■倒産企業に学ぶ■

---目次---
  • 紙くずを買い漁る人々(55ステーション)
  • 佐藤秀の民事再生法適用申請
  • 大木建設の逆日歩とインサイダー疑惑
  • 日本コーリンとオペレーティングリース
  • マイカルの迷走(前編)
  • マイカルの迷走(後編)

  • (2005/6/25)
    紙くずを買い漁る人々
    (55ステーション)

    ダイエー系の写真DPE大手の55ステーション(JASDAQ)が東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、保全管理命令を受けたのは、4月11日のことです。負債総額は約127億円。

    翌日は、ストップ安比例配分。
    4月13日には、56円で寄り付きます。 この株価は高過ぎると思います。

    同社の発行済株数は、5,862,805株と小形株です。 無価値な株の時価総額が、3.28億円に達するわけです。

    この日の出来高は、1,678,900株と発行済株数の28.6%に過ぎません。 不思議なことに大株主のダイエー(28.91%)、日本流通リース(22.53%)は、この瞬間に売らなかったと推定できます。

    大株主の不合理な行動、発行済株数の少なさ、そして、紙くずを買い漁る人々の存在によって、その事件は起こります。

    理解しがたい、その後の同社の株価上昇です。

    あと4日しか取引できない5月6日。

    株価は、驚くべきことに380円まで暴騰します。
    紙くずの時価総額が22.28億円ですぞ。

    55ステーションの倒産と株価推移
    55ステーション 発行済株数 5,862,805
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2005年4月11日 440 446 421 436 4,100
    2005年4月12日(発表直後) 356 356 356 356 700
    2005年4月13日(大量出来高寄付日) 56 79 50 57 1,678,900
    2005年4月14日 55 59 42 42 1,683,700
    2005年4月15日 40 42 33 37 1,159,100
    2005年4月18日 35 38 32 38 254,500
    2005年4月19日 35 39 31 36 389,800
    2005年4月20日 41 66 39 66 1,437,900
    2005年4月21日 96 96 96 96 77,600
    2005年4月22日 126 126 118 118 1,054,800
    2005年4月25日 58 86 53 68 4,722,300
    2005年4月26日 75 98 74 93 4,676,000
    2005年4月27日 108 123 103 123 3,286,200
    2005年4月28日 153 173 153 173 2,890,800
    2005年5月2日 218 223 200 223 1,842,900
    2005年5月6日 228 380 228 367 1,217,700
    2005年5月9日 102 102 102 102 45,400
    2005年5月10日 52 52 52 52 232,300
    2005年5月11日(取引最終日) 23 62 22 39 7,326,900

    しかし、休み明けの5月9日、不思議な人々も、ついに目が覚めます。

    9日は、102円(-265)の比例配分です。この日は、ストップ幅(通常は-80)が存在しなかったのでしょうか?

    取引最終日。紙くずを買い漁る人々が再び登場し、大量出来高。
    終値は39円の馬鹿高値でした。

    ◆◆取引最終日に買った人は、今頃ぼやいているでしょう。◆◆
    ◆◆ なんだ、ただの紙くずじゃないか。◆◆
    ◆◆ もっとも、今でも美品ならヤフーオークションで売れるかも・・・◆◆

    もどる

    (追補)
    みつさん、HHHさん、通りすがりさんのご指摘(関連投稿1〜3)のとおり、5月6日の最後は、152円の特別売り気配のようで、9日はこの株価より50円安い102円のストップ安となりました。

    新天地さんのご指摘(関連投稿4)のリンク2は、4月13日に56(-300)で、ストップ幅を超えて寄り付いた理由となっています。

    (関連投稿1)
    [4721] 無題 投稿者:みつ 投稿日:2005/06/25(Sat) 11:56

    55ステーションのS安の値幅制限無し(?) なんとなくの記憶なんですが、前日が特売りのざら場引けだった様な気がします。 時々こうした、あり!?ってことを、みますが反対のS高だったら値幅は どうなるんでしょう。(そうそうあることじゃないけど・・・。)

    (関連投稿2)
    [4726] 55すて 投稿者:HHH 投稿日:2005/06/25(Sat) 16:44

    55ステションのことですが、高値を付けた日の途中から特売り気配になっています。 その日の終値は高いですが、気配は100円台だっとおもいます。
    そのせいで値幅超えってことになるんじゃないでしょうか。
    ちがうのかな・・・

