■心に残る株式格言(上巻)■
人の行く裏に道あり花の山 |
私の推奨する株のチャートを見てお気づきの方もおられるでしょうが、私の性格は、ひねくれ者の天邪鬼(あまのじゃく)で、人気が離散して値下がりが続いている株を買うのが好きです。 買うのが早すぎ、値下がりが続く失敗も何回か経験しています。
相場全体が大きく下げた翌日、「もっと下がるかもしれない」との恐怖と戦いつつJ_Coffeeは、株を敢然と買う(小心者なのでわずかな金額ですが)ことにしています。長年の経験から判断するとこの戦法は、成功することのほうが多く、もっと買っておけばよかった、と後悔したことも何度かあります。
こうした戦略を「逆張り」と言うそうです。
これに対して、人気があり値上がりする株を買う戦法を「順張り」といいます。買ったらすぐに値上がりする確率が高く、効率が良く見えますが、いわゆる「天井づかみ」の可能性も高いようです。 私が一番感銘を受けたこの株式格言の真髄は「逆張りの勧め」なのです。
当たりやにつくな、 曲がりやに向かえ |
当たりやとは、車に故意にぶつかって金銭を騙し取る人ではもちろんありません。相場を当てるのが天才的に上手な人のことです。
当たりやと同じ取引をして儲けようとしても、相場師は、買いあおりながら、いつの間にか巧みに売り抜けるため、成功するのが難しいというのが、前半の意味だと思います。
曲がりやとは、相場の下手な人のことで、むしろ下手な人の反対の取引をすると簡単に儲けられると、この格言は主張しています。「弱いものを徹底的に叩け(いやな言葉ですね)と言うのが、相場の世界なのでしょう。」
しかし、曲がりやとは、いったい誰をさすのでしょう?
踏んだらしまい、 投げたらしまい |
仕手戦の売り方が敗北して、信用取引のカラ売りを清算することを、「踏む」といいます。そんな時は、踏み上げ相場になる気もします。
しかし、この格言は、
「踏んだら、もう上げ相場は、終了する。」
と主張しています。反対に、買い方が敗北して、信用取引のカラ買いを解消するのが、「投げ」です。この場合も「投げたら、下げ相場はおしまい。」になるそうです。
まあ、J_Coffeeも火傷が恐いので、仕手株には、けっして手を出しません。
もうはまだなり、 まだはもうなり |
「もう上がらない」と思って株を売ってしまうと、「まだまだ上がり」充分儲けを得られなかった体験は、ありませんか?
反対に「まだ上がる」と待っていると、突然持ち株が値下がりすることもあります。この場合「もう上がらない」と判断し売るのが正しかったのです。
「この格言は相場の予測の困難さを、巧みな表現で説明したものです。」
でも、グチを聞いているようで、「それでは、どうすれば良いの?」と言う素朴な疑問には全然答えていませんね。
相場の金と凧の糸は、 出しきるな |
凧揚げで糸を出しきると、突風が吹いたとき、手元が強く引張られます。この結果、大事な凧が切れて飛んでいってしまうこともあるそうです。糸のゆとりがあれば、少しづつ緩めながら突風をかわすことができます。
「株式投資でも現金を使い切らず、常にゆとりを持つことが必要です。」
特に信用取引を使い過ぎると暴落時の追証で資金繰りがつかなくなり、強制的に投げさせられます。(投げた途端反発することも多いようです。)逆に、千載一遇のチャンスを見つけても、現金がないと十分に生かせません。
凧揚げが人気があった昔から伝わる、うまい例えです。
なお、ほぼ同じ意味の格言に「相場師の金なきは、鳥の翼なきが如し。」があり。
頭と尻尾は、 猫にくれてやれ |
利食いした株がさらに上がると、悔しいと感じた経験はありませんか?株を売買する人は、底値の瞬間で買い天井で売りたくなるものです。しかし、そんなことは、株の神様でないと無理だと思います。
焼魚の一番美味しい真中の部分は、自分で食べ、頭と尻尾は、猫にくれても惜しくはないでしょう。
「相場でも、天井と底値に近い部分はあきらめ、
効率の良い真中の上昇で儲けて満足すべきです。」
えっ、誰ですか?「俺は、焼魚の目の周りが好きだ」なんて言う人は。
なお、「猫」を「他人」と読み替える場合あり。ほぼ同じ意味の格言に「名人天井売らず、底買わず。」があり。
しまったと考えたら手仕舞え |
主に信用取引でカラ買い(カラ売り)した株を転売し(買い戻し)取引を終了させることを「手仕舞う」といいます。株式投資は、七勝三敗で充分です。勝った時より、むしろ負けた時の処置の仕方が大事で、長期間失敗した株を放置しておくと、取り返しのつかない損失をこうむることがあります。
この格言は、「相場でしまったと思ったら、早めに損切りしろ」といっています。
プロ野球の巨人も、勝率7割なら楽に優勝できますね。なお、ほぼ同じ意味の格言に「見切り千両」があり。
押し目待ちに、押し目なし |
上げ相場において、株価が現状よりも安くなることを「押し目」といいます。株を買う場合少しでも押し目を拾うのは、合理的なことで、私自身も押し目買いを基本理念にしています。
しかし、押し目を待っていると、株が上がって買えないリスクも伴います。
「特に、力強い上げ相場の時、押し目にこだわっていると、
株価が上昇してしまい、せっかくのチャンスを逃してしまいます。」
麦わら帽子は、冬に買え |
すべて物の値段は、需要と供給のバランスによって決まります。麦わら帽子は、陽射しの強い夏場に人気があり、冬はジャマになるだけで見向きもされません。
これも、J_Coffeeの大好きな逆張りを勧める格言です。
「株も人気のない安いときに買い、皆が欲しがる高いときに売るのが基本です。」
夏物のバーゲンセールが始まるのは夏の終わりで、冬には売っていないと反論されそうですね。ところで、ビール株、アイスクリーム関連株は微妙に季節変動しているのでしょうか?
牛を馬に乗り換える |
歩みの遅い牛を捨て、俊足の馬に乗り換えたほうが、早く目的地に到着しますね。同じように株で最大の利益を上げるには、値動きの少ない株から暴騰する株にシフトすればよいのです。
「株価の急激な上昇を確信した株を見つけたら、
他の持ち株を処分しても購入すべきである。」
「牛に馬を乗り換える。」(優れたものを捨て劣ったものを拾ってしまう愚かな行為の例え)ことに結果としてならないよう十分注意してください。
流行物は、廃り物 |
「はやりものは、すたりもの」と読みます。人の心は移ろい易く、流行は、長続きしないものです。
似た格言に、「流行ごとは、六十日」があり、流行はせいぜい2ヶ月しか続かないとの意味です。
相場でも当てはまることが多い、役に立つ格言だと思います。
「単なる流行で株価が暴騰する場合長続きせず、
一転、暴落する可能性が高い」
一つの篭に卵を盛るな |
多くの卵を同じ篭に入れ、高く積み上げるのは、何かのきっかけで割れて危険です。昔から卵は、多くの篭に分散して保管したのでしょう。
株式を買う際、どんなに自信があって惚れ込んだ銘柄でも、相場の世界は一寸先は闇、一つの銘柄に集中するのはあまりに危険です。異なった業種の何銘柄かに分散して投資し、リスクヘッジするのが賢明なのです。この相場格言が勧めているのは、次の内容です。
「バランスのとれたポートフォリオを作成し、危険分散を図ること」
昔から伝わる財産三分法(土地、株、現金)などもこの精神に従った考えでしょう。(ただし、国際化の時代、現金の中には、ドル預金を含めたいですね。)天井三日、底百日 |
文字通りこの格言は、次の現象を警告しています。
「短期間で急激に上昇した株は、直ぐに下落することがあります。
また、一度このような株が下がると低迷が長期間続きがちです。」
また、株を保有している人は、日ごろから値動きに目を離さず、高値を見過ごさず売れという教えなのでしょう。
反対に、ある程度の期間と出来高を伴って上昇した株は、急激には、下がりにくいと思います。
若い相場は、 目をつぶって買え |
単に、「テクニカル分析による上昇初期を買え」との解釈もあると思いますが、私は昔から次のように考えていました。
株式投資の最大の醍醐味は、大多数の人がまだ気づいていない材料を発見し、相場が上がる直前に買うことです。若い相場とは、そういう意味でテクニカルなチャート分析からは発見できないと思います。
なかなか難しいことですが、誰にでも得意な分野が必ずあると思います。仕事や趣味の関係した事柄、自分が興味と知識のある分野と株の銘柄を結びつけ、株価のチェックを忘れなければ、若い相場に遭遇するチャンスもつかめるかもしれません。
そうした情報は、不確かなことも多いと思いますが、この格言は、「若い相場は、当たれば大きいので、目をつぶって買え。」
と言っています。ただし、インサイダー取引(上場会社の役員、取引銀行などが業務上知りえた情報をもとに株の取引を行うこと。)は、禁じられてますよ。
なお、類似の意味の格言に「噂で買え、事実で売れ。」「知ったらしまい。」があり。
利食い千人力 |
「りくいせんにんりき」と読みます。買った株が上がっても、売却が成立するまでは利益は確定しません。よく株を買ったまま長期間放置している人がいますが、長い間には売り時があったはずであり、あまり感心しません。
「株を保有したら常に値動きに注目して、
利益を得るチャンスを逃さず手仕舞うのが、正しいのです。」
最近オンライン取引で手数料が安価になっており、少ない上昇率でも利食いが可能になりました。この格言の重要性も増したのではないでしょうか。
休むも相場 |
株の売却に成功し利益をあげた瞬間に買う次の株は、失敗することが多いようです。
多額の現金を持ち、気持ちが高揚しているのに、努力してもインスピレーションがわかず良い銘柄が見つからない。 そんな時、銘柄選定の基準が甘くなり、営業マンの無責任な甘言にもつい乗ってしまいがちです。そんな人への有効な格言です。
「売り買いを絶え間なく繰り返すと、高値づかみをしたり、
チャンスを逃して大失敗します。休みを必ず入れましょう。」
なお、ほぼ同じ意味の格言に「買うべし、売るべし、休むべし。」があり。
見切り千両 |
思惑が外れ、購入した株が長期間低迷するのは、つらいものです。そんな時、難平買(ナンピンガイ)と言って安値で買い増しをして平均単価を下げ、戦線を建て直しあくまで勝負に勝ちたくなります。しかし、難平買を続けることは危険なことで、株価が反発しないと巨額の株が塩漬けになり深手をおいます。
難平買いは、せいぜい1度にとどめ、それでも好転しないときは、むしろ損失を最小限に留めるための売却を検討すべきです。
「勝負に負けたときは、こだわらず潔くそれを認め、
タイミングをみて損切りをするのが正しいと思います。」
閑散に売りなし |
相場が上にも下にも動かず、出来高も少ない日が続くことがあります。まさに、兜町に、閑古鳥が鳴きそうで、株を売り買いを楽しみにしている人には、退屈であくびがでますね。
「こうした出来高の少ない状況は、辛抱すればやがて活気がでて、
株価の上昇局面に転換することが多いので、持ち株を売ってはいけません。」
株価の動きだけでなく、出来高の推移に注目すると相場の流れがわかりますね。
保合い放れにつけ |
「もちあいばなれにつけ」と読みます。相場で保合い(もちあい)とは、買いと売りの勢力がほぼ拮抗して株価が上にも下にも大きく変動しない状態のことです。保合い相場は、長期間続くこともあります。
「長期間の保合い相場の均衡が破れ、株価がどちらかの方向に動いた場合
その方向につけば、成功する確率が高い。」
半値戻しは、全値戻し |
上げ相場が一転下げ相場に変わり、長期間続くとリバウンド狙いの買いを入れたくなりますね。買いのタイミングがうまくいき、相場が上昇した時の心得を示したものと思います。
「株価が下落分の半値程度戻した時に、満足して売却すべきだ。
上値(うわね)にはシコリダマが多く、再び下落する確率も高い。」
なお、似た格言に「高値覚え、安値覚えは損のもと。」があり。
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