■J_Coffeeの株式教室(5巻)■

---目次---
  • J係数の大きい銘柄は、狙われる
  • 満期が近い転換社債型予約権付社債の影響
  • A氏の悲劇(差金決済取引)(前編)
  • A氏の悲劇(差金決済取引)(後編)
  • 非常に高い確率で上昇するチャート

  • (2005/3/7)
    J係数の大きい銘柄は、狙われる

    歴史的にみれば、A社はB社を生み出した親会社とします。
    しかし、子会社Bの発展は著しく、親会社Aを遥かに凌ぐ会社に育ちます。

    (A社はニッポン放送、B社はフジテレビのことと思えば、分かりやすいでしょう。)

    A社は、B社株を全体のq%保有しています。

    簿価は、かなり低いと推定されます。
    A社の株価をa円、B社の株価をb円とします。

    B社の発行済株数をD株とするとA社は、D×q株のB社株を持つことになります。
    これに株価bをかけ、さらにA社の発行済株数Cで割り算し、一株当たりのB社株資産額を出します。

    (b×D×q)/C

    さて、この値をA社の株価と比較するために、aで割り算してみましょう。

    J=(b×D×q)/(a×C)
    =q×(b×D)/(a×C)
    22.5%×(フジテレビの時価総額)÷(ニッポン放送の時価総額)

    この係数は、私が世に問うもので、J係数と名づけましょう。
    さて、5例について、J係数を計算してみます。

    ニッポン放送 豊田自動織機 京成電鉄 NTT イトーヨーカ堂
    フジテレビ トヨタ自動車 オリエンタルランド NTTドコモ セブンイレブン
    株価a 6600 2880 532 478,000 4,330
    株価b 230000 4110 6930 184,000 3,180
    発行済株数C 32,800,000 325,840,640 303,640,173 15,741,209 418,717,685
    発行済株数D 2548000 3,609,997,000 100,112,000 50,180,000 822,889,984
    22.500% 5.449% 22.882% 58.08% 50.63%
    J係数 60.91% 86.16% 98.27% 71.27% 73.08%

    ◆◆J係数が大きければ大きいほど、◆◆
    ◆◆ホリエモンや村上氏のような人たちに狙われるというわけです。◆◆

    ◆◆ 1を超えたりするのは、特に不自然です◆◆
    ◆◆ もっとJ係数が大きい例は、ないでしょうかね?◆◆

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    (2005/1/8)
    満期が近い転換社債型
    予約権付社債の影響

    虎年の獅子座さんの1月7日のコメントにソニーに関して、興味深い記事が掲載されていました。

    1990年2月14日、ソニーは、転換社債型予約権付社債を3000億円発行しました。 転換価格は3995.5円、転換終了日は2005年3月31日と間近に迫っています

    金利は1.4%と高いので、四季報によれば4.1%しか転換されず、2877億200万円が残っています。 利払い日は、3/31と9/30です。

    株に換算すると7200万株であり、これは発行済株数926,457,156株の7.77%に相当します。

    現在の株価(7日終値)は、4020円です。
    転換社債を満期まで待てば、1株分につき、元利合計4017.9円が戻ります。(税金を20%とします)

    3995.5(1+0.007×0.8)=4017.9

    一方株に転換して、売る場合手数料(店頭)が1%かかると仮定すると転換が有利となる株価は、4060円でしょうか?

    4017.9×1.01=約4060

    これを大きく上回ると同社債の保有者から、つなぎ売りが殺到する気がします。
    すなわち、転換価格の壁が存在するはずです。

    7日のチャートです。高値は4050円でした。

    ソニーの1月7日のチャート

    つまり、満期までは、ソニーは4060円を超えて大幅に上がる確率は、少ないというわけです。

    ◆◆この水準では、空売りが有利でしょうか?◆◆
    ◆◆ 本件につき、間違い等を発見された方は、掲示板で教えてください。◆◆

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    (2004/12/7)
    A氏の悲劇(差金決済取引)(前編)

    デイトレーダーが遭遇した悪夢のような物語を紹介しましょう。

    2003年12月、A氏は100倍分割したエッジの旧株に比例配分狙いの買い注文を出していました。
    大納会の日、幸運の女神がA氏に微笑みます。

    某外国証券会社が、新株と旧株を間違え、17360株もの売り注文をだします。
    この結果A氏は、エッジ旧株を4020円という破格の安値で大量に手に入れることができたのです。

