■J_Coffeeの徒然草(19巻)■

---目次---
  • 映画ビューティフルマインドの感想
  • 日本国債の格下げは、適切か?
  • いなげやの自社株買いの感想
  • さわかみファンドについて
  • 5月31日は、MSCIの調整日
  • 山水電気の行方(前編)

  • (2002/5/8)
    映画ビューティフルマインドの感想

    連休中に、ビューティフルマインドをみに行きました。 ゲーム理論の白眉「ナッシュの均衡論」で、ノーベル経済学賞を受賞したジョン・F・ナッシュの生涯を描いた傑作です。

    ナッシュは、カーネギー奨学金を得て、プリンストン大学院に入ります。
    彼は、数学の天才でしたが、変人です。

    論文も書かず、講義にも欠席して、部屋に閉じこもり研究に没頭します。

    友人は、ルームメートのチャールズたった一人です。
    チャールズだけが、ナッシュの味方で、心の支えでした。

    後にプリンストン大学の学部長になるライバルは、次々と論文を書きます。
    成績の上では劣等生のナッシュは、このままでは、何処にも就職できません。

    焦ったナッシュは、クラスメートがいるプールバーにいきます。
    そこに、三人の女の子がやってきます。

    一人は、金髪の美女。他の二人は普通の女の子。
    クラスメート達は、それぞれ誰に近づく戦略をたてるか?

    この瞬間、弱冠21歳の彼は、後にノーベル経済学賞受賞の対象となったナッシュ均衡を思いつきます。

    それは、僅か1ページの美しい数学理論でした。

    フォン・ノイマンのミニマックス定理を呑み込み、今日、数学、政治学、生物学、心理学など幅広く応用されている、ナッシュ均衡とは、いったい何か?

    このリンクがお勧めです。 数学の好きな人はこちら

    この理論で彼は一躍有名になり、ウィーラー研究所に就職します。
    教え子アリシアとの結婚にも、成功します。

    彼は、政府から暗号解読の仕事をするよう、密命を受けます。
    暗号を解読しているうちに、彼の精神は病んでいきます。

    ある日、親友チャールズが裏切り、ソ連のスパイが彼を捕まえに来たのです。
    ナッシュは、牢獄に閉じ込められます。
    ・・・と彼は信じていましたが、実は精神科の医者が、彼を精神病院に入院させたのでした。

    ここで、劇的な、どんでん返し(これは、書けませんね。)

    彼の暗黒の日々は、30年に及びます。
    妻アリシアは、彼を献身的に支え続けます。

    ナッシュの病状は、60歳代で見違えるほどよくなります。
    昔のライバル、プリンストン大学の学部長の助けで、奇跡の社会復帰を果たします。

    ◆◆そして、1994年ストックホルム、ノーベル賞授賞式。◆◆
    ◆◆ ナッシュは、他の2人のゲーム理論家とともに、晴れの舞台に立ちます。◆◆
    ◆◆ その挨拶には、妻への感謝で満ち溢れていました。◆◆

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    (2002/5/16)
    日本国債の格下げは、
    適切か?

    ムーディーズは、5月15日にイタリア長期国債の格付けをAa3からAa2に引き上げました。
    これで、Aa3の日本は、先進7カ国中の単独最下位に取り残されました。

    しかし、財務省関係者は、ほっと胸を撫で下ろしました。
    実は、この日、日本国債は、1〜2段階引き下げられる可能性がありましたが、結論は月末に延期されました。

    さて、ムーディーズの日本国債引き下げの根拠を推測してみましょう。

    2001年度(当初見込み)の国債発行残高は389兆円で、GDPの1.2倍以上に相当します。

    アメリカ、イギリスなどの国債発行残高がGDPの60%程度ですから、この値はかなり危険です。

    財政が破綻するかどうかは、国債発行残高の対GDP比率が
    無限大に発散するか、それとも収束するかにかかっています。

    財務省は、「日本の国債の買い手は国内の銀行などで、シンジケートを組ませているので、問題なし」と主張しています。 「経常収支が赤字で、外貨準備のない開発途上国といっしょにするな」というわけです。

    確かに、外国から資金を引き上げられるアルゼンチンといっしょにするのは、間違いです。

    しかし、国債発行残高の対GDP比が発散したら、国債の引き受け手は国内にもいなくなり、破綻は避けられないと私は思います。

    小泉政権の主張のように、無駄を省き、歳出削減も必要でしょう。

    しかし、これ以外に発散か収束かを決める2大ファクターが存在することは、あまり知られていません。

    第一のファクターは、名目GDP成長率です。

    すなわち、借金が増えても、それ以上の高度成長(またはインフレ)をなし遂げて、分母を大きくすれば、問題は解消します。 税収も無理なく増加するでしょう。

    日本に新しい産業が勃興するかどうか?
    日銀が、どれだけ紙幣を発行するかどうか?

