■J_Coffeeの徒然草(44巻)■

---目次---
  • 日本テレビ放送網の監理ポスト入りに思う
  • 名義書き換えを自社で行なう企業のリスト
  • 西武鉄道は、上場廃止か?(前編)
  • 西武鉄道は、上場廃止か?(後編)
  • ストックオプションの権利落ち(インボイス)
  • 子供の頃のバナナ
  • インボイスの高株価維持対策(分割時の自社株買い)
  • サミーとセガ
  • UFJつばさ証券のUFJ完全子会社化中止
  • 今秋のサンマは、高値となる?

  • (2004/11/8)
    日本テレビ放送網の監理ポスト入りに思う

    さて、既にご承知のとおり、日本テレビが今日から監理ポスト入りしました。 理由は、有価証券報告書に虚偽の記載をしていたためです。同社は、有価証券報告書を次のニュースが示すように訂正しました。

    日本テレビ放送網は5日、2000年3月期から04年3月期までの有価証券報告書を同日訂正したと発表した。
    読売新聞グループ本社が保有する日テレ株の一部を渡辺恒雄グループ本社会長の名義として報告していた。
    虚偽記載は1971年から、読売と日テレの「親密性を示すシンボル」として行われていた。
     

    読売新聞の実質的な創業者・正力松太郎が亡くなったのは、1969年10月9日です。
    後継者をめぐる権力闘争は、7ヶ月半続きます。

    当時、読売新聞には、二人の副社長がいました。

    務台光雄は、販売部門の叩き上げの実力者。
    小林与三次は、正力の娘婿で、自治省事務次官出身です。

    勝った方が、読売新聞の社長になるのです。

    1970年5月29日、読売新聞社長には務台光雄が就任し、小林与三次は日本テレビ社長に転出します。

    息子・正力亨は、日本テレビの副社長でした。

    「亨が日本テレビの社長に昇格する」と誰もが思っていましたが、貧乏くじを引き平取締役に降格されます。 正力亨は、当然多くの株を保有しており、務台にとって怖い存在だったでしょう。

    こうした背景の下、有価証券報告書の虚偽の記載は、1971年3月に「務台光雄」から始ったのだと思います。 単なる憶測ですが、配当や「親密性を示すシンボル」が目的ではなく、株主総会をにらみ、権力闘争を有利に進めるためかもしれません。

    古い四季報によれば、務台光雄は、1982年9月、64万株(7.2%)の日本テレビ株を保有しています。 1株3600円として、23億円。とてもサラリーマンが買える金額では、ありません。

    その後、この形式的な大株主の地位は、・・・務台光雄・・・小林与三次・・・渡辺恒雄・・・と三代の読売新聞社長に受け継がれます。
    渡辺の持ち株は、161万株(6.3%)、今日の終値14800円で計算しても、238億円です。

    松井ユーザーさんのご指摘のとおり、注意深く観察すれば、名義株であることは推測できたでしょう。

    ナベツネ氏は、プロ野球界のワンマンぶりでも有名で、私も好きではありません。
    しかし、特定株主比率が上場廃止基準に抵触するわけでないし、今回の東証の監理ポスト入りの措置は、行き過ぎの気がしてなりません。

    ◆◆特定株主比率が88%もあるのに事情を話さず、◆◆
    ◆◆高値で西武鉄道株を取引先に嵌め込んだ堤義明氏と比べると◆◆
    ◆◆日本テレビの罪は軽そうです。◆◆

    ◆◆ 以上、ポジショントークも混じっていますよ。◆◆

    (参考)読売新聞・歴史検証

    もどる


    (2004/10/19)
    名義書き換えを自社で行なう
    企業のリスト

    西武鉄道は、有価証券報告書に40年以上もコクドの持ち株数に虚偽の記載を行なっていたそうです。 呆れるばかりで、こうした企業は、上場廃止が相応しいと思うようになりました。

    以下は、へたくそ魔術師 さんの投稿です。

    初めまして Jさん いつも楽しく読ませて頂いております。
    以前上場斜陽会社で事務で担当してた部分から実務レベルから考えると・・

    殆どの上場会社は信託銀行に証券代行という形で委託しています。
    年に2回決算時に大株主名簿というのが送付され、それを基に有価証券報告書及び 株主総会召集通知等を作成します。それを確認の資料として公認会計士にも確認してもらっていました。
    (後略)

