■コバンザメの徒然草4■
東洋経済5月29日号に 掲載される |
東洋経済(2004年5月29日号P38)に私のことが掲載されました。 特集「外国人投資家は日本を買い続けるのか」の中で、何故か4人の個人投資家を緊急取材しています。
この4人は、私も参加していた全日本株式投資選手権の成績優秀者から選ばれたようです。
sato氏は、CFP(R)資格保有者を持ち、通算上昇率+4396%という驚異的な実績だそうです。
アダムス氏は、元証券マンで、6回連続二桁上昇率の記録の保持者です。
しかも、二人とも、コバンザメ投資を多用されるので、選択銘柄は参考になります。
Riki氏の手法は、プログラム売買。 プログラム上のルールを思いついたら、過去数十年分の株価でシミュレーションして検証するそうです。
全体的に、非常に面白い内容でしたが、私に関することで一つ気になったことがあります。
記事の中で、「昨年の東急建設、不動建設、ヤフー、エッジなどの急騰の裏にコバンザメ投資家が多数存在し、またJ_Coffee氏は急騰を自身のホームページで予言していた」とありますが、事実ではありません。
100倍分割銘柄のエッジは、コバンザメ銘柄ではないし、権利落後暴騰するのは常識です。
東急建設、ヤフー、不動建設については、TOPIX買いの規模をHPに載せただけです。
例えば、不動建設については、「HP発表直後に500円台で買って900円で売って儲けた」という感謝のメールと、「900円台で買ってTOPIX買い日に700円で売ってしまった。どうしてくれる」という苦情メールの両方が来ております。
◆◆最近、コバンザメ投資について研究しようとせず、◆◆
◆◆HPに書いてある銘柄を考えもせずに買って損する人が多くなりました。◆◆
◆◆
特に、雑誌をみて、初めてHPに来られた人が陥りやすいようですので、◆◆
◆◆くれぐれも注意してください。◆◆
時価総額1兆円以上の40社の浮動株比率 |
時価総額の大きな40社の浮動株比率を計算してみました。
固定株は、四季報の少数特定者株主数比率に等しいと仮定します。
そして、構成銘柄別に「1−固定株比率」で求めた数値を、0.05刻みで切り上げて、浮動株比率を求めました。 ただし、NTTとJTは、政府保有株が時価総額に参入されていないことを考慮して、所要の修正を行いました。
結果は、次の表の通りです。40社の時価総額の合計は、約92.5兆円を占めます。
コード | 銘柄名 | 前期末時価総額@ | 少数特定者株主数比率 | 浮動株比率A | @×A |
---|---|---|---|---|---|
8316 | 三井住友FG | 1,228,547 | 24.3 | 80 | 982,838 |
6502 | 東芝 | 1,007,489 | 26.6 | 75 | 755,617 |
8411 | みずほ | 1,024,370 | 26.6 | 75 | 768,278 |
8306 | 三菱東京FG | 2,803,727 | 27.1 | 75 | 2,102,795 |
9432 | NTT | 2,138,117 | 27.4 | 75 | 1,603,588 |
8604 | 野村H | 2,397,281 | 28.5 | 75 | 1,797,961 |
9501 | 東京電力 | 3,062,392 | 29.5 | 75 | 2,296,794 |
6758 | ソニー | 3,872,437 | 30.6 | 70 | 2,710,706 |
9502 | 中部電力 | 1,553,423 | 31 | 70 | 1,087,396 |
8766 | ミレアH | 1,363,023 | 32.3 | 70 | 954,116 |
9503 | 関西電力 | 1,695,055 | 32.7 | 70 | 1,186,539 |
4502 | 武田薬品工業 | 3,937,434 | 33 | 70 | 2,756,204 |
9531 | 東京ガス | 1,034,143 | 33.4 | 70 | 723,900 |
2914 | JT | 470,862 | 33.9 | 70 | 329,603 |
6971 | 京セラ | 1,087,590 | 34.1 | 70 | 761,313 |
9020 | 東日本旅客鉄道 | 2,072,000 | 34.1 | 70 | 1,450,400 |
6981 | 村田製作所 | 1,083,078 | 35.9 | 65 | 704,001 |
6752 | 松下電器産業 | 2,389,987 | 36.6 | 65 | 1,553,492 |
4452 | 花王 | 1,342,045 | 36.7 | 65 | 872,329 |
6501 | 日立製作所 | 1,389,707 | 36.9 | 65 | 903,310 |
7267 | ホンダ | 3,798,386 | 36.9 | 65 | 2,468,951 |
6753 | シャープ | 1,275,130 | 37.2 | 65 | 828,835 |
4901 | 富士写真フィルム | 1,868,656 | 38 | 65 | 1,214,626 |
7752 | リコー | 1,376,053 | 40.4 | 60 | 825,632 |
