■IPOの研究■

---目次---
  • IPO投資の失敗例に学ぶ
  • セイコーエプソンは、初値で売るべきだった
  • セイコーエプソンの今後を占う
  • ストップ高は公募価格の約2倍

  • (2003/7/13)
    IPO投資の失敗例に学ぶ

    さて、今年に入って、公開した銘柄のうち、初値が公募価格を5%以上下回った8銘柄をリストアップしてみました。銘柄は、損失率の大きいものが上に来るように順番を決めました。

    先ず、驚かされるのは、公募割れ銘柄の上場日が2〜3月に集中していることです。 3月は、日経平均が7000円台に転落した月です。IPOの公募割れは、相場全体の雰囲気の影響を受ける気がします。

    公募割れが一つの銘柄で起きたら、他の銘柄に波及する可能性が高く
    IPO投資から一時撤退するのが、正しい判断です。

    一番右の欄は、公募価格で計算した予想PERです。公募割れ銘柄は、割安感が目立ちます。 PERが低いから、初値が高いと考えない方がよい気がします。もっとも、初値が低いだけで、その後値上がりした銘柄もあります。

    IPOの失敗例
    上場日 銘柄 コード 市場 主幹事 仮条件 公募値@ 初値A 下落率
    A/@-1
    公開株数 注目度 予想EPS 予想PER
    (公募価格)
    2月14日 ビジネス・ワン 4827 Qボード ディー 5万-6万 6万 3.5万 -41.6 2000 (連結予想) 2003.3 1,119.47 53.6
    3月6日 三光マーケティングフーズ 2762 ジャス 日興 17.5万-21.5万 18.5万 12万 -35.1 12075 単独予想) 2003.6 14,975.79 12.4
    3月12日 エフティコミュニケーションズ 2763 ジャス 日興 26万-31.1万 26万 20万 -23 3220 (単独予想) 2003.3 59,216.62 4.4
    3月25日 ウィーヴ 2360 ジャス 野村 12万-15万 12万 9.8万 -18.3 4052 (連結予想) 2003.6 17,419.28 6.9
    3月7日 東京エレクトロンデバイス 2760 東2 野村 57万-63万 57万 47万 -17.5 7000 (単独予想) 2003.3 63,304.35 9.0
    3月13日 日本電技 1723 ジャス 野村 350-400 365 315 -13.6 150万 (単独予想) 2003.3 66.59 5.5
    3月6日 トシン電機 2761 ジャス みずほ 800-920 920 850 -7.6 200万 (連結予想) 2003.5 115.14 8.0
    2月4日 ワイ・アリーバ 2758 マザ FB 6万-9.5万 8万 7.6万 -5 7000 (単独予想) 2003.3 7,042.74 11.4

    公募割れを事前に察知する有力な基準が存在します。
    それは、公募価格と仮条件との関係です。

    8銘柄のうち、仮条件の上限価格で決まったのは、ビジネス・ワン とトシン電機 の2銘柄だけです。 3銘柄が下限値で決まり、3銘柄は中間値で決まりました。

    仮条件の上限値で公募価格が決まらない場合、申し込みを止めれば、
    75%の銘柄の損失を避けることが出来ました。

    注目度は、株式会社トレーダーズ・アンド・カンパニーさんのものを使わせて頂きました。 さすがにAのものはなく、Cが2銘柄含まれています。Bだからといって、安心は出来ません。

    ◆◆現在のIPOバブルは、いつかは崩壊するでしょう。◆◆
    ◆◆ そのときの参考になると思います。◆◆
    ◆◆ 明日は、成功例を調べてみましょう。◆◆

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    (2003/6/24)
    セイコーエプソンは、
    初値で売るべきだった

