■日経225入替投資の研究(倒産入替編)■
佐藤工業倒産に伴う入れ替え(2002年3月) |
さて、日本経済新聞社は3日、経営破綻した佐藤工業 を4日付で平均株価指数の対象銘柄から外し、6日から日本コムシス に入れ替えると発表しました。
私は、日本コムシスは、流動性が高いので、それほど上がらないだろうとみていました。 発表直前の50日間の出来高の平均をダイキン工業、千葉銀行と比べると下の表の@となります。 今まで、この数値を使い、それほど大きな間違いはありませんでした。
散々な目にあった千葉銀より、多いのです。
私は、9.1%高の695円で指値して空売りしました。
どうせ、出来ていないだろうと、昼休みチェックすると697円で成約していました。しかも、株価は何時ものように寄り付き天井でないようです。
こんな時期に、空売りしちゃいけないなぁ。
日経平均が異常に強いせいもあると思いますが、昨日の深夜調査したある数字が気になり始めました。
流動性を示す、もう一つのその数字とは・・・
Aは、3社の発行済株数ですが、日本コムシスは、ダイキン工業のなんと1/2、千葉銀行の1/6しかありません。 四季報(少し古い)で、浮動株比率を調べると日本コムシスは、これも最低の9.2%です。
AとBを掛け算して、Cを計算するとコムシスの浮動株は、わずか1244万株となります。 本来ならば、@とCの数字は、大体相関します。 日本コムシスほど相反する例は、珍しい気がします。 |
多分、Bは何かの間違いで、コムシスの浮動株比率は実際にはもっと高いのだろう、と昨日は思いました。
しかし、コムシスの現実の値動きを見ているうちに、考え直しました。
8,876,000株(千葉銀の例)の投信買いは、発行済株数135,264,252株の6.56%に相当します。TOPIX買いの2.64%よりインパクトが大きいのです。千葉銀の暴落もよく説明がつきます。
明日は、素直に大暴騰するのではないか?
この声が聞こえたとき・・・
私は、引け近く705円で、空売りの2倍量の現物を買っていました。
直前50日出来高@ | 発行済株数A | 浮動株比率B | 浮動株C | |
---|---|---|---|---|
日本コムシス | 956,500株 | 135,264,252株 | 9.2% | 1,244万株 |
ダイキン工業 | 593,040株 | 263,813,973株 | 10.1% | 2,665万株 |
千葉銀行 | 830,720株 | 845,521,087株 | 14.9% | 12,598万株 |
◆◆さて、二つの対立する数字は、どちらが的確か?◆◆
◆◆
私は、まだ、半信半疑です。◆◆
◆◆
豹変が正しいかどうか?結果は、明日出るでしょう。◆◆
・・・・・・・・・結果報告・・・・・・・・
さて、今日(入れ替え前日)のコムシスは、後場の10時半ぐらいまでは、順調でした。
715円(10円高)で寄り付き、10時過ぎからぐんぐん上昇します。
10時25分、763円の高値を記録します。
入れ替え前日の日本コムシスのチャート
しかし、その後は、一転、弱含みに推移します。
私は、11時過ぎに株価をチェックできました。前場の終値は、746円。
飛ばしすぎで、前場の出来高(確か280万株程度)が多すぎます。このままでは、玉切れは明らか。 当たり屋の掲示板にも、売り指令を出します。
後場の板は、742円で寄り付きそうです。私は、705円で昨日買った、全株を売却(+5.2%)します。
昼休み中、株価は急降下、723円になります。思ったとおり、危機一髪。
ところが、ここで反転、急上昇を開始します。
あっという間に726円。
チャンス!
