■コバンザメの徒然草2■
単元株変更と昇格 |
単元株を小さくすれば、上場株式数、月平均売買高、少数特定持株数などの基準は、クリアしやすくなります。
東証一部昇格を狙う企業は、1000株から100株に単位元を事前に変更することが予測されます。
従って、単元変更は、それほど明確ではないものの、 東証一部昇格のサインと考えられます。 |
そこで、今年昇格した銘柄(1月〜8月)について、単位元変更の実績を調べてみました。
結果は、次の通りです。
昇格日@ | 社 名 | 単元株変更 | @-A | |||
---|---|---|---|---|---|---|
単元株変更日A | 変更時の市場 | 変更前 | 変更後 | |||
2003年8月1日 | 東京個別指導学院 | 2002年1月7日 | ジャス | 1000 | 100 | 18ヶ月25日 |
2003年8月1日 | わらべや日洋 | 2001年12月3日 | 東2 | 1000 | 100 | 19ヶ月29日 |
2003年6月2日 | ザ・パック | 2002年8月1日 | 東2 | 500 | 100 | 10ヶ月1日 |
2003年6月2日 | 東建コーポレーション | 2001年11月1日 | 店頭 | 1000 | 100 | 19ヶ月1日 |
2003年6月2日 | 昭栄 | 2001年5月1日 | 東2 | 1000 | 100 | 25ヶ月1日 |
2003年6月2日 | オプテックス | 2001年11月30日 | 東2 | 1000 | 100 | 18ヶ月3日 |
2003年6月2日 | ドッドウエル | 2001年11月20日 | 店頭 | 1000 | 100 | 18ヶ月13日 |
2003年5月1日 | 佐鳥電機 | 2001年10月1日 | 東2 | 1000 | 100 | 19ヶ月 |
2003年3月3日 | 沢井製薬 | 2002年9月20日 | 東2 | 500 | 100 | 5ヶ月11日 |
2003年3月3日 | 荒川化学工業 | 2002年2月1日 | 東2 | 1000 | 100 | 13ヶ月2日 |
2003年3月3日 | ナナオ | 2002年8月1日 | 東2 | 1000 | 100 | 7ヶ月1日 |
2003年3月3日 | 幸楽苑 | 2002年7月1日 | 東2 | 500 | 100 | 8ヶ月2日 |
2003年3月3日 | ジャパン建材 | 2002年4月1日 | 東2 | 1000 | 100 | 11ヶ月2日 |
2003年3月3日 | ユニダックス | 2002年4月1日 | 東2 | 1000 | 500 | 11ヶ月2日 |
2003年3月3日 | 日本綜合地所 | 2001年12月3日 | 店頭 | 1000 | 100 | 15ヶ月 |
2003年2月3日 | ダイヤモンドシティ | 2002年7月1日 | 大2 | 1000 | 100 | 7ヶ月2日 |
今年の昇格企業は、全部で40社あります。 このうち、2001年以降に単位元変更を行っている昇格企業は、16社ありました。
40%の確率です。意外と確率が高いですね。
◆◆予測が難しいと言われていたジャパン建材、ユニダックス、ダイヤモンドシティの◆◆
◆◆御三家が入っているのは、特筆すべきでしょう。◆◆
◆◆
穴馬は、単位元変更から探し出す方法がありそうです。◆◆
株式優待制度と 東証一部昇格 |
株式優待制度を設けると、優待目当ての投資家が集まり、株主数が自然と増加します。 昇格を狙う企業にとって、優待制度の新設や拡充は、株主数増加の有力な手段となります。
さて、今年の5月から8月にかけて昇格した13銘柄について、優待制度の有無を調べてみました。
結果は、次表のとおりです。
決算期 | 社 名 | 昇格日 | 優待制度 | 優待内容 | 株主数の変化 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2月 | わらべや日洋(2918) | 2003年8月1日 | 2003年2月末株主から新設 | (2月)100株以上---1000円相当のプリペイドカード 1000株以上---5000円以上のプリペイドカード 国内のセブンイレブン全店で使用可 | 2002/8 2130人 | 2003/2 3247人 |
8月 | 東京個別指導学院(4745) | 2003年8月1日 | 従来からあり | (2月、8月)100株以上---同学院の教室で使用可能な3000円分の優待券(受講料を優待割引) 300株以上---(略) | 2002/8 2932人 | 2003/2 2921人 |
2月 | ガリバーインターナショナル(7599) | 2003年8月1日 | なし | |||