     

    証券代行を信託銀行など外部に委託すれば、持ち株数に関する不正は防げると思います。
    ところが、西武鉄道は、名義書き換えなどを自社で実施していました。

    この点が、不正の温床となったと思います。

    そこで、自社で名義書き換えを行なっている企業を調査してみました。 全部で9社しか存在しません。もともと名義書き換えを業務として行なっている信託銀行などを除くと5社のみです。

    名義書き換えを自社で行なう企業のリスト(出展:会社四季報2004/9)
    コード 会社名 市場
    2808 サンビシ 名証2部
    7900 大出産業 ジャスダック
    8403 住友信託銀行 東証1部、大証1部
    8404 みずほ信託銀行 東証1部、大証1部
    8691 日本証券代行 東証2部、大証2部、名証2部
    8692 だいこう証券ビジネス 東証2部、大証2部
    9002 西武鉄道 東証1部
    9013 伊豆箱根鉄道 東証2部
    9082 大和自動車交通 東証2部

    東証1部は、西武鉄道だけです。

    ◆◆ところで、伊豆箱根鉄道は西武系ですが、大丈夫でしょうかね?◆◆
    ◆◆ 2004年3月末、同社の特定株比率は74.9%、西武鉄道の持ち株は48.2%あります。◆◆

    ◆◆ 東証は、この会社も調べるべきでしょう。◆◆

    もどる


    (2004/10/13)
    西武鉄道は上場廃止か?
    (前編)

    コクドの堤義明氏が突然辞任しました。辞任理由は、長年にわたり、コクドが所有する西武鉄道株について、有価証券報告書に虚偽の記載を行なっていた責任を取ったようです。 参考

    例えば、2004年3月末の大株主の比率は次のように訂正されています。

    2004年3月の西武鉄道の大株主
    訂正前 訂正後
    コクド 187014千株 43.16% 280931千株 64.8%
    プリンスホテル 4252 0.98% 18208 4.2%
    その他8社 84639 19.53% 84639 19.5%
    10社合計 275905 63.67% 383778 88.6%
    発行済株数 433304 433304

    東証の上場廃止基準によれば、少数特定者持株数が、90%を超すと猶予期間なしに上場廃止になります。ただし、所定の書面を提出する場合を除く。 また、80%を超すと1年間の猶予期間の後に上場廃止となります。

    西武鉄道の上位10社の比率は、2000年3月期(91.19%)、2001年3月期(90.64%)、2002年3月期(89.26%)、2003年3月期(88.76%)、2004年3月期(88.57%) となっています。
    つまり、直ちに上場廃止されても、不思議ではありません。

    現実に、本日付で、西武鉄道は監理ポストに入りました。

    ただし、ここ半年間でコクドは株を売り、4年9月末の10社の持ち株は、74.9%に減り、80%以下の基準をクリアしたようです。参考

    売る過程で、株価がかなり下がった可能性があり、明日下がったところは買いかもしれません。

    ◆◆しかし、本当に上場廃止になれば、さらに暴落するでしょう。◆◆

    ◆◆ 売りか?それとも買いか?◆◆
    ◆◆ 面白そうなテーマです。皆さん、どう思われますか?◆◆

    もどる


    (2004/10/14)
    西武鉄道は上場廃止か?
    (後編)

    東証の発表によれば、西武鉄道が監理ポスト入りした理由は、次の2点で、少数特定者持株比率は問題となっていません

    (1)株券上場廃止基準第2条第1項第11号a前段に該当する場合
    (2)株券上場廃止基準第2条第1項第16号に該当するおそれがあると当取引所が認める場合

    株券上場廃止基準は、こちらで、見れます。それぞれ次の内容のです。

    (1)上場会社が財務諸表等または中間財務諸表等に「虚偽記載」を行い、かつ、その影響が重大であると当取引所が認めた場合(11号a)
    (2)公益または投資者保護のため、当取引所が当該銘柄の上場廃止を適当と認めた場合(16号)

    (1)については、前段がポイントです。
    有価証券報告書の誤りが「事務的な単純ミス」か、それとも「意図的な虚偽記載」か?

