(100) | 3,481 |
2003年5月30日 | TOPIX買い | 246000(92.48) | 261,000 | 242,000 | 261000(98.12) | 7,526 |
似たような例としては、マンダムとニチイ学館があります。
公募の発表は、TOPIX買いの二日前の市場終了後。両社の公募等の発行済み株数に対する割合は、7〜9%とニイウスに比べて少なくなっています。 しかし、両社の値動きは、ニイウスと比較して、より悲惨な結果に終わっています。
ニチイ学館については、ニイウスと同様、発表直後に買い、TOPIX買いの終値で売れば+4.68%になりました。
ホールダーには、災難でも新規に投資する人にとっては、面白いかもしれません。
しかし、マンダムで同様の投資を行うと-3.36%のマイナスです。
この種の投資を行うには、発表直後の値下がりは、7%以上必要なのでしょう。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2003年2月26日 | 市場終了後、公募(165万株、6.8%)と 売出(10万株、0.41%)発表 | 2,440 | 2,505 | 2,440 | 2500(100) | 147,900 |
2003年2月27日 | 2380(95.2) | 2,380 | 2,280 | 2,320 | 785,900 | |
2003年2月28日 | TOPIX買い | 2,340 | 2,345 | 2,300 | 2300(92) | 851,300 |
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2002年8月28日 | 市場終了後、公募(200万株、6.1%)と 売出(80万株、2.4%)の発表 | 7,200 | 7,230 | 6,970 | 7000(100) | 284,700 |
2002年8月29日 | 6320(90.28) | 6,450 | 6,060 | 6,400 | 559,800 | |
2002年8月30日 | TOPIX買い | 6,550 | 6,780 | 6,500 | 6700(95.71) | 986,300 |
◆◆売り出しや立会い外分売を行っていない銘柄は、◆◆
◆◆TOPIX買いの1〜2日前の市場終了後に◆◆
◆◆爆弾発表を警戒する必要がありそうです。◆◆
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