    1月21日、そろそろバブル相場の天井です。A氏は寄り付きで、全株を売り払います。18220円!
    資産は、4.53倍に増えたのです。

    A氏は、勝利の余韻を楽しみながら、株価を観察していました。
    思ったとおり、株価は下がっていきます。

    10時55分、エッジは27000株の売りを浴び、16020円ストップ安に張りつきます。

    後場が開始直前、変化が起こります。
    12時30分、買い注文が次第に増加して、寄り付きそうです。

    A氏は、全資金をエッジ株買いに投入し、勝負に出ます。
    勘は的中して、エッジは再び舞いあがります。

    約30分後、17,500を目前に株価は失速します。

    準備万端、A氏は前もって、成行売り注文を書き込んでいました。
    後は、送信ボタンを押すだけです。

    さらに、3%ぐらいは、儲かるはず・・・
    送信・・・・パソコンの画面が替わります。

    その画面には、次の文字がA氏をあざ笑うように並んでいました。
    差金決済取引なので、売却できません」

    株価は、ゆっくりと落ちてゆきます。
    ストップ安。もはや手遅れです。

    「何故、売れなかったんだ?」とA氏は叫びます。

    ◆◆明日も、暴落するかもしれません。◆◆
    ◆◆ 差金決済取引とは、いったいなんでしょうか?◆◆

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    (2004/12/8)
    A氏の悲劇(差金決済取引)(後編)

    差金決済は法令で禁止されていますので、取引できません。参考1

    いわゆる差金決済取引とは、現金取引のうち、買付代金又は売付有価証券の提供によって決済を行わずに、対当する売り又は買いで相殺する取引のことをいいます。

    松井証券のHPには、差金決済取引について、次の記載があります。参考2

    同一受渡日における同一銘柄(同一資金)の「買付→売却」、または「売却→買付」は可能です。

    ただし、上記の条件において、「売却→買付→売却」、または「買付→売却→買付」の取引は差金決済に該当する可能性があります。

    (1) 深刻なのは、A氏の悲劇・・・つまり、「売却→買付→売却」の場合です。

    エッジを売却した後に、当該売却代金でエッジを買付した場合、その買付株式は、その日は売却できません(買付株式の拘束)

    なお、少しでも余力があれば、その余力範囲内で2度目のエッジ株を売ることは可能でした。

    もし、エッジ売却代金以外の現金を十分に保有していた場合は、この資金でエッジを買ったことになり、「売却→買付→売却」は全量可能になります。

    A氏には、まったく余力がなかったために、エッジは売れませんでした。

    (2) 「買付→売却→買付」の場合も、説明しておきましょう。

    ある日の朝、100万円の買い付け余力が口座にありました。
    99万円でB銘柄1株を現物で買ったとします。

    そして、107万でB銘柄1株を現物で売ります。
    余力は108万円に増えます。

    他の銘柄なら、この資金で自由に買えますが、この資金でB銘柄を買うことは、できません。法令違反を、回避するためです。

    ◆◆こんな不合理な法令は、改正してほしいですね。◆◆

    ◆◆ デイトレードしない私には、差金決済取引の経験が、あまりありません。◆◆
    ◆◆ 間違いを見つけた人は、教えて下さい。◆◆

    (参考)

    差金決済 投稿者:松井ユーザー  投稿日:12月 8日(水)01時31分14秒

    J_Coffeeさんへ
    (前略)

    ところで、私はたまに、
    松井証券の信用口座を持つ人に差金決済に対する注意を呼び掛けてきました。(信用口座では現物株を買った際、ウリ→カイ→ウリでもないのに、その日の内に売却出来ない事が普通に起きる)

    ただ、松井もその当時から(多分あしぎん以降)気にしてくれてたようで、個別銘柄の規制方法を工夫する等していたフシがあります。 本文に出ていたエッジ(現ライブドア)は当時確か”信用新規建て禁止”&”担保不適格”の社内規制が入ってました。”担保不適格”が入ると、信用口座を持つ人はさすがに余り多く買う気になれず、100単位超えの際の手数料割増制度が残ってた時期でもあり、結果としてライブドアで泣いた人は松井ではほとんどいなかったように思います。

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    (2004/6/17)
    非常に高い確率で
    上昇するチャート

    以下は、喫茶掲示板の新天地さんのご発言です。

    結局チャートと言うのは 投稿者:新天地  投稿日: 6月15日(火)22時18分7秒

    未来は過去の繰り返し、という仮定にもとずくわけですから、参考書を見ながら そのパターンを自分で繰り返し検証し、手の内に入れるしか無いんですよね。

    まあギャンは小麦相場を数百年さかのぼって調べてチャートを描いたといいます。 また、著書の中で、「人は事業を起こすときは何でも慎重すぎるくらい調べ尽くして 行動を起こすだろう。思いつきで行動するものは愚か者だ。しかし株においては 根拠に基づかず、思いつきだけで行動する人間のなんと多いことか?」と記しています