    この判断により、上場廃止かどうかが決定されます。

    毎日ニュースによれば、「仮に証券取引等監視委員会から証券取引法違反(虚偽記載)で刑事告発されたり、東証が事実上の同法違反と認定すれば、上場廃止となる。」そうです。

    後段の「その影響が重大である」かどうかについては、重大なのは明白で議論の余地はないというわけです。

    (2)については、こうした出鱈目な企業を上場させると投資家が被害を受けるので、上場廃止が投資家保護につながるという論理です。 ホールダーにとっては、上場廃止で被害を受けるわけですが、上場を続けたらもっと多くの投資家が被害を受けるかもしれません。

    上場廃止するなら、コクドやプリンスホテルにTOBさせるのが筋です。
    そうなれば、一転、西武鉄道は暴騰しますが・・・

    彼らにはその力があるでしょうか?
    コクドは、借金が多い会社のようです。

    思ったより、上場廃止の確率は高そうです。

    ◆◆東証は、短期間で結論をつけるでしょうから、しばらく静観がよいでしょう。◆◆
    ◆◆ 以上、誤解している点、間違った点を発見した人は、掲示板で教えてください。◆◆

    ◆◆ 明日から、公私ともに忙しく、3日間休みます。◆◆

    もどる


    (2004/9/19)
    ストックオプションの権利落ち
    (インボイス)

    インボイスのストックオプション(1株につき1株付与される)の権利付最終日は、9月24日です。 行使価格は22,090円、行使期間は2004年11月12日から2005年9月30日までです。参考

    ストックオプションの権利を得た人は、株価Sにかかわらず、行使期間中に22,300円(手数料210円を含む)を払い込めば、インボイスの株が手に入ります。 もちろん、株価が行使期間中にずっと行使価格を割り込めば、払い込みを行なう人はなく、インボイスの資金計画は挫折します。

    インボイスという会社に対しては、私は高値の自社株買い以来、不信感が増してきており、SOの権利取得を勧める気は、全くありません。

    私が、興味を持っているのは、9月27日に、極めて珍しい権利落ち現象が観察できるということです。
    まぁ、皆既日食を予測して、検証する興味と似ているのでしょうか。

    この権利落ち金額は、幾らになるのが適正なのでしょう?

    オプション価格(権利落ち分)については、ブラック・ショールズ・モデルなどで、計算するのが妥当な気がします。
    次のサイトの解説が分かりやすそうです。

    しかし、権利落ちでSがCだけ安くなってしまうのが、このサイトの式にないところです。
    もともとオプションに不慣れな私には、正解がよく分かりません。

    権利落ち金額は、幾らが適正化か?

    ◆◆数学の得意な人は、計算していただけると有難いのですが・・・◆◆
    ◆◆ 自信のない方は、27日の朝は株価が落ち着くまで、取引しない方が無難でしょう。◆◆