8058 | 三菱商事 | 1,146,561 | 41.3 | 60 | 687,937 |
5108 | ブリジストン | 1,264,701 | 41.4 | 60 | 758,821 |
7751 | キヤノン | 3,923,599 | 41.7 | 60 | 2,354,159 |
4503 | 山之内製薬 | 1,023,073 | 43.1 | 60 | 613,844 |
4063 | 信越化学工業 | 1,542,897 | 43.2 | 60 | 925,738 |
6963 | トヨタ | 11,840,792 | 42.4 | 60 | 7,104,475 |
6963 | ローム | 1,526,398 | 48.4 | 55 | 839,519 |
7974 | 任天堂 | 1,289,611 | 49.4 | 55 | 709,286 |
9433 | KDDI | 1,475,452 | 51.7 | 50 | 737,726 |
6954 | ファナック | 1,152,602 | 57.8 | 45 | 518,671 |
9022 | 東海旅客鉄道 | 1,588,160 | 61.8 | 40 | 635,264 |
6902 | デンソー | 1,460,752 | 62.4 | 40 | 584,301 |
7201 | 日産自動車 | 3,571,364 | 64.9 | 40 | 1,428,546 |
8183 | セブンイレブン | 2,265,273 | 70.4 | 30 | 679,582 |
9437 | NTTドコモ | 11,087,659 | 76.7 | 25 | 2,771,915 |
9434 | ボーダフォンH | 1,025,663 | 79 | 25 | 256,416 |
合計 | 92,455,489 | 57.59 | 53,245,419 |
一番の収穫は、浮動株比率の加重平均値です。 |
現行のTOPIX買い比率を3%と仮定します。 浮動株比率80%の三井住友FGは、1.17%ぐらいの買い需要になります。
銀行株は、安定株主が多く現実の流動性は計算値より少ないので、上がるかもしれません。
また、浮動株比率25%のNTTドコモは、1.70%の売り需要になります。
◆◆一度で修正されれば、インパクトが大きくドコモは値下がりするでしょう。◆◆
◆◆最低2回に分けて、補正されることとなるはずです。◆◆
東証の浮動株についてのパブリックコメント |
虎年の獅子座さんの投稿で、皆さんご承知とは思いますが、東証は、浮動株指数の算出について、関係者のバプリックコメントを募集しています。(参考1)
募集期間は、4月30日までで結果の公表は、6月下旬の予定です。
さて、その中で、「浮動株指数について」という文書がパブリックコメントの資料として、公表されました。
この資料の圧巻は、P6の東証の試案の部分です。もちろん、叩き台にすぎず、これから変更される可能性の高い内容です。しかし、東証が現時点で何を考えているかを知る手がかりになります。 下の表で、引用します。右の欄は、私の感想です。
東証の試案 | 私の感想 | |||
---|---|---|---|---|
項目 | 内容 | 備考 | ||
@不動株を用いる株価指数 | (A案)既存のTOPIXとは別に、新たに浮動株指数を開発する。 (B案)既存のTOPIX等に反映する。 | (A案)は、品薄コバンザメ銘柄についてのTOPIX連動投信の悩みが解決できない。(B案)が採用されるに決まっている。 | ||
A不動株比率の求め方 | @)定義 | 「浮動株比率=1−固定株比率」とする | 浮動株に係る分布が異なる銘柄Xと銘柄Yでは不動株比率が異なる | |
A)固定株と見なすもの | 固定株は、「大株主上位10位までの持ち株、役員保有株及び自社株」とする | ただし、投信、決裁機関など固定的所有とは見なし難いものは固定株から除く | どこかで、聞いたことのあるような・・ | |
B)不動株比率の刻み | 構成銘柄別に「1−固定株比率」で求めた数値を、0.05刻みで切り上げる | 浮動株比率は、0.20を下限とする | この行は具体的で参考になる。東証一部の浮動株比率の平均値を知りたくなった。 | |
C)不動株比率の定期見直し | 年一回の定期見直しを実施 | 直近期末の有価証券報告書に基づいて定期見直し | 年一回、見直し投資(最低0.05動く)が楽しめる。 | |
B不動株指数の計算用株式数 | 上場株式数に浮動株比率を乗じた株式数 | |||
C実施時期 | 平成17年以降 | 市場への影響を踏まえ、十分な周知期間を設ける | 今年中、現行制度が続くというのは、コバンザメにとって朗報だ。ソフトランディングの為には、周知期間より、ヤフーのように2〜3回に分けて、移行することが重要だろう。(コバンザメとしては、ハードを希望だが・・・) |
◆◆「固定株比率は、昇格投資でお馴染みの少数特定者株主数比率と等しい」◆◆
◆◆と東証は考えているようです。◆◆
一部昇格が得意な 幹事証券会社(前編) |
去年一年間に東証2部から昇格した49社について、幹事証券会社を調べてみました。 単独で幹事を務めている例は、43社ありました。
どの証券会社が昇格に強いか?
