■コバンザメの徒然草2■

---目次---
  • 単元株変更と昇格
  • 株式優待制度と東証一部昇格
  • 「4ヶ月以内の自社株買い」と昇格
  • 伊藤さんが、私について本を書きました
  • 一部昇格までの標準スケジュール

  • (2003/8/10)
    単元株変更と昇格

    単元株を小さくすれば、上場株式数、月平均売買高、少数特定持株数などの基準は、クリアしやすくなります。

    東証一部昇格を狙う企業は、1000株から100株に単位元を事前に変更することが予測されます。

    従って、単元変更は、それほど明確ではないものの、
    東証一部昇格のサインと考えられます。

    そこで、今年昇格した銘柄(1月〜8月)について、単位元変更の実績を調べてみました。

    結果は、次の通りです。

    単元株変更と東証一部昇格の関係
    昇格日@ 社 名 単元株変更 @-A
    単元株変更日A 変更時の市場 変更前 変更後
    2003年8月1日 東京個別指導学院 2002年1月7日 ジャス 1000 100 18ヶ月25日
    2003年8月1日 わらべや日洋 2001年12月3日 東2 1000 100 19ヶ月29日
    2003年6月2日 ザ・パック 2002年8月1日 東2 500 100 10ヶ月1日
    2003年6月2日 東建コーポレーション 2001年11月1日 店頭 1000 100 19ヶ月1日
    2003年6月2日 昭栄 2001年5月1日 東2 1000 100 25ヶ月1日
    2003年6月2日 オプテックス 2001年11月30日 東2 1000 100 18ヶ月3日
    2003年6月2日 ドッドウエル  2001年11月20日 店頭 1000 100 18ヶ月13日
    2003年5月1日 佐鳥電機 2001年10月1日 東2 1000 100 19ヶ月
    2003年3月3日 沢井製薬 2002年9月20日 東2 500 100 5ヶ月11日
    2003年3月3日 荒川化学工業 2002年2月1日 東2 1000 100 13ヶ月2日
    2003年3月3日 ナナオ 2002年8月1日 東2 1000 100 7ヶ月1日
    2003年3月3日 幸楽苑 2002年7月1日 東2 500 100 8ヶ月2日
    2003年3月3日 ジャパン建材 2002年4月1日 東2 1000 100 11ヶ月2日
    2003年3月3日 ユニダックス 2002年4月1日 東2 1000 500 11ヶ月2日
    2003年3月3日 日本綜合地所 2001年12月3日 店頭 1000 100 15ヶ月
    2003年2月3日 ダイヤモンドシティ 2002年7月1日 大2 1000 100 7ヶ月2日

    今年の昇格企業は、全部で40社あります。 このうち、2001年以降に単位元変更を行っている昇格企業は、16社ありました。

    40%の確率です。意外と確率が高いですね。

    ◆◆予測が難しいと言われていたジャパン建材、ユニダックス、ダイヤモンドシティの◆◆
    ◆◆御三家が入っているのは、特筆すべきでしょう。◆◆

    ◆◆ 穴馬は、単位元変更から探し出す方法がありそうです。◆◆

    もどる


    (2003/8/9)
    株式優待制度と
    東証一部昇格

    株式優待制度を設けると、優待目当ての投資家が集まり、株主数が自然と増加します。 昇格を狙う企業にとって、優待制度の新設や拡充は、株主数増加の有力な手段となります。