    もどる


    (2004/9/14)
    子供の頃のバナナ

    女房によると、私は異様にバナナが好きだそうです。

    何故、そんなに好きになったのか?
    その原因を探ってみることにします。

    私の一番古い記憶の一つに、「隣の家がテレビを買い、遊びに行った思い出」というものがあります。
    たぶん私が幼稚園か、小学校低学年の頃のことでしょう。

    当時、テレビは、街頭でプロレスを見るのが一般的で、なかなか買えませんでした。
    隣のテレビは、輝いていました。

    そこで、見た番組は、「ちろりん村とくるみの木」というNHKの人形劇です。
    ちろりん村は、三つの民族、すなわち野菜、果物、動物が共存していました。

    さて、次の情景が私の深層心理に影響を与えている気がしてなりません。

    主人公の「くるみ」の属する野菜は、庶民です。
    トマトは、野菜のくせに果物社会に入り込んだ悪役でした。

    果物族は、金持ちが多いのですが、特に豊かだったのは、バナナの三人家族です。
    貴族のような暮らしぶりの三人家族で、りんごのお手伝いさんがいました。

    国産のりんごは、庶民の果物でした。
    輸入制限を受けたバナナは、庶民には舶来の貴重品。

    1960年前後、日本はまだ貧しく、外貨は貴重でした。

    縁日の露店では、バナナが巧みな口上で売られていました。
    「1000円・・・950円・・・900円・・・850円・・・えーい持ってけ泥棒800円!」

    しかし、たまに買うと、そのバナナは必ず傷んでいました。

    ちゃんとしたバナナは、家族が病気になって入院して、果物かごのお見舞いをもらわない限り、子供は食べられませんでした。

    幼い時のバナナは、兄弟で分けあいました。
    気品があり、甘くて美味しかった。

    もしかすると「僕も悪役トマトのように果物族になって、バナナを腹いっぱい食べるぞ」と思ってたのかもしれません。

    高度経済成長で、日本は発展し続けます。
    1963年、私が10才のとき、バナナは自由化されます。

    我家でも、次第に、おやつにバナナが登場するようになり、やがて飽きられます。

    ◆◆バナナは暴落し、品種改良の進んだりんごより落ちぶれます。◆◆
    ◆◆ しかし、幼児体験というのは、心の底に残るものなのでしょう。◆◆

    もどる


    (2004/9/9)
    インボイスの高株価維持対策
    (分割時の自社株買い)

    株価が不当に安く放置されている場合、上場会社は、株主に報いるため自社株買いを行うのは理にかなっています。 安く自社株を買って、消却し、一株当たりの価値をあげるのです。

    しかるに、インボイスの自社株買いは、この大原則を逸脱しています。

    6月24日は11倍分割を行ったインボイスの権利付最終日でした。
    高倍率の分割を行った場合、権利落ち後の株価は、高騰するのが一般的です。

    株式の流通金額が1/11に激減し、供給不足が生じるためです。 インボイスも7月2日に株価は43,400円に暴騰します。

    7月6日、分割バブルは、ついに崩壊します。

    この瞬間、インボイスは、前代未聞の発表を行ないます。
    分割バブルが続いている時期に旧株の12.8%(95645株)の自社株買いを実施するというのです。

    発表直後の7日、株価はストップ高と切りかえします。

    次表が示すとおり、自社株買いは、新株が流通していない期間は、ずっと継続されました。

    日付 自社株買い 終値 出来高
    株数 買い付け金額 平均単価
    2004年6月21日 257,000 92,797
    2004年6月22日 226,000 92,642
    2004年6月23日 262,000 100,752
    2004年6月24日
    (権利付最終日)
    246,000 69,281
    2004年6月25日
    (権利落ち日)
    25,360 587
    2004年6月28日 28,360 573
    2004年6月29日 31,400 443
    2004年6月30日 35,400 5,355
    2004年7月1日 39,400 19,693
    2004年7月2日 43,400 7,766
    2004年7月5日 42,000 214,187
    2004年7月6日
    (分割バブル崩壊)
    (第一回自社株買い発表)
    38,000 50,136
    2004年7月7日(自社株買い開始) 2500 101,750,000 40,700 42,000 99,424
    2004年7月8日 4000 167,099,950 41,775 40,500 68,730
    2004年7月9日 2412 97,290,400 40,336 41,050 32,583
    2004年7月12日 3125 128,518,850 41,126 40,750 17,764
    2004年7月13日 5088 204,078,050 40,110 40,000 18,680
    2004年7月14日 7390 288,141,900 38,991 38,600 22,315
    2004年7月15日 11000 408,350,000 37,123 36,600 30,018
    2004年7月16日 2660 93,327,200 35,085 38,100 20,578
    2004年7月20日 2420 92,999,150 38,429 37,700 11,953
    2004年7月21日 2400 93,572,350 38,988 38,950 12,473
    2004年7月22日 2900 112,521,800 38,801 38,600 9,695
    2004年7月23日 3134 120,157,050 38,340 37,750 10,027
    2004年7月26日 2100 77,135,750 36,731 36,050 10,935
    2004年7月27日 8043 269,667,050 33,528 32,050 23,399
    2004年7月28日 3550 120,169,150 33,850 34,400 13,180
    2004年7月29日 3220 107,073,150 33,253 32,550 10,194
    2004年7月30日 2000 65,942,450 32,971 31,200 10,778
    2004年8月2日
    (第二回自社株買い発表)
    5,041 146,722,710 29,106 28,850 19,460
    2004年8月3日 3800 106,257,440 27,962 27,480 12,994
    2004年8月4日 2634 67,957,420 25,800 28,600 15,842
    2004年8月5日 935 28,183,360 30,143 31,600 19,497
    2004年8月6日 0 0 35,600 39,498
    2004年8月9日 0 0 39,600 31,087
    2004年8月10日 2000 75,862,100 37,931 36,750 83,103
    2004年8月11日 1000 38,572,100 38,572 39,000 34,805
    2004年8月12日 1000 39,977,600 39,978 40,150 26,181
    2004年8月13日 1600 62,806,150 39,254 38,700 24,408
    2004年8月16日 3681 141,044,750 38,317 38,350 15,140
    2004年8月17日 5400 195,829,100 36,265 34,350 33,124
    2004年8月18日 5500 166,925,000 30,350 30,350 9,851
    2004年8月19日
    (効力発効日)
    577 16,587,400 28,748 30,300 468,918
    2004年8月20日 0 0 31,000 383,200
    2004年8月23日
    (東証1部昇格発表直後)
    0 0 32,300 431,235
    自社株買い合計 101,110株 3,634,519,380円 35,946円
    日付 株数 買い付け金額 平均単価 終値 出来高
    自社株買い

    8月2日には、第二回自己株式の買受に関するお知らせを公表しています。
    自社買いの合計は、101,110株に達します。

    ・・・新株の効力が発行する8月19日・・・

    新株が市場に溢れ、この日の出来高は468,918株に達します。
    本来なら、安く自社株を買うチャンスです。 しかし、自社株買いは、577株に激減します。

    20日以降は、自社株買いなし。

    しかし、インボイスの高株価維持策は、用意周到でした。
    インボイスは、東証1部に昇格します。

    コバンザメの買いで23日の株価は、値上がりします。

    自社株買いの平均買値は35,946円、今日(9/9)の終値は、26,310円です。

    ◆◆つまり、確信犯による自社株の高値買いで9億7430万円も損害が生じています。◆◆
    ◆◆ (35,946−26,310)×101,110=9億7430万円◆◆

    ◆◆ かなり問題ですね。こうした悪質な自社株買いは、絶対に禁止すべきです。◆◆

    もどる


    (2004/8/19)
    サミーとセガ

    セガとサミーの経営統合が発表されたのは、5月18日の市場終了後のことです。 参考
    新会社の上場は、10月1日。両社の取り引き最終日は、9月24日です。両社とも東証1部なので、TOPIX買いは、ありません。

    統合比率は、サミー:セガ=1:0.28です。 発表直前の5月18日の株価の比率は、セガ/サミーは0.231です。 つまり、セガの株主に有利な統合比率でした。

    発表直後の5月19日、理論値との乖離を計算すると寄付で6.11%、終り値で4.17%もありました。

    割安なセガの出来高は、特に膨らみました。 表では、省略しますがその後も数%も乖離する日が続きました。

    サミーは、貸借銘柄です。
    乖離が最後はなくなると考え、サミーを売って、セガを買う投資家も多いと思います。

    日付 セガ@ サミーA (A×0.28)/@-1
    始値 終値 出来高 始値 終値 出来高 始値 終値
    2004年5月18日(発表直前) 980 1,000 736,300 4,100 4,330 521,100 17.14% 21.24%
    2004年5月19日(発表直後) 1,140 1,137 5,231,300 4,320 4,230 1,558,300 6.11% 4.17%
    2004年8月11日 1,450 1,425 531,100 5,350 5,260 404,500 3.31% 3.35%
    2004年8月12日 1,420 1,421 544,000 5,250 5,240 353,000 3.52% 3.25%
    2004年8月13日 1,401 1,396 678,200 5,190 5,130 471,000 3.73% 2.89%
    2004年8月16日 1,393 1,362 907,400 5,120 5,010 837,100 2.91% 3.00%
    2004年8月17日 1,382 1,368 663,300 5,100 5,060 577,500 3.33% 3.57%
    2004年8月18日 1,360 1,340 732,700 5,050 4,920 816,300 3.97% 2.81%
    2004年8月19日 1,342 1,351 410,000 4,970 4,950 580,200 3.70% 2.59%

    最近では、流石に乖離は3〜3.5%に縮小してきました。 どうも、乖離は寄付きに拡大する傾向が、あるようです。

    何故か?

    8月13日会社が休みでした。セガの寄り前の板を見ているうちに理由が分かりました。
    8時50分頃の板情報。

    大量の成行売りで、気配置は前日の終値を40円以上下回ります。 買い注文を出していた人は、もっと安く買えるかもしれないと指値を切り下げます。

    9時直前、大量の売りが忽然と消えます。それでも-20円の特別売り気配。買いが殺到。
    寄り付きは、前日より20円下がった1401円!

    その後、株価は急上昇。指値を安くして買えなかった人は悔しがります。

    売りの見せ板を出していた人が、買った可能性が高いと思います。
    この投資家は、大量にセガを持っているのですね。

    ◆◆この投資家は、直ぐにサミーを空売り3.73%の鞘を確保したような気がします。◆◆
    ◆◆ しかし、この乖離、最後はどうなるのでしょうか?◆◆

    (参考)喫茶掲示板別館の関連投稿を記録します。

    ・・・・・・

    セガとサミー 投稿者:マーケットの道化師  投稿日: 8月20日(金)19時18分9秒

    セガとサミーの価格差は配当の差も考慮する必要があると思います。
    サミーは9月に中間配当40円が予定されていますから、

    サミー(5090円-40円)×0.28=1414円に対して、セガ1374円(8月20日現在)。

    乖離率は(1414-1374)/1374=2.9%ということになるかと思います。
    また信用倍率が0.94倍になっていることから逆日歩がつく可能性があること、
    売り方に対する貸し株料などがかかることも価格差が生じる要因であると考えられます。

    逆日歩の見積もりは難しいですが、少しは裁定機会があるかもしれません。
    発表直後にほんの少しですが小遣い稼ぎをしました。

    ・・・・・・

    セガとサミー 投稿者:浮浪雲  投稿日: 8月20日(金)22時37分48秒

    主な理由はマーケットの道化師さんの仰る通りだと思いますが、
    ほんの僅かですが破談になるリスクも織り込んでいるんじゃないでしょうか?
    万が一、破談になれば相対的にセガの下落率が高くなるのは明らかですから。

    合併比率が決まってからの破談というのは聞いたことがありませんし、
    恐らくありえないんでしょうが、昔、住友化学と三井化学では痛い目に合いましたし、
    最近ではUFJと住友信託の例も・・・

    ・・・・・・

    破談というのとは違うと思いますが 投稿者:浮浪雲さんへ  投稿日: 8月21日(土)22時31分19秒

    つい先日の事ですが
    株式交換実施の直前、10日前になってUFJはUFJつばさと交換を中止しましたよ

    しかも発表は昼休み。交換比率からの乖離に
    中止を知らずに後場ポジションを作った方もいる事でしょう、、、

    かつては大株主がゴネてスクエアとエニックスの交換比率が変えられた事もありますね
    セガは2度の破談の前科がありますから鞘が発生してるのでしょう

    もどる


    (2004/8/24)
    UFJつばさ証券のUFJ完全子会社化中止

    UFJつばさ証券は、2004年8月16日にUFJの完全子会社になることが、決まっていました。 統合比率はUFJつばさ1株に対して、UFJ株が0.00095株が割当てられる予定でした。

    7月14日、日経新聞朝刊はは「UFJ、三菱東京と統合へ」の記事をスクープします。 14日のUFJは、ストップ高でしたが、三菱東京との統合比率が低くなるとの観測から、翌日からUFJは暴落します。

    統合比率の鎖で、UFJつばさも連れ安です。
    次の式で、7月27日の始値の乖離を求めると1.7%ほどUFJが割高です。

    乖離=UFJ株価@×0.00095÷UFJつばさ株価A-1

    つまり、「UFJ空売り、UFJつばさ買い」により、僅かですが、鞘がとれる可能性があります。

    ところが、7月30日の昼休み、子会社化計画は突然中止されます。
    上場廃止日(10日)のわずか11日前でした。 参考

    日付 UFJ@ UFJつばさA (@×0.00095)/A-1
    始値 終値 出来高 始値 終値 出来高 始値 終値
    2004年7月26日 444,000 437,000 49,045 414 412 724,000 1.88% 0.76%
    2004年7月27日 440,000 440,000 84,390 411 413 888,000 1.70% 1.21%
    2004年7月28日 425,000 427,000 136,062 400 403 2,051,000 0.94% 0.66%
    2004年7月29日 425,000 405,000 93,672 399 387 1,144,000 1.19% -0.58%
    2004年7月30日
    (昼休みに完全子会社化中止発表)
    423,000 447,000 162,196 410 454 10,890,000 -1.99% -6.46%
    2004年8月2日 440,000 436,000 76,892 424 430 2,539,000 -1.42% -3.67%
    2004年8月3日 436,000 433,000 28,917 430 422 2,000,000 -3.67% -2.52%
    2004年8月4日 430,000 425,000 60,828 413 414 880,000 -1.09% -2.48%
    2004年8月5日 428,000 437,000 41,129 418 426 992,000 -2.73% -2.55%

    鎖は解き放たれ、UFJつばさは、暴騰します。
    この日の終値の乖離は、-6.46%に達します。
    つまり、「UFJ空売りUFJつばさ買い」のポジションをつくった投資家が、この日の終値で解消すれば、8%ぐらい儲かったわけです。

    鞘取り投資家にとって、完全子会社化中止はリスクではなく、大きなリターンをもたらしたのでした。

    ◆◆もっとも昼休みに情報に気がつかず、◆◆
    ◆◆反対のポジションをつくる危険性はありますが・・・◆◆
    ◆◆ 今度は、UFJつばさと三菱証券の合併ですかね。◆◆

    もどる


    (2004/8/8)
    今秋のサンマは、
    高値となる?

    とらぞーさんと新天地さんに影響され、今日はサンマの話です。 回遊魚サンマの生まれ故郷は、親潮の南端。黒潮が真近の海域です。

    サンマは、冷たい海が大好きです。 成長しながら北上して、春に千島列島に達します。

    8月頃から、サンマは生まれ故郷を目指して、南下を開始します。
    北海道、三陸を通り、気仙沼の沖へ

    北の海ほど早く、サンマは採れます。
    確か、出漁の解禁日があったと思います。

    2003年、冷夏の年、サンマは記録的な豊漁でした。

    夏が早く終わったので、サンマが気仙沼に到達した時期も早かったようです。 去年のサンマは、大ぶりで美味しかった。

    しかし、大量のサンマは、供給過剰を招き、価格を暴落させます。 スーパーでの価格は、1尾100円を割りました。

    産地では、漁船の油代もでずに、赤字でした。
    豊作貧乏という現象です。

    ・・・今年は、猛暑の夏・・・

    黒潮が、蛇行しているそうです。

    サンマの南下は、遅れるでしょう。
    今年のサンマは、たぶん不漁、値段も高くなると予測します。

    北海道の漁港は潤うような気がします。
    サンマが不漁の年は、南の回遊魚マイワシや鰹が豊漁になるとか。

    どの魚も、ドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれています。
    この脂肪酸は、血液の循環をよくします。
    DHAは、脳の記憶をつかさどる海馬に多く含まれているそうです。

    ◆◆頭がよくなるとか、◆◆
    ◆◆ アルツハイマーの予防に効果があるという説もあります。◆◆

    ◆◆ 老人ボケして、家族に迷惑をかけないためにも、◆◆
    ◆◆旬の魚を食べましょうかね。◆◆

    (注)この予測は、外れ。サンマ価格は暴落しているそうです。
    (朝日新聞2004年8月24日夕刊「サンマ値崩れ、はや休漁」)

    もどる


    ホームへ

    MENU