結果は次のとおりです。
昇格させた会社数 | |
---|---|
野村 | 23 |
大和 | 10 |
三菱 | 3 |
みずほイ | 2 |
日興 | 2 |
いちよし | 1 |
UFJつ | 1 |
新光 | 1 |
合計 | 43 |
なんと野村証券が23社と全体の53.5%を占めました。 この2社で全体の76.8%を占めます。 |
最大手の一角のくせに意外と少ないのが、日興ですね。
東証二部の幹事証券会社の分布がどうなっているか?
両者の分布を比較しないと判断材料として有効かどうかは、厳密には分かりません。
・・・この点についても、そのうち調べてみます。
しかし、東証一部を目指す会社は、実績が豊富な野村や大和を幹事証券会社に選ぶ可能性が高いような気がします。
◆◆銘柄選びのヒントになりそうです。◆◆
◆◆
集計に使った元データも、掲載しておきましょう。◆◆
指定日 | 社 名 | コード | 幹事証券会社 |
---|---|---|---|
2003年12月1日 | (株)シチエ | 4724 | 三菱 |
2003年12月1日 | 日置電機(株) | 6866 | 野村 |
2003年12月1日 | 静岡瓦斯(株) | 9543 | 野村 |
2003年11月4日 | (株)ウェザーニューズ | 4825 | 日興、野村、三菱、大和 |
2003年9月1日 | (株)シンニッタン | 6319 | 野村、大和 |
2003年9月1日 | (株)近鉄エクスプレス | 9375 | 野村 |
2003年9月1日 | (株)日立モバイル | 9429 | 野村 |
2003年9月1日 | (株)タイトー | 9646 | 大和 |
2003年9月1日 | (株)ユーエスシー | 9844 | 大和 |
2003年8月1日 | わらべや日洋(株) | 2918 | 野村、日興、三菱、大和、みずほ |
2003年8月1日 | (株)東京個別指導学院 | 4745 | 三菱 |
2003年8月1日 | (株)ガリバーインターナショナル | 7599 | いちよし |
2003年8月1日 | (株)ポプラ | 7601 | 野村 |
2003年6月2日 | 東建コーポレーション(株) | 1766 | 野村 |
2003年6月2日 | ニイウス(株) | 2731 | 野村 |
2003年6月2日 | 昭栄(株) | 3003 | みずほ、みずほイ |
2003年6月2日 | ザ・パック(株) | 3950 | 野村 |
2003年6月2日 | オプテックス(株) | 6914 | 野村 |
2003年6月2日 | (株)ドッドウエル ビー・エム・エス | 7626 | 大和 |
2003年5月1日 | ぴあ(株) | 4337 | 大和 |
2003年5月1日 | 佐鳥電機(株) | 7420 | 大和 |
2003年5月1日 | 宝印刷(株) | 7921 | 野村 |
2003年5月1日 | (株)ジャステック | 9717 | 日興 |
2003年3月3日 | 福神(株) | 2728 | 不明 |
2003年3月3日 | 沢井製薬(株) | 4555 | 大和 |
2003年3月3日 | (株)マンダム | 4917 | 野村 |
2003年3月3日 | 荒川化学工業(株) | 4968 | 野村 |
2003年3月3日 | 大成ラミック(株) | 4994 | 野村 |
2003年3月3日 | ペトロルブ・インターナショナル(株) | 5015 | 大和 |
2003年3月3日 | ダイニチ工業(株) | 5951 | 野村 |
2003年3月3日 | (株)ナナオ | 6737 | 野村 |
2003年3月3日 | (株)タチエス | 7239 | 新光 |
2003年3月3日 | SPK(株) | 7466 | 大和、日興、野村、SMBCフ、 東海東京、いちよし、コスモ |