    IPOの経験が浅い私が新シリーズを立ち上げるのは、知識不足です。そこで、当分の間、得意分野の東証一部への直接上場銘柄に限定して、調査したいと思います。

    さて、今日は、セイコーエプソンの上場日でした。一日チャートをご覧下さい。

    セイコーエプソン

    午前9時、公募価格(2600円)の特別買い気配は、約2,700万株の買い超しでした。 10分間隔で、公募価格の5%(130円)ずつ、気配値は上昇していきます。

    8回目の更新(3640円)の5分後・・・ようやく3,690円で寄り付きます(10時25分)。
    公募で手に入れ、この瞬間売った人は、42%の利益です。

    しかし、その後は熱気が感じられず、安値引に終わります。

    寄り付き天井

    上場日のこの値動きは、一般的なものでしょうか?
    興味を持った私は、野村総研と大同生命についても、調べてみました。

    三社とも初値が公募売し価格を大幅に上回った例です。

    一部直接上場日の株価
    銘柄 セイコーエプソン 野村総合研究所 大同生命保険
    上場日 2003年6月24日 2001年12月17日 2002年4月1日
    上場時発行済株式数 191,864,592株 4500万株 1,500,000株
    公開株数 公募4000万株、売出1077万株
    (OA450万株を含む)
    公募200万株、売出1160万株 売出633,215株
    (OA3.5万株含む)
    公募売出価格 2600円 11000円 270000円
    上場日 初値 3690円(+41.9%) 14850円(+35%) 320000円(+18.5%)
    高値 3740 14850 320000
    安値 3510 13800 304000
    終値 3510 14050 306000

    寄り付き天井が一般的で、初値で売却するのが正解のようです。

    ◆◆3社とも1ヶ月後には、TOPIX買いですが、◆◆
    ◆◆野村総研と大同生命は、どう動いたか?◆◆
    ◆◆ 明日、発表したいと思います。◆◆

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    (2003/6/25)
    セイコーエプソンの今後を占う

    さて、過去の大型直接上場銘柄2社のTOPIX買い比率を調べてみました。

    TOPIX買い比率は、野村総合研究所が3.84%、大同生命保険が4.95%とかなり高くなっています。 エプソンの場合は、3.7%と仮定しても7,099,000株ほどの需要が見込まれます。

    一番下の欄は、公開株数Bを上場時発行済株数@で割って、公開比率を算出したものです。 この値が26.46%と3社の中で一番小さいエプソンは、TOPIX買いの影響が少し大きいと見なせます。

    3社の公開株数が発行済株数に占める割合
    セイコーエプソン 野村総合研究所 大同生命保険
    上場時発行済株式数@ 191,864,592 45,000,000 1,500,000
    TOPIX買いの出来高A 7,099,000(推定) 1,725,800 74,179
    TOPIX買いA/@ 3.7%(推定) 3.84% 4.95%
    公開株数B 50,770,000 13,600,000 633215
    公開比率B/@ 26.46% 30.22% 42.21%

    さて、大同生命と野村総研の株価の動きです。 最安値は、どちらも三日目でした。初値と比べると

    大同生命は-8.75%、野村総研は-9.63%の値下がりです。 今日(二日目)のエプソンの安値は3390円で、初値と比べると-8.13%の値下がりです。

    高値については、大同生命は12日目と1ヵ月後の347000円で初値の+8.44%、野村総研は12日目の16540円で初値の+11.3%の上昇です。

    ◆◆3日目の安値で買い、先回り買いで上がる12日目の高値で売る。◆◆
    ◆◆ たった、2例では、確かなことは言えませんが、御参考にはなったでしょうか?◆◆

    大同生命の上場後一ヶ月の株価
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2002年4月1日(上場日) 320,000 320,000 304,000 306,000 143,634
    2002年4月2日 301,000 309,000 295,000 298,000 29,901
    2002年4月3日(上場後3日目) 293,000 303,000 292,000 300,000 17,969
    2002年4月4日 299,000 307,000 296,000 301,000 19,712
    2002年4月5日 300,000 301,000 299,000 301,000 10,820
    2002年4月8日 298,000 303,000 298,000 301,000 11,347
    2002年4月9日 303,000 323,000 302,000 317,000 38,600
    2002年4月10日 323,000 333,000 318,000 333,000 40,905
    2002年4月11日 338,000 339,000 326,000 337,000 20,870
    2002年4月12日 332,000 336,000 327,000 336,000 17,626
    2002年4月15日 335,000 341,000 331,000 339,000 15,155
    2002年4月16日(上場後12日目) 339,000 347,000 337,000 347,000 19,044
    2002年4月17日 342,000 346,000 339,000 343,000 14,684
    2002年4月18日 340,000 343,000 338,000 339,000 7,524
    2002年4月19日 336,000 338,000 330,000 334,000 7,739
    2002年4月22日 331,000 340,000 331,000 334,000 8,540
    2002年4月23日 332,000 334,000 325,000 327,000 9,885
    2002年4月24日 323,000 327,000 321,000 325,000 8,792
    2002年4月25日 325,000 334,000 325,000 333,000 11,669
    2002年4月26日 332,000 335,000 328,000 335,000 8,533
    2002年4月30日 333,000 338,000 329,000 336,000 15,246
    2002年5月1日(TOPIX買い) 341,000 347,000 338,000 347,000 74,179
    2002年5月2日 342,000 344,000 335,000 341,000 12,008