    (関連投稿3)
    [4729] 55ステ 投稿者:通りすがり 投稿日:2005/06/25(Sat) 18:34

    いつも楽しみに拝見させていただいております。
    55ステですが、ブログに画像を記録してあります。
    ご参考までに。

    参考リンク1

    (関連投稿4)
    [4730] ちなみに 投稿者:新天地 投稿日:2005/06/25(Sat) 18:35

    整理ポストの下限拡大はこれによるんじゃないかな

    参考リンク2
    (2004/6/14)
    佐藤秀の民事再生法適用申請

    JASDAQ上場、高級住宅が得意な建設会社・佐藤秀は、東京地裁に民事再生手続きの開始を申請し、受理されました。 この発表があったのは、2004年6月10日の市場終了後です。

    翌日は、ストップ安の135円、何故か5000株も出来高がありました。

    今日は、発表後二日目、下値の値幅制限はなくなり、1円まで取り引き可能になるようです。言い換えると、マネーゲームのお祭りが始まる日です。

    気配値は、次第に下がっていきます。

    10時55分、25円(-110円)で寄り付きます。
    寄付の出来高は、約140万株です。

    もともと発行済株数は9,300,000株しかない小型株です。

    倒産した銘柄は、下降トレンド約束されているので、買わないほうがよいはずです。 しかし、発表直後に大量出来高で寄り付いた瞬間買うと、リバウンドで儲けられる可能性が高い点は否定できません。

    佐藤秀も、前場5分間と後場の6分間、狂ったように上昇します。

    ・・・午後12時36分・・・

    株価は45円をつけます。寄り付きの25円と比べると80%も上昇したことになります。 しかし、たったの11分で暴騰は終了。ここが今日の天井でした。

    終値は35円、高値づかみした人は、現時点で22.2%も損をしています。 今日の出来高6,686,000は、発行済株数の71.9%。

    VWAPは33.7894でした。

    倒産銘柄を買うなら大量出来高で寄り付いた瞬間ですね。

    この瞬間以外は危険でしょう。

    ◆◆ネズミ講で儲けるのが難しいのと理由は同じです。◆◆
    ◆◆ 欲張りが多ければ上がるし、少なければ下がる。最後まで持てば、紙切れに。◆◆

    ◆◆ また、この手法が広まると、ドラマの結末は寄付天井かな?◆◆

    もどる


    (2004/4/3)
    大木建設の逆日歩と
    インサイダー疑惑

    東証1部上場の中堅ゼネコンの大木建設(株)(資本金64億7089万4000円)は、3月30日に東京地裁へ民事再生法を申請しました。 負債は約767億円です。

    倒産が発表されたのは、3月30日の市場終了後です。

    しかし、同社の株は、発表前(29日〜30日)なのに、不審な動きをしています。

    29日の出来高は、713,000株の大商いでした。
    この内の424,000株は、空売りです。なお、大木建設の通常の出来高(1月16日〜3月26日の平均)は21.7万株です。

    30日は、出来高はさらに増えて、1,941,000株。
    この内のなんと67.8%に相当する1,316,000株が空売りです。

    この二日間に、大木建設に関する大きなニュースはありません。 四季報を見ても、倒産する財務内容とは、思えません。

    この二日間の空売りは、事前に民事再生法を申請を知っていた者のインサイダー取引の可能性が極めて大きいと私は思います。

    大木建設の倒産と株価推移
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2004年3月26日 160 163 155 158 268,000
    2004年3月29日(インサイダー疑惑) 154 154 147 149 713,000
    2004年3月30日(インサイダー疑惑) 147 149 140 144 1,941,000
    2004年3月31日(発表直後) ストップ安 0
    2004年4月1日 15 20 8 9 82,255,000
    2004年4月2日 9 10 8 9 15,804,000

    大木建設の倒産と日証金貸し株の推移
    貸借申込日 貸し株 融資 貸株超過株数(株) 当日品貸料率(円)
    新規 返済 残高 新規 返済 残高
    2004年3月26日 0 0 588,000 0 0 1,148,000 -560,000 0.00
    2004年3月29日 424,000 16,000 996,000 93000 38,000 1,203,000 -207,000 0.00
    2004年3月30日 1,316,000 64,000 2,248,000 559,000 57,000 1,705,000 543,000 45.00(3日分)
    2004年3月31日(発表直後) 4,000 78,000 2,174,000 9,000 77,000 1,637,000 537,000 15.00
    2004年4月1日 165,000 1,530,000 809,000 30,000 1,469,000 198,000 611,000 15.00
    2004年4月2日 0 725,000 84,000 6,000 54,000 150,000 -66,000 0.00