2003年3月3日 | (株)サンマルク | 7479 | UFJつ |
2003年3月3日 | (株)幸楽苑 | 7554 | 大和 |
2003年3月3日 | (株)ユナイテッドアローズ | 7606 | 野村 |
2003年3月3日 | (株)バンプレスト | 7854 | 大和 |
2003年3月3日 | スルガ(株) | 7874 | 日興 |
2003年3月3日 | コンビ(株) | 7935 | 野村 |
2003年3月3日 | 日本綜合地所(株) | 8878 | みずほイ |
2003年3月3日 | 日神不動産(株) | 8881 | 野村 |
2003年3月3日 | (株)ハマキョウレックス | 9037 | 三菱 |
2003年3月3日 | NECモバイリング(株) | 9430 | 大和 |
2003年3月3日 | ジャパン建材(株) | 9896 | 野村 |
2003年3月3日 | ユニダックス(株) | 9897 | みずほイ |
2003年2月3日 | (株)チヨダ | 8185 | 野村 |
2003年2月3日 | (株)ダイヤモンドシティ | 8853 | 野村 |
2003年2月3日 | 富士エレクトロニクス(株) | 9883 | 野村 |
2003年1月6日 | ダイドードリンコ(株) | 2590 | 野村 |
一部昇格が得意な 幹事証券会社(後編) |
さて、無作為で、103社を選びだし、東証2部の幹事証券会社の分布を調査しました。 複数の幹事証券会社を指定している12社を除く、91社のシェアは、次の表の@のとおりです。
野村36.26%、日興32.97%、大和16.48%、新光6.59%で、全体の92.3%を占めます。
証券会社名 | 東証2部でのシェア | 去年の昇格43社におけるシェア | 昇格熱心度A/@ | ||
---|---|---|---|---|---|
会社数 | シェア@ | 会社数 | シェアA | ||
野村 | 33 | 36.26% | 23 | 53.49% | 1.47 |
日興 | 30 | 32.97% | 2 | 4.65% | 0.14 |
大和 | 15 | 16.48% | 10 | 23.26% | 1.41 |
新光 | 6 | 6.59% | 1 | 2.33% | 0.35 |
みずほイ | 3 | 3.30% | 2 | 4.65% | 1.41 |
三菱 | 3 | 3.30% | 3 | 6.98% | 2.12 |
コスモ | 1 | 1.10% | 0.00% | 0.00 | |
いちよし | 1 | 2.33% | - | ||
UFJつ | 1 | 2.33% | - | ||
合計 | 91 | 100% | 43 | 100% |
表の右側Aに掲げたのは、前編で調査した去年昇格した43企業の幹事証券会社のシェアです。
昇格熱心度をA/@により数値化しました。
この数字が1より大きければ、一部昇格に熱心な証券会社とみなせるし、
1を大きく割り込めば昇格に無関心な証券会社、と判断できます。
データ数の多い4社については、次の推論は、かなり信頼性が高いと思います。
野村(1.47)、と大和(1.41)が幹事証券会社なら、一部昇格の可能性が少し高まるといえそうです。
最も注目すべきは、日興(0.14)です。
東証2部でのシェアが32.97%もあるのに、去年の昇格企業におけるシェアは、たったの4.65%。
迷った場合、日興が幹事の昇格候補は外した方が、よいかもしれません。
◆◆日興は、もう少し、一部昇格に熱心にならないといけませんね。◆◆
◆◆
新光も、IPOでの活躍の割には、昇格実績が乏しいですね。◆◆
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