2月 | ポプラ(7601) | 2003年8月1日 | 2003年1月14日に新設 | (2月)100株以上----1000円分のクオカード 1000株以上-----2000円分のクオカード | 2002/8 2171人 | 2003/2 2774人 |
6月 | 東建コーポレーション(1766) | 2003年6月2日 | 2002年10月10日より拡充 | 主な拡充内容は、株主がアパート・賃貸マンションを建設される場合、本体工事請負金額の一定割合のグレードアップ商品を付与サービスするほか、当社仲介によりアパート・賃貸マンションに入居した場合に、仲介手数料を割引 | 2002/6 1534人 | 2002/12 2131人 |
6月 | ニイウス(2731) | 2003年6月2日 | なし | |||
12月 | 昭栄(3003) | 2003年6月2日 | 従来からあり | (12月)100株以上---おこめ券2Kg 500株以上---(略) | 2002/6 1353人 | 2002/12 1572人 |
12月 | ザ・パック(3950) | 2003年6月2日 | なし | |||
12月 | オプテックス(6914) | 2003年6月2日 | 従来からあり | (12月)1000株以上-----会員制アウトドアスポーツクラブ利用優待券1枚又は自社取り扱い商品 | 2002/6 1954人 | 2002/12 4762人 |
6月 | ドッドウエル(7626) | 2003年6月2日 | なし | |||
3月 | ぴあ(4337) | 2003年5月1日 | 従来からあり | (3月、9月)100株以上---2000円チケットぴあギフトカード、 自社オリジナル音楽ギフトカード500円券1枚。 2期連続保有者は、2倍貰える。(以下略) | 2002/9 3663人 | 2003/3 3703人 |
5月 | 佐鳥電機(7420) | 2003年5月1日 | なし | |||
5月 | 宝印刷(7921) | 2003年5月1日 | 2003年1月21日優待制度新設 | (5月)500株以上----1000円相当の図書券、 2000株以上-----3000円相当の図書券 | 2002/5 2601人 | 2002/11 2650人 |
優待制度が新設されたのは、わらべや日洋、ポプラ、宝印刷の3社です。 わらべや日洋、ポプラは、大幅に株主数を増加させているのが分かります。
わらべや日洋に関しては、2月7日の立会い外分売(230,000株)が株主数増加の主要因ですが、優待制度新設も貢献したはずです。
純粋に優待制度の威力を証明できるのは、ポプラの場合です。
ポプラの株主数が、2171人(2002年8月)から2774人(2003年2月)に大幅に増加したのは、100株以上の株主に配られた1000円クオカードの効果でしょう。
宝印刷は、2002年5月と11月の昇格候補でありながら、2回続けて落選した銘柄です。2002年5月銘柄の最有力と予想されたのに、まさかの落選!コバンザメ投資家は衝撃を受けました。
宝印刷の三度目の挑戦。
今回は、2003年1月21日優待制度が新設されたことが、話題になりました。
「もともと株主数はクリアしているので、あまり関係ないのでは?」という意見もありましたが、優待制度の新設を根拠と捉えたコバンザメ投資家も、少なからずいたようです。もっとも同社が東証から天下りを受け入れていたことが、より有力な根拠となったようです。
同社は、2003年5月1日、念願の昇格に成功します。
優待制度の拡充も、昇格のサインになります。具体例としては、東建コーポレーションが優待制度を2002年10月10日より拡充しました。 主な拡充内容は、株主がアパート・賃貸マンションを建設する場合、本体工事請負金額の一定割合のグレードアップ商品を付与サービスするほか、当社仲介によりアパート・賃貸マンションに入居した場合に、仲介手数料を割引するという内容です。
この効果も影響したのか、同社の株主数は、1534人(2002年6月)から2131人(2002年12月末)に増加します。
2200人の基準クリアまで、今一歩。
東建コーポレーションは、2003年2月25日、駄目押しの立会い外分売を実施します。
私が、「この銘柄は昇格確実」と株式レースで推薦した理由の一つは、こうした背景が存在するからです。
同社は、順調に値上がりして、6月2日、昇格を果たします。
さて、まとめです。
候補銘柄のホームページをチェックして、優待制度の動向を調べることは必要です。
◆◆TOPIX買いが終わっても、100株だけ残しておきたい銘柄がたまにありますね。◆◆
◆◆
私は、優待銘柄が大好きです。◆◆
◆◆間違いを発見した方は、掲示板で教えてください◆◆
「4ヶ月以内の自社株買い」 と昇格 |
株式の分布確定日(期末又は中間期末)から、4ヶ月以内に会社が行う自社株買いは、株主数に関して、多大なペナルティーが課せられます。