    仮にインサイダーが、1,316,000株を30日に147円で空売りして、4月1日に15円で買戻したとします。 手数料を無視すると1億7,370万円の利益です。 しかし、あまりに露骨であったため、1日あたり15円もの逆日歩が発生します。

    逆日歩の合計は、75円分、9,870万円にも達しました。

    この逆日歩は、インサイダー取引の証ではないでしょうか?

    ◆◆インサイダーの利益は、今のところ7,500万円です。◆◆
    ◆◆ インサイダー取引で生じた安値に惑わされて、同社株を買った被害者もいます。◆◆

    ◆◆ 証券取引等監視委員会の活躍を期待したいと思います。◆◆

    もどる


    (2003/7/15)
    日本コーリンと
    オペレーティングリース

    2003年7月14日、日本コーリンは、東京地裁に民事再生法手続きの開始を申請し、倒産しました。

    負債総額は、193億7800万円で、オペレーティングリースに伴う債務保証負担などから、2003年5月中間期が15億6000万円の債務超過に転落したそうです。

    2002年11月期、同社の自己資本は、95億円もありました。 昨年度までは、主力の動脈硬化測定装置の売上げが順調に増加していました。 5月には株価が暴落しましたが、14日の株価653円は、倒産企業にしては異例の高さです。

    一体何故こんなことになったのか?

    その秘密は、オペレーティングリースという言葉にあると思います。(参考資料

    普通のリース(ファイナンスリース)は、動脈硬化測定装置の1.1〜1.2倍の価格に応じて、リース料が決定されます。

    しかし、オペレーティングリースでは、新品価格から一定期間後の残価を引いた値段をもとに、リース料が決定されます。

    したがって、リース料が安く、リース期間も短く決められます。 中古市場性のある汎用物件 のみが対象になります。

    リース期間が満了すると、病院は次の3つのいずれかを選択することが出来ます。

    (1)物件返却
    (2)ニ次リース
    (3)公正市場価格にて購入

    こうした契約は、病院側が圧倒的に有利です。したがって、日本コーリンの動脈硬化測定装置は、昨年まで飛ぶように売れ、利益が上がりました。

    (2)(3)が選ばれているうちは、問題がありません。
    しかし、やがて(1)の物件返却が殺到するようになります。

    動脈硬化測定装置の流動性の高い中古市場など存在するはずがありません。
    日本コーリンの不良在庫の山は、こうして積み上げられます。
    リース会社は、このリスクに備え、日本コーリンと債務保証契約を結んでいたのでしょう。

    負債の内訳は、次のとおりです。

    1.金融債務   100億3100万円
    2.取引業者等   28億6600万円
    3.その他債務(保証債務引当等の会計上の引当を含む)64億8100万円

    3が隠されていた最後の時限爆弾で、これが一気に炸裂したのでしょう。

    5月は、同社の中間決算。7月はその提出期限。
    監査法人の審査が通らず、倒産に追い込まれた気がします。

    ◆◆残存者利益とか言って、ライバルのフクダ電子を買う人もいるようですが、◆◆
    ◆◆短期的には、格安の動脈硬化測定装置が、◆◆
    ◆◆行き場のない中古品市場に溢れている気がします。◆◆

    ◆◆明日は休みます◆◆

    もどる


    (2001/11/5)
    マイカルの迷走(前編)

    1996年7月、大手スーパーのニチイは、社名をマイカルに変更します。

    これは、量販店から脱皮して、感性を重視したサティ、ビブレなどの新業態店への投資を加速する決意表明でした。 しかし、バブル崩壊後の消費不況は、ますます深刻化して、新店舗から客足は遠のきます。