    さて、今年の5月から8月にかけて昇格した13銘柄について、優待制度の有無を調べてみました。
    結果は、次表のとおりです。

    株式優待制度と東証一部昇格の関係
    決算期 社 名 昇格日 優待制度 優待内容 株主数の変化
    2月 わらべや日洋(2918) 2003年8月1日 2003年2月末株主から新設 (2月)100株以上---1000円相当のプリペイドカード
    1000株以上---5000円以上のプリペイドカード
    国内のセブンイレブン全店で使用可
    2002/8
    2130人
    2003/2
    3247人
    8月 東京個別指導学院(4745) 2003年8月1日 従来からあり (2月、8月)100株以上---同学院の教室で使用可能な3000円分の優待券(受講料を優待割引)
    300株以上---(略)
    2002/8
    2932人
    2003/2
    2921人
    2月 ガリバーインターナショナル(7599) 2003年8月1日 なし
    2月 ポプラ(7601) 2003年8月1日 2003年1月14日に新設 (2月)100株以上----1000円分のクオカード
    1000株以上-----2000円分のクオカード
    2002/8
    2171人
    2003/2
    2774人
    6月 東建コーポレーション(1766) 2003年6月2日 2002年10月10日より拡充 主な拡充内容は、株主がアパート・賃貸マンションを建設される場合、本体工事請負金額の一定割合のグレードアップ商品を付与サービスするほか、当社仲介によりアパート・賃貸マンションに入居した場合に、仲介手数料を割引 2002/6
    1534人
    2002/12
    2131人
    6月 ニイウス(2731) 2003年6月2日 なし
    12月 昭栄(3003) 2003年6月2日 従来からあり (12月)100株以上---おこめ券2Kg
    500株以上---(略)
    2002/6
    1353人
    2002/12
    1572人
    12月 ザ・パック(3950) 2003年6月2日 なし
    12月 オプテックス(6914) 2003年6月2日 従来からあり (12月)1000株以上-----会員制アウトドアスポーツクラブ利用優待券1枚又は自社取り扱い商品 2002/6
    1954人
    2002/12
    4762人
    6月 ドッドウエル(7626) 2003年6月2日 なし
    3月 ぴあ(4337) 2003年5月1日 従来からあり (3月、9月)100株以上---2000円チケットぴあギフトカード、
    自社オリジナル音楽ギフトカード500円券1枚。
    2期連続保有者は、2倍貰える。(以下略)
    2002/9
    3663人
    2003/3
    3703人
    5月 佐鳥電機(7420) 2003年5月1日 なし
    5月 宝印刷(7921) 2003年5月1日 2003年1月21日優待制度新設 (5月)500株以上----1000円相当の図書券、
    2000株以上-----3000円相当の図書券
    2002/5
    2601人
    2002/11
    2650人

    優待制度が新設されたのは、わらべや日洋、ポプラ、宝印刷の3社です。 わらべや日洋、ポプラは、大幅に株主数を増加させているのが分かります。

    わらべや日洋に関しては、2月7日の立会い外分売(230,000株)が株主数増加の主要因ですが、優待制度新設も貢献したはずです。

    純粋に優待制度の威力を証明できるのは、ポプラの場合です。

    ポプラの株主数が、2171人(2002年8月)から2774人(2003年2月)に大幅に増加したのは、100株以上の株主に配られた1000円クオカードの効果でしょう。

    宝印刷は、2002年5月と11月の昇格候補でありながら、2回続けて落選した銘柄です。2002年5月銘柄の最有力と予想されたのに、まさかの落選!コバンザメ投資家は衝撃を受けました。

    宝印刷の三度目の挑戦。
    今回は、2003年1月21日優待制度が新設されたことが、話題になりました。

    「もともと株主数はクリアしているので、あまり関係ないのでは?」という意見もありましたが、優待制度の新設を根拠と捉えたコバンザメ投資家も、少なからずいたようです。もっとも同社が東証から天下りを受け入れていたことが、より有力な根拠となったようです。

    同社は、2003年5月1日、念願の昇格に成功します。

    優待制度の拡充も、昇格のサインになります。具体例としては、東建コーポレーションが優待制度を2002年10月10日より拡充しました。 主な拡充内容は、株主がアパート・賃貸マンションを建設する場合、本体工事請負金額の一定割合のグレードアップ商品を付与サービスするほか、当社仲介によりアパート・賃貸マンションに入居した場合に、仲介手数料を割引するという内容です。

    この効果も影響したのか、同社の株主数は、1534人(2002年6月)から2131人(2002年12月末)に増加します。

    2200人の基準クリアまで、今一歩。

    東建コーポレーションは、2003年2月25日、駄目押しの立会い外分売を実施します。
    私が、「この銘柄は昇格確実」と株式レースで推薦した理由の一つは、こうした背景が存在するからです。

    同社は、順調に値上がりして、6月2日、昇格を果たします。
    さて、まとめです。

    利益の額

    候補銘柄のホームページをチェックして、優待制度の動向を調べることは必要です。

    ◆◆TOPIX買いが終わっても、100株だけ残しておきたい銘柄がたまにありますね。◆◆
    ◆◆ 私は、優待銘柄が大好きです。◆◆

    ◆◆間違いを発見した方は、掲示板で教えてください◆◆

    もどる


    (2003/7/12)
    「4ヶ月以内の自社株買い」
    と昇格

    株式の分布確定日(期末又は中間期末)から、4ヶ月以内に会社が行う自社株買いは、株主数に関して、多大なペナルティーが課せられます。

    つまり、株主数が減るとみなされ、修正されてしまいます。 減らすルールは、株主分布を勘案して、所有数が少ない者から自社株買いされたと仮定されるようです。

    株式の分布確定日から4ヶ月以内の自社株買いの実施は、
    昇格の危険信号
    なのです。

    9月昇格候補の例で説明しましょう。

    コロナは、ライバル会社に先を越されたことから、昇格に対して強い意欲を持つと噂されていました。

    コロナの株主数は、2003年3月末で2,224人(会社四季報)で、所要の修正を加えると、もともと、かなり厳しい数字でした。 しかし、7月に売出をするとの噂もあり、昇格候補として人気は衰えませんでした。

    コロナが候補から完全に外れたと私が思ったのは、6月23日の自社株買いの発表があってからでしょう。
    同社は、2003年5月22日〜6月20日に96,700株の自社株買いを実施しました。

    数百人規模の株主数が、減らされるのですから、昇格は絶望的です。このルールを知らない会社の担当者もいるかもしれませんね。

    しかし、自社株買いの会社が、必ず候補から外れるわけでもありません。

    6月3日、スルガコーポレーションも、TosTnet-2(終値取引)を使い、12万株の自社株買いを行いました。

    120,000÷100=1,200人も株主数が減ったと計算されるのです。
    しかし、スルガコーポレーションの株主数は、2003年3月末で4,024人です。

    4,024−1,200=2,824人
    で基準の2,200人をクリアしています。

    ◆◆同社は、4ヶ月以内の自社株買いを実施しても、◆◆
    ◆◆依然として有力候補なのでしょう。◆◆

    ◆◆ 同社が、貴重な例になるかどうか?◆◆
    ◆◆ 8月20日の発表が楽しみです。◆◆

    もどる


    (2003/7/3)
    伊藤さんが、私について本を書きました

    7月上旬、アップル社から、「全日本株式投資選手権優勝者J-Coffeeのコバンザメ投資法」という本が出版されます。

    7月5日(土)、日経朝刊に、この本の広告が掲載されるそうです。
    著者は、全日本株式投資選手権を主催されている伊藤道臣さんです。

    本の表紙を見た方から、「J_Coffeeは、伊藤道臣さんと同一人物か?」との誤解を受けているようです。

    もちろん、二人は、まったく別の人物です。

    本には、隼麟児さんや六木会さんの投資法も紹介されています。

    この本は、春頃出版の予定でしたが、株価が不振なため延期され、金融相場で活況になった時期がチャンスと、出版されたようです。 伊藤さんの掲示板に私が書いた「コバンザメ投資法の説明」とレースの推奨メールが、本の内容の一部となっています。

    内容については、事前に相談され、了承しております。

    私が命名したコバンザメ投資法が全国紙を飾るのは、感慨無量です。

    しかし、これを読んで、またコバンザメを目指す新人が増えそうです。
    レミングの異常繁殖が心配です。

    ◆◆そのうち、私も「コバンザメ投資法」をライフワークとして集大成して、◆◆
    ◆◆本に出版しないといけないですね。◆◆

    ◆◆ どこかに、奇特な出版社はないでしょうか?◆◆

    (追記)2003年11月20日に、念願の私自身による本の出版にこぎつけました。

    もどる


    (2003/6/3)
    一部昇格までの標準スケジュール

    今日は、9月昇格を目指す会社の標準的なスケジュールを紹介しましょう。 ある本から丸写しした次の表をご覧下さい。

    一部昇格の標準的なスケジュール
    時期 対象 項目
    4月上旬 東証→上場会社 株式の分布状況に係る書類の送付
    5月中旬 上場会社→東証 株式の分布状況に係る書類の返送
    5月下旬 上場会社 「決算短信」発表
    東証→上場会社 一部指定審査の意向確認
    東証→上場会社 市場第一部指定審査に関する回答書記載要領」の配布
    6月中旬 上場会社→東証 一部指定審査に係る書類の提出及び一部指定審査開始・書面審査、
    ヒアリング及び実地調査等の実施
    8月上旬 東証 所内協議及び所内決裁
    8月20日 東証 一部指定銘柄の対外公表
    9月1日 東証 市場第一部銘柄への指定日・「市場第一部指定通知書」授与

    先ず、4月上旬、東証ニ部企業に「株式の分布状況に係る書類」が送付されます。 この書類は、次の3つからなりたっています。 書類1 書類2 書類3

    東証二部企業は、これを5月中旬に書き込んで提出します。

    5月下旬には、決算も発表されます。
    この頃東証は、「東証一部に昇格する意志があるかどうか」の意向を東証二部企業に確認します。

    今日は、6月3日ですから、意向確認は終了したんでしょうね。

    6月中旬は、勝負どころ。書類提出や書面審査やヒヤリングなど、もっとも重要な時期です。

    東証が、合否を判定するのが、8月上旬。

    ◆◆そして、ご存知の8月20日の発表となるわけです。◆◆
    ◆◆ 他の月の昇格は、順次、月をずらせばよいわけです。◆◆

    もどる


    ホームへ

    MENU