    東洋ゴムは、アマポーラさんが推奨していたのを、僕が勝手に乗っただけですねw でも僕もあの日に真剣にスクリーニングしていたら、やっぱり東洋ゴムを拾い出して 居たでしょう。

    何回もアマさんの投稿をみて感じることですが、アマさん僕もあの形のチャートが とても好きなんです。非常に高い確率で上昇するから。

    5月末の280円を抜けて新値を取ってきたところ、此処が勝負どころなんですね (チャート的に、今買いを進めているわけではありません、念のため)

    東洋ゴムの日足チャート(5月27日〜28日買いサイン)

    蛇足 投稿者:新天地  投稿日: 6月15日(火)22時28分7秒

    上のチャート、日足だけでなく月足や年足でも有効です。

    東洋ゴムだと3月に一端の高値をつけて5月に抜いてきているわけですが、
    この期間が長ければ長いほど、持合の上下幅があればあるほど、 その後の上昇幅がより大きなものになります。

    東洋ゴムの週足チャート

    ギャンはより大きなトレンドをつかみたければ日足より週足、週足より月足、月足 より年足でトレンドを探れ、と言っていますね。

    また「フラクタル」理論では無いですが、不思議なことにより範囲の広い足が範囲の 狭い足の形と同じ形をしていることがあります。こういうチャートは非常に面白い ですね。日足を見ると3かく持ち合いだが、より距離を置いて月足を見ると、三角 持ち合いの一部分だったりするわけです。

    と言うわけで、株を買うときには月足なんかも見ておくことを推奨します。 意外な発見があったりするんですよ。

    蛇足ながら、東洋ゴムの4本値を調べて見ました。

    279が高値の壁で、5回も跳ね返されたのが、分かります。

    跳ね返された後、つけた下値は、259、263、273と切り上がって行きます。壁からの最大下落率は、7.17%となります。

    最初の挑戦から、3週間後。
    いよいよ、6度目の挑戦の機会が訪れます。

    ◆◆5月27日ついに鉄壁279円を場中でこし、28日には終値で280円を確保します。◆◆

    ◆◆ 新値280円を取ったのが買いサイン。◆◆
    ◆◆約3週間後の6月16日には、322円をつけ、15%も上昇しました◆◆

    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2004年4月20日 261 264 261 264 692,000
    2004年4月21日 264 266 262 265 567,000
    2004年4月22日 267 273 266 272 2,389,000
    2004年4月23日 271 271 266 268 657,000
    2004年4月26日 273 273 269 270 1,288,000
    2004年4月27日 272 272 268 269 726,000
    2004年4月28日 269 271 269 269 547,000
    2004年4月30日 267 276 263 275 3,084,000
    2004年5月6日 278 279 272 273 1,813,000
    2004年5月7日 271 274 269 271 973,000
    2004年5月10日 270 273 262 265 2,743,000
    2004年5月11日 259 268 259 267 1,078,000
    2004年5月12日 268 279 268 279 3,652,000
    2004年5月13日 276 277 272 272 1,408,000
    2004年5月14日 276 277 266 271 990,000
    2004年5月17日 272 272 264 266 853,000
    2004年5月18日 263 271 263 267 794,000
    2004年5月19日 270 273 269 271 648,000
    2004年5月20日 270 279 269 278 1,663,000
    2004年5月21日 277 279 274 279 849,000
    2004年5月24日 275 278 273 274 611,000
    2004年5月25日 275 276 273 275 427,000
    2004年5月26日 275 279 275 278 915,000
    2004年5月27日 278 284 275 276 2,417,000
    2004年5月28日 277 282 277 280 908,000
    2004年5月31日 283 290 282 287 3,719,000
    2004年6月1日 287 288 283 284 1,083,000
    2004年6月2日 285 292 285 288 2,281,000
    2004年6月3日 289 293 286 289 1,891,000
    2004年6月4日 286 296 286 295 2,249,000
    2004年6月7日 294 304 293 301 3,240,000
    2004年6月8日 303 309 303 304 2,571,000
    2004年6月9日 305 314 304 308 2,323,000
    2004年6月10日 307 312 304 311 1,201,000
    2004年6月11日 309 315 308 309 1,777,000
    2004年6月14日 311 317 308 313 1,043,000
    2004年6月15日 313 315 310 310 959,000
    2004年6月16日 313 325 313 322 3,158,000

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