つまり、株主数が減るとみなされ、修正されてしまいます。 減らすルールは、株主分布を勘案して、所有数が少ない者から自社株買いされたと仮定されるようです。
株式の分布確定日から4ヶ月以内の自社株買いの実施は、 昇格の危険信号なのです。 |
9月昇格候補の例で説明しましょう。
コロナは、ライバル会社に先を越されたことから、昇格に対して強い意欲を持つと噂されていました。
コロナの株主数は、2003年3月末で2,224人(会社四季報)で、所要の修正を加えると、もともと、かなり厳しい数字でした。 しかし、7月に売出をするとの噂もあり、昇格候補として人気は衰えませんでした。
コロナが候補から完全に外れたと私が思ったのは、6月23日の自社株買いの発表があってからでしょう。
同社は、2003年5月22日〜6月20日に96,700株の自社株買いを実施しました。
数百人規模の株主数が、減らされるのですから、昇格は絶望的です。このルールを知らない会社の担当者もいるかもしれませんね。
しかし、自社株買いの会社が、必ず候補から外れるわけでもありません。
6月3日、スルガコーポレーションも、TosTnet-2(終値取引)を使い、12万株の自社株買いを行いました。
120,000÷100=1,200人も株主数が減ったと計算されるのです。
しかし、スルガコーポレーションの株主数は、2003年3月末で4,024人です。
で基準の2,200人をクリアしています。
◆◆同社は、4ヶ月以内の自社株買いを実施しても、◆◆
◆◆依然として有力候補なのでしょう。◆◆
◆◆
同社が、貴重な例になるかどうか?◆◆
◆◆
8月20日の発表が楽しみです。◆◆
伊藤さんが、私について本を書きました |
7月上旬、アップル社から、「全日本株式投資選手権優勝者J-Coffeeのコバンザメ投資法」という本が出版されます。
7月5日(土)、日経朝刊に、この本の広告が掲載されるそうです。
著者は、全日本株式投資選手権を主催されている伊藤道臣さんです。
本の表紙を見た方から、「J_Coffeeは、伊藤道臣さんと同一人物か?」との誤解を受けているようです。
もちろん、二人は、まったく別の人物です。
本には、隼麟児さんや六木会さんの投資法も紹介されています。
この本は、春頃出版の予定でしたが、株価が不振なため延期され、金融相場で活況になった時期がチャンスと、出版されたようです。 伊藤さんの掲示板に私が書いた「コバンザメ投資法の説明」とレースの推奨メールが、本の内容の一部となっています。
内容については、事前に相談され、了承しております。
私が命名したコバンザメ投資法が全国紙を飾るのは、感慨無量です。
しかし、これを読んで、またコバンザメを目指す新人が増えそうです。
レミングの異常繁殖が心配です。
◆◆そのうち、私も「コバンザメ投資法」をライフワークとして集大成して、◆◆
◆◆本に出版しないといけないですね。◆◆
◆◆
どこかに、奇特な出版社はないでしょうか?◆◆
(追記)2003年11月20日に、念願の私自身による本の出版にこぎつけました。
一部昇格までの標準スケジュール |
今日は、9月昇格を目指す会社の標準的なスケジュールを紹介しましょう。 ある本から丸写しした次の表をご覧下さい。
時期 | 対象 | 項目 |
---|---|---|
4月上旬 | 東証→上場会社 | 株式の分布状況に係る書類の送付 |
5月中旬 | 上場会社→東証 | 株式の分布状況に係る書類の返送 |
5月下旬 | 上場会社 | 「決算短信」発表 |
東証→上場会社 | 一部指定審査の意向確認 | |
東証→上場会社 | 「市場第一部指定審査に関する回答書記載要領」の配布 | |
6月中旬 | 上場会社→東証 | 一部指定審査に係る書類の提出及び一部指定審査開始・書面審査、 ヒアリング及び実地調査等の実施 |
8月上旬 | 東証 | 所内協議及び所内決裁 |
8月20日 | 東証 | 一部指定銘柄の対外公表 |
9月1日 | 東証 | 市場第一部銘柄への指定日・「市場第一部指定通知書」授与 |
先ず、4月上旬、東証ニ部企業に「株式の分布状況に係る書類」が送付されます。 この書類は、次の3つからなりたっています。 書類1 書類2 書類3
東証二部企業は、これを5月中旬に書き込んで提出します。
5月下旬には、決算も発表されます。
この頃東証は、「東証一部に昇格する意志があるかどうか」の意向を東証二部企業に確認します。
今日は、6月3日ですから、意向確認は終了したんでしょうね。
6月中旬は、勝負どころ。書類提出や書面審査やヒヤリングなど、もっとも重要な時期です。
東証が、合否を判定するのが、8月上旬。
◆◆そして、ご存知の8月20日の発表となるわけです。◆◆
◆◆
他の月の昇格は、順次、月をずらせばよいわけです。◆◆
ホームへ |