■J_Coffeeの株式教室(1巻)■

---目次---
  • PERと株式投資
  • 日経平均株価とTOPIX
  • ローソク足とは?
  • ROEと私の意見
  • 株価指数先物取引と裁定取引
  • 移動平均線
  • PBRとその特徴
  • SQに相場は、何故荒れる
  • ゴールデンクロス
  • Qレシオとバブル期
  • 信用取引について
  • グランビルの法則
  • 配当利回り
  • 信用残高の影響
  • 出来高と株価の習性
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    (2000/6/2)
    PERと株式投資

    PERとは株価収益率(Price Earning Ratio)のことで、計算方法は次のとおりです。
    PER = 株価 ÷1株当たり年間税引き後利益

    つまり、1年間に企業が1株当たり稼いだ税引き後利益(EPS)の何倍までの価格で株が取引されているかを示します。

    J Coffeeの信念によれば、PERは、株価が安いか高いかを決定する最も重要な尺度です。PERの標準値 は、金利水準や時代とともに変化しますが、私は25倍程度が妥当と考えています。25年で、株価分の利益を稼ぐ 状況が標準的であるということです。

    私の買い推奨する株は、PERが極端に低い(例えば10倍以下)ものが多くなっています。PERの低い銘柄に は、次の2種類があります。
    1. 前期は黒字だが、先行きの収益見通しが極端に悪く先細りな銘柄

    2. 上記のような明確な理由がないのにPERが低い銘柄
    私は1の銘柄を排除して、株価水準の見直しがおこりやすい2の銘柄を多く発掘し、皆さんに紹介したいと考えております。

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    (2000/6/4)
    ROEと私の意見

    ROEとは株主資本収益率(Return On Equity)のことで、計算方法は次のとおりです。
    ROE = 年間税引後利益÷自己資本

    自己資本をどの程度有効に使用して利益をあげているかということで,含み益(損)は考慮されていません。 この指標は、その企業が、良い企業かどうかを判断する尺度の一つで、株価とは無関係のものです。

    日本企業のROEは、一般的に低く平均で3%程度と言われていますが、アメリカ企業のROEは著しく高く、平均で20%にも 達しています。

    ◆◆ROEに関してJ