止せばいいのに、私はデイトレ-ダーの気分で、成り行きでコムシスを再び買いました。734円で、成約。さて、大引けは、忙しくて見られませんでした。チャートを見ると、引けでまったく上がっていないように見えます。
しかし、歩み値(14時59分)を見ると(@739 A738 B737 C736)となっています。
726円から739円まで上昇して、最後は733円に落ちたようです。
数%分の板をすべて突破する昔の豪快な大引けの上げ方を経験している私には、物足りません。
最近の傾向は、大引けの値上がりを期待しないで、 お昼休みの前後に売ったほうが勝率が高いようです。 |
信用残は、次のとおり。空売り残は、2645千株もありますが、投信買いのヤマ場は、ほぼ終了でしょう。
貸株 | 融資 | 差引 | |
---|---|---|---|
新規 | 2245 | 58 | |
返済 | 18 | 457 | |
残 | 2645 | 638 | -2007 |
前日比 | 2227 | -399 | -2626 |
出来高は、9219千株。
後で買った分は、当然売れていません。
◆◆大暴騰はなかったが、千葉銀行のようなこともない。◆◆
◆◆昨日の価格を少しも割らず、寄り付きが、ほぼ最安値というのもいいですね。◆◆
◆◆儲かればよしとすべきでしょう。◆◆
◆◆
明日は、寄り付きで処分する予定です。◆◆
入れ替え銘柄の新選定基準 (倒産入れ替え) |
これまで、日経平均225銘柄が経営破たんしたとき、その銘柄の除外と新規銘柄の採用は、整理ポスト入りと同時に、つまり、ただちに行ってきました。
しかし、2002年2月1日からは、2日間程度、新規銘柄の採用を遅らすこととしたようです。
ただし、除外に関しては、整理ポスト入りと同時です。
つまり、2日間程度は、224銘柄で日経平均を計算することにしたようです。
新潟鉄工や青木建設の倒産に伴って新規に採用された、住友不動産やダイキンは、発表直後の営業日が入れ替え日でした。 従って、「この日の寄り付きの成り行き空売り」が有効でした。
しかし、残念ながら今後はこの手法がつかえません。
倒産入れ替えは、発表から入れ替え日までの期間が短い、 普通の銘柄入れ替えとみなすことが出来そうです。 |
銘柄選定にあたっては、6セクターに分類した中で、同じセクターから、市場流動性の高い銘柄が選ばれるのです。
新潟鉄工(機械)も住友不動産(不動産)も資本財・その他セクターに属しています。
青木建設(建設)もダイキン(機械)も同じセクターです。
業種がかなり異なっているように思えても、同じセクターであれば有力候補なのです。
6セクター | 36業種 |
---|---|
技術 | 医薬品、電気機器、自動車、精密機器、通信 |
金融 | 銀行、その他金融、証券、保険 |
消費 | 水産、食品、小売業、サービス |
素材 | 鉱業、繊維、紙・パルプ、化学、石油、ゴム、窯業、鉄鋼、非鉄金属、商社 |
資本財・その他 | 建設、機械、造船、輸送用機器、その他製造、不動産 |
運輸・公共 | 鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス |
さて、あさひ銀行が大和銀行ホールディングスの完全子会社になることにより、2月25日に日経平均から除外される見通しです。 あさひ銀行に代わる新銘柄は22日に発表され、27日から日経平均に採用される予定です。
◆INDEX投信は、25〜26日の2日間で新銘柄を買わなくてはなりません。◆
◆◆
この例が新基準による倒産入れ替えの戦略を考慮する際の、◆◆
◆◆最初のヒントとなる気がします。◆◆
青木建設倒産に伴う 入れ替え(2001年12月) |
結果は、こちら
・・・・・・・・・・・事前予測・・・・・・・・・・・
さて、リベンジの機会が、こんなにも早く与えられたことを感謝します。
さて、青木建設が、東京地裁に民事再生手続き開始の申立てを行ない、事実上倒産します。
同社は、日経225銘柄です。代わりの採用銘柄が何になるか?
12時50分頃、市場の関心が同じ建設セクターの日本コムシスに向けられます。
勘違いで値上がりした日本コムシスのチャート
しかし、市場が閉じた後、採用銘柄は、なんと予想外のダイキンであることが発表されます。
私の持ち株、コムシスは、明日は踏んだり蹴ったりのめに遭いそうです。
さて、ダイキンは、一日の出来高、59万株程度の流動性の少ない株。
寄り付きストップ高と読みます。
しかも、心強いのは、値幅がも400円取れること。今日の終値は、2020円でしたから、2420円になれば19.8%も高いところで空売りできるのです。値段が上がれば、大量の株が後からでて値崩れ。
買戻しは、2〜3日後のつもりで。 明日700万株、週明け月曜日300万株を機関投資家は、買ってくるでしょう。
我々は、市場の潤滑油。彼らの仕事を助けているのです。
さらに上がっても、追証にならない、余裕資金で、やりましょうね。
よ〜し、いくぞ〜
◆私は、明日、仕事で休みます(掲示板も投稿できません)。◆
◆◆
結果は、土曜日発表します。◆◆
予測は、かなり外れましたね。恥ずかしいので消そうとも思いましたが、まぁ、今後の参考にもなると思い残しましょう。
さて、今回は住友不動産から9日しかたっていません。 機関投資家も、学習して買いパターンを変えてきました。 |
倒産入替のダイキンのチャート
9時15分頃、ダイキンは、2175円で寄り付きます。事前の予想を大きく下回る安値でした。
出来高は、わずか280万株(住友不動産の場合は、600万株)でした。
彼らは、寄り付き直後にも買いを入れます。
この結果、急激に株価は上昇し、2220円をつけます。この時間差攻撃で、事前に成行の空売りを入れた人は、45円分損します。
前場のこの後の展開は、予測どおり、急激に株価は値下がりして2080円となります。この株価が、この日の最安値でした。
後場の寄り付き、彼らは、大量に安く買えるこのタイミングを逃さなかったのです。 この瞬間、1120円(前場終値より40円高)、約60万株の取引が成立します。(住友不動産の時は、ほとんど出来ませんでした。)
その後も少しずつ彼らは、買いを入れ、株価は堅調に推移します。 慌てだした我々空売り筋の買戻しも入り、終値は2150円、一日の出来高は、1220万株でした。
入れ替え需要は、ほぼ終了とみていいかもしれません。
敵ながらお見事!彼らは、上手に分散して安く買いました。この投資も利益が出にくくなりましたね。
じゃお前は、どうかって?