    2000年末には、借金は1兆1,600億円にも達し、マイカルのメインバンク第一勧銀は、巨額の貸付金の返済を少しでも実行したいと考えるようになります。

    2001年1月11日、マイカルの宇都宮社長が、来る5月に任期半ばの勇退をして、後任に、警察OBで関連会社の社長を務めた四方修氏が内定したことが発表されます。

    背景には、債権回収を急ぐ第一勧銀の圧力がありました。
    この日の株価は、12円安の228円でした。

    1月24日、四方顧問は、50店の赤字店閉鎖、2700人の人員削減などを柱とする
    「新中期3ヵ年経営計画」を発表します。

    この間、株価は上昇し、発表前日の23日が255円のピークでした。
    発表日には、8円値下がりしています。情報漏れだと思います。

    その後、株価は、一転して値下がりが続きます。

    3月16日、臨時株主総会と取締役会が開催され、四方修氏は、正式に社長に就任します。
    宇都宮浩太郎社長は、経営悪化の責任を取り辞任、
    小林啓邦副社長ら創業者一族も退任が決まります。

    臨時株主総会の日の株価は、底値の137円でした。この日を境に、マイカル株は、上昇を開始します。

    4月13日、決算(2001年2月期)が発表されます。連結で872億9200万円の赤字でした。
    ところが、マイカルの株価は、この決算をあく抜けとして好感します。

    4月25日、この日マイカルは、984万8000株の大商いで、201円と大台を回復します。
    日経平均がピークをつけた5月7日、マイカルも220円の高値をつけます。

    その後、マイカルは、暴落の一途を辿ります。
    公然と信用不安が囁かれるようになり、取引業者の不安が募ります。

    6月下旬、こんな噂が広がります。

    小泉総理が訪米で用意する、衝撃の手土産とは何か?
    答え・・・「ゼネコン、流通各1社の経営破たん

    流通の一社とは、何処をさすのか?
    yahooの掲示板は、大騒ぎになります。

    ◆◆6月19日、マイカルは、21円安の111円でした。◆◆
    ◆◆出来高は、1520万株のパニック売りでした。◆◆
    ◆◆ この続きは、明日発表します。◆◆

    もどる


    (2001/11/5)
    マイカルの迷走(後編)

    みずほグループ以外の銀行は、資金を引き上げ始めます。

    8月13日、第一勧銀は、500億円の融資をマイカルに行い、経営を支えることを発表します。
    8月14日、メインバンクの支援を好感して、マイカルの株価は、30円も上昇、120円となります。

    この時期、水面下でウォルマートとの提携が模索されていました。
    第一勧銀は、この交渉の成立に賭けていたのです。
    しかし、他行の資金協力は得られず、仕入れ業者にも不安は広がります。

    逃げる他行の融資を引き継がねばならない、倒産会社のメインバンクは、辛いものです。
    第一勧銀のマイカルへの融資高は、2月末より836億円も増加して、1617億円となってしまいます。

    万事休す。
    マイカルの四方社長は、第一勧銀と合意して、大阪地検に会社更生法の申請(15日の予定)をすることを決意します。

    会社更生法では、全取締役が辞任し、管財人が取締役の刑事責任・民事責任を追及することがあります。 また、株式は100%減資されます。
    2001年9月14日、会社更生法の申請を決めるための取締役会が開催されます。

    ここで、大事件が起こります。
    徹夜で多数派工作を行なっていた山下取締役達は、クーデターを起こし、
    四方社長を解任して、山下新社長を選任します。

    同日、東京地裁に民事再生法の申請を行ないます。

    民事再生法では、取締役は必ずしも辞任する必要がなく、刑事責任・民事責任の追及もあまりないそうです。 好条件のスポンサーを見つければ、株式も100%減資されないこともあります。

    生え抜きの取締役達は、民事再生法がよっぽど気に入っていたのでしょう。
    そういえば、最近、会社更生法は申請されませんね。

    マイカルの株価は、14日53円、17日23円(買った人いたんですね)、18日3円となります。

    さて、興味深いのは、メインバンクのほうの株価です。

    9月14日、みずほホールディングスの寄り付きは503,000円でした。
    倒産の報が伝わった瞬間、株価は492,000円まで暴落します。
    しかし、直ぐに反発し、終値は518,000円(25,000円高)でした。

    メインバンクの責任が回避でき、出血が止まったことを、市場は好感したのです。

    ◆◆もちろん、マイカル経営陣と第一勧銀とは、現在、喧嘩別れです。◆◆
    ◆◆ スポンサーは、ウォルマートとイオングループが挙っていますが、◆◆
    ◆◆どうなるのでしょうかね。◆◆

    ◆◆ここで、教訓・・・メインバンクが全面的に支える・・・有効期間1ヶ月かな。◆◆

    もどる


    ホームへ