    この点がもっとも重要でしょう。

    逆に、緊縮財政で国債発行残高を一定に保っても、デフレと不景気で名目GDPがマイナス成長なら、財政破綻は免れないでしょう。

    第二のファクターは、国債の金利です。

    2001年度(当初予算)の新規国債発行は、28.3兆円で、2000年度の34.5兆円より減りましたが、国債残高は365兆円から389兆円に増えています。理由は、国債の利払いが巨額になっていて、借り換え国債が増加しているのです。日本の財政は、すでに金利に苦しむサラ金地獄に陥っているのです。

    もし、現在の異常に低い金利が上昇したら、どうなるか?

    ◆◆国債は暴落し、銀行は巨額差損を被ります。◆◆
    ◆◆そして、国の財政は、国債利払いで破綻。◆◆

    ◆◆ 永遠に低金利が続くしか、日本の生きる道は、なさそうです。◆◆
    ◆◆ 明日は、休みます。◆◆

    (参考文献)「国債暴落」 高田創・住友謙一著 中公新書

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    (2002/5/18)
    いなげやの自社株買いの感想

    5月14日、いなげや は、上限1850万株(140億円)の自社株買いの実施を取締会で決定した、と発表しました。

    このニュースを受けて、14日の終値は、前日の742円からストップ高の842円に跳ね上がります。そして、17日の終値は950でした。

    上がった理由は、簡単です。

    通常の自社株買いは、発行済み株数の1〜2%ですが、
    いなげやの場合は、発行済み株式総数の、なんと35.3%に相当するのです。

    市場からこれだけ株を買い集めたら、株価は暴騰すると考えた方が多いのでしょう。

    しかし、本当にそうなるでしょうか?

    この自社株買いの目的は、不動産会社・秀和の持株1369万株(26.1%)の買戻しにあると思います。 秀和については、以前ご紹介しました。

    1987年終わりから1988年にかけて、小林茂社長率いる秀和は、中堅スーパーの再編成を旗印に、次々と株の買占めを行いました。 いなげやなどは、89年には、8400円まで上昇し、買う勇気のなかった私は、毎日溜息ばかりついていました。

    自社株買いの上限140億円を彼の持株数で割り算すると、1023円となります。これが、買取価格の上限でしょう。

    高いようでも、小林さんにとっては大損害です。
    私の計算では、彼の平均買値は2093円ぐらいでしょう。

    下の表は、彼が、株を買い集めたと推測される1987年10月から1988年9月までの株価と出来高の推移です。
    この間の加重平均株価を求めると、この価格になるのです。

    日付 始値 高値 安値 終値 月間出来高@ 4本値平均A @×A(億円)
    1988年9月 3,950 3,950 3,200 3,600 830,000 3,675 30.50
    1988年8月 3,950 5,460 3,350 3,950 3,278,000 4,178 136.94
    1988年7月 3,050 4,150 2,960 3,980 4,102,000 3,535 145.01
    1988年6月 2,360 3,710 2,330 3,070 6,600,000 2,868 189.26
    1988年5月 2,100 2,620 1,960 2,380 9,316,000 2,265 211.01
    1988年4月 1,960 2,130 1,790 2,100 2,564,000 1,995 51.15
    1988年3月 2,050 2,250 1,850 1,960 5,549,000 2,028 112.51
    1988年2月 1,470 2,460 1,380 2,000 21,552,000 1,828 393.86
    1988年1月 990 1,530 990 1,490 14,993,000 1,250 187.41
    1987年12月 1,000 1,050 1,000 1,000 507,000 1,013 5.13
    1987年11月 980 1,050 950 1,030 748,000 1,003 7.50
    1987年10月 1,100 1,100 937 980 437,000 1,029 4.50
    B合計  70,476,000株 C/B 2,093円 C 合計 1474.77億円

    その後のバブルの崩壊で、秀和の力の源泉、土地の含み益は壊滅的打撃を受けました。今回の背景には、銀行の圧力があるかもしれません。

    14年間も資金を寝かせ、金利を払い、半値で売却?
    それでも大成功なのでしょう。
    この種の株の買占めは割に合わないものです。

    自社株買いは、株価が不当な安値に放置された状態で行うと有効です。
    反対に、会社の価値より不当な高値で自社株買いを実施すると、残された株主は、損害を受けるのではないでしょうか。

    ◆◆今回の自社株買いは、6月の株主総会の承認事項ですので、◆◆
    ◆◆この決着には時間がかかりそうです。◆◆

    ◆◆ 高値を深追いすると危険な気もしますが・・・余計なことを書きました。◆◆

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    (2002/5/27)
    さわかみファンドについて

    投資信託というと私は、元本割れのいやな思い出があり、それ以来、買った経験ありません。私は、同じようなリスクがあるなら、自分で株の取り引きをして、スリルを楽しみたいですね。

    喫茶掲示板の投稿にさわかみファンドの話が出てきました。

    最近、澤上 篤人 さんという方が運用している、「さわかみファンド」の名前をマネー雑誌などで、よくみかけます。 株に長期投資するファンドですが、人気が高く370億円の規模に達したという噂です。