成行と幸いにも2220円で出していた空売り注文が成立した状態です。
(見てきたように書いていますが、結果を知ったのは夜遅くなのです。)
この他、信用枠いっぱいに出していた、高値の指値はすべて空振りです。
◆◆皆さん、まだまだ倒産入れ替えあるかもしれませんね。◆◆
◆◆
もっと勉強して、彼らの策略に嵌らないようにしましょうね。◆◆
◆◆
もしかして、彼らは、このHPを見て作戦を立てているのかな?◆◆
新潟鉄工倒産に伴う 入れ替え(2001年/11月) |
2001年11月27日市場終了後、日経225銘柄の新潟鉄工は、会社更生法の申請を行ったことが明らかになります。 負債総額は、2270億円でした。
急遽、住友不動産が、225銘柄として、28日から採用されることが決まります。
さあ大変、誰も、準備が出来ていません。
にっかつ倒産の影響で、1993年7月2日に採用された塩野義製薬以来の大事件です。
さて、9時の直前の板は803円、売りはわずか88万株、買いは500万株を超えていました。
一見ストップ高に張り付きそうですが、この板を絶対信用しては、いけません。
さて、昨日の終値は、703円で、値幅制限の上限は、803円です。
いよいよ、9時になりました
特別買い気配が、10円づつ切り上がっていきます。
・・・773円・・・783円・・・793円
誰もが、ストップ高の803円で寄り付くと思った瞬間・・・
9時43分、793円、約600万株で取引が成立します。
この価格が、この日の高値でした。
空売りの絶好のチャンスは、寄り付きのこの一瞬だけでした。 ストップ高で空売り注文を出したために、幸運を逃した人は多かったようです。 |
10時45分、741円の安値をつけた後、少し持ち直します。 しかし、後場、千数百万株の入れ替え需要が終ると株価は、下げ足を早めます。終値はわずか7円高の710 円、一日の出来高は、27,536,000株でした。
以下は次のグラフのとおりです。典型的な寄り付き天井です。
倒産入れ替えの住友不動産のチャート
住友不動産は200万株/日の出来高がある流動性の高い株です。
なお、1993年の塩野義製薬の場合は、違った値動きを示しています。同社は43万株/日程度しか出来高がない流動性の乏しい株です。
また、今日の日経平均は324.08 円安の10,624.81円、TOPIXは、26.30 安の1,053.29 で、下げのキツイ日でした。
「寄り付き、成り行き空売り」が倒産入れ替えでは、お勧めです。
どうしても、恐いので指値したい時は、細かいようですが指値を
(昨日の終値)+(特別気配の更新値幅)×(整数倍)
で計算しましょう。
更新値幅は、下の表から選びます。
(2001/12/8改正)倒産入れ替えのダイキンは、12月7日、2175円で寄り付きました。この価格は、2020+40×3より5円安い価格です。 計算値より、少し安い値段をだすべきかもしれません。
◆◆私に、とってに苦い経験でしたが、◆◆
◆◆次に倒産企業がでてきたら、再挑戦したいと思います。◆◆
◆◆倒産入れ替え発見した人、掲示板で教えてくださいね。◆◆
◆◆今回の通報していただいた方は、yoshiさんです。◆◆
◆◆また、塩野義の情報は、「にせJ_Coffee」さんの提供です。ありがとうございました。◆◆
◆◆
くやし〜。儲け損ねたよ〜。きっとリベンジするぞ。◆◆
株価 | 特別買い気配の更新値幅 |
---|---|
500 円未満 | 上下 5 円 |
1,000 円未満 | 10 円 |
1,500 円未満 | 20 円 |
2,000 円未満 | 30 円 |
3,000 円未満 | 40 円 |
5,000 円未満 | 50 円 |
10,000 円未満 | 100 円 |
20,000 円未満 | 200 円 |
30,000 円未満 | 300 円 |
50,000 円未満 | 400 円 |
70,000 円未満 | 500 円 |
100,000 円未満 | 1,000 円 |
150,000 円未満 | 2,000 円 |
200,000 円未満 | 3,000 円 |
300,000 円未満 | 4,000 円 |
500,000 円未満 | 5,000 円 |
1,000,000 円未満 | 10,000 円 |
1,500,000 円未満 | 20,000 円 |
2,000,000 円未満 | 30,000 円 |
3,000,000 円未満 | 40,000 円 |
5,000,000 円未満 | 50,000 円 |
10,000,000 円未満 | 100,000 円 |
15,000,000 円未満 | 200,000 円 |
20,000,000 円未満 | 300,000 円 |
30,000,000 円未満 | 400,000 円 |
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