    野村総合研究所の上場後一ヶ月の株価
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2001年12月17日(上場日) 14,850 14,850 13,800 14,050 6,566,900
    2001年12月18日 14,000 14,080 13,810 13,900 1,358,100
    2001年12月19日(上場後3日目) 13,890 14,100 13,420 13,960 921,800
    2001年12月20日 14,100 14,290 13,930 14,230 533,800
    2001年12月21日 14,300 14,580 14,100 14,550 508,000
    2001年12月25日 14,550 14,550 14,060 14,100 140,700
    2001年12月26日 14,300 14,940 14,200 14,890 416,300
    2001年12月27日 15,090 15,490 15,060 15,320 835,900
    2001年12月28日 15,500 15,520 15,310 15,380 229,200
    2002年1月4日 15,580 15,620 15,100 15,310 168,800
    2002年1月7日 15,490 16,130 15,390 15,900 585,500
    2002年1月8日(上場後12日目) 15,990 16,540 15,910 16,080 718,700
    2002年1月9日 16,050 16,300 15,900 16,100 400,800
    2002年1月10日 16,300 16,350 15,920 15,920 231,000
    2002年1月11日 16,100 16,100 15,730 15,850 190,900
    2002年1月15日 15,250 15,450 14,750 14,930 452,500
    2002年1月16日 15,100 15,300 14,800 14,990 374,800
    2002年1月17日(TOPIX買い) 14,970 15,320 14,900 15,300 1,725,800
    2002年1月18日 15,200 15,250 15,070 15,130 438,300

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    (2003/7/2)
    初値の上値は公募価格の約2倍

    以前、「初値のストップ高は青天井」と間違ったことを書いてしまいました。
    タイムさんから、ご指摘があり次の通り訂正します。

    初値の上値は基準価格(公募価格)の約200%、
    下値は基準価格(公募価格)の約75%です。

    ”約”と書いたのは、あと少し値幅制限を広げると約定する場合、上記基準を上回って値段をつけるケースがあるからです。

    一度初値がつくと、その価格に対して、新しいストップ幅が決まり、上限値と下限値になります。

    さて、夢の200%上値の実例が、今日でました。
    今日東証2部に上場した三井海洋開発は、三井造船の子会社で、浮体式海洋石油・ガス生産設備の設計・建造、据付、販売、リースおよびオペレーションを主な事業にしています。

    公募価格が1000円でした。値段は、次第に釣りあがり、2,000円になっても買い気配のままでした。

    2003年12月の予想連結EPSは68.75円です。公募PERは14.5倍。
    公募価格は安かったでしょうが、あっという間に2倍
    思わず溜息が出てしまいます。

    今日の段階の株価に発行済株数29,017,000株を乗じると、時価総額は580億円です。
    一方、親会社三井造船の時価総額が1,313億円です。
    明日の初値上限は4,000円、両者の時価総額が接近することに矛盾を感じますね。

    東証も次の規制を行いました。

    1.初値決定日の売買について買付顧客から買付代金(現金)の即日徴収
    2.初値を定める売買について取引参加者による自己計算による買付の禁止
    3.初値決定日までの売買について成行買い呼び値の禁止

    さて、前回紹介したNECエレクトロニクスは、仮条件が3600円〜4200円に決まりました。
    IPOの好調につけこみ、少し高めに設定したようです。
    三井海洋開発を比較してしまうと物足りませんし、公募割れの危険性だってゼロではありません。

    三井海洋開発より、もっと面白いIPOはないか?

    そこで、いろいろ探したら、ドワンゴを発見しました。

    同社は、独立系の携帯電話向けコンテンツ開発会社。着メロサイト「40メロミックス」(月額300円)が主力コンテンツ。

    ◆◆着メロ業界では会員数4位、売上高2位と言われています。◆◆

    ◆◆ 170万円で手に入れば、初日2倍は請合いますが、◆◆
    ◆◆入手は宝くじ並の高倍率でしょうね。◆◆

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