    信託報酬は1%です。野村日本株戦略ファンドの信託報酬が1.9%ですから、たぶん割安なんでしょう。

    そんなに凄いのかと実績を調べてみました。
    この一年間で、-10.44%

    な〜んだ、有名なわりには、たいしたことない。

    しかし、Coleさんのご指摘のように、TOPIXと比較すると澤上さんの株を見る眼は確かなことがわかります。

    さわかみファンドTOPIXの比較

    「澤上さんがどの銘柄を、どのタイミングで買うか?」、信者達は、報告書にも興味があるようです。
    株の情報を得るために、さわかみファンドを持っている人もいるのでしょう。

    この掲示板は、投信のものとしては、異常人気です。

    ざっと読むと、12月に絶妙のタイミングで低位株を仕込み大成功。ホンダが大好き。アマポーラさんの情報では、住重も組み入れ比率が高いようです。

    住金では失敗して、不動産株、銀行株はきらいで持っていないようです。

    はたして、彼の情報は、役に立つのか?

    ◆◆しかし、よい情報をもらっても、長期投資って気の抜けたビールを飲むようで、◆◆
    ◆◆私にはマネできませんね。◆◆

    ◆◆IP携帯の夢を評価して、鷹山を今日の寄り付きで、買いました。もちろん短期・・・◆◆

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    (2002/5/30)
    明日は、MSCIの調整日

    アマポーラさんから「Jさん、NGK Spark Plug COって何処の会社ですか?」と掲示板で聞かれました。

    ナスダックの会社なんか知るはずないと思っていたら、日本特殊陶業のことなんですね。

    「あっ、そうだった」とようやく思い出しました。
    明日、5月31日は、MSCIの調整がある日なのです。

    ちょっと内容は古いですが、以前私が書いた文を参考にしてください。 大引けにかけて、MSCI投信に絡む売りや買いが錯綜しそうです。

    どうも、この指数が一番苦手です。調べても思い通りに動いてくれない。
    どの銘柄が買われて、どの銘柄が売られるか?

    組み入れ係数の変化で決まるようです。資料(結構貴重です。半分はアマポーラさんご提供)だけは、持っているので、tripodにアップロードしておきましょう。

    左の数字は中間組み入れ係数(P5〜7が日本)、右の数字は最終組み入れ係数(P4〜6が日本)

    両者を比べて、変化の多い企業を探せばよいのです。
    後3銘柄ほど、変化の大きなのを教えましょう。

    NGK Spark Plug CO  0.50→0.70
    OLYMPUS OPTICAL CO  0.65→0.85
    UFJ Holding  0.50→0.65
    TIS(TOYO INFOMATION SYS) 0.50→0.65

    ◆◆この4銘柄、素直に、上がってくれるでしょうかね?◆◆
    ◆◆ 明日MSCIの関係で、動いた銘柄の情報があれば教えてください。◆◆
    ◆◆ 明日は、休みます。◆◆

    ・・・・さて、翌日の結果発表です。わりと素直でした・・・・

    日本特殊陶業

    オリンパス光学工業

    UFJホールディング

    TIS(旧東洋情報システム)

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    (2002/6/15)
    山水電気の行方

    私は、音楽には疎いほうですが、最近の音響機器メーカーの凋落振りには、感慨深いものがあります。

    私が、大学生だった頃、音楽マニアの友人が自分の部屋のオーディオセットを説明する場面が甦ります。

    スピーカーは○社、デッキはトリオ・・・アンプが、たしか山水だったと思います。
    山水は、当時音楽マニアが目を細めて語る、信頼のブランドだったのです。

    昔、電子部品各社は、良い音を出す電子部品の開発に注力していました。 リード線には磁気を帯びない銅を使い、絶縁紙には絹を混ぜ、音づくりに協力したものです。

    しかし、デジタル化の波は、長年培ったアナログ技術の価値を暴落させました。 技術開発に遅れをとった赤井電機(2000年11月)、ナカミチ(2002年2月)は、民事再生法の申請を出しました。

    アイワは、マレーシアで、低価格のミニコンポを量産して、一時的には成功します。 しかし、中国との価格競争に敗れ、莫大な赤字を出し、大幅な縮小を余儀なくされます。 そして、今年10月、ソニーに、吸収されてしまいます。事実上の解体といえるでしょう。

    ケンウッドと名前を変えたトリオも債務超過に陥っており、前途は多難なようです。

    往年のブランドで元気がいいのは、光技術への転換に成功した、業界NO1のパイオニアぐらいでしょう。

    さて、前置はこのぐらいにして、本題の山水です
    ・・・・今から7ヶ月前・・・

    山水電気の2001年6月の中間期の決算は、厳しいものでした。
    債務超過74億円。

    12月末までに解消しなければ、2年連続の債務超過です。
    東証のルールにより、上場廃止しか道はありません。

    当時の山水の経営権は、破綻した香港アカイホールディングス(旧セミテック)からグランデ・グループ(香港)に移動していました。

    ◆◆山水に多額の債権を持つグランデグループは、どう出るか?◆◆
    ◆◆ 山水の株主は、固唾をのんで、成り行きを見守ります。◆◆
    ◆◆ この続きは、明日発表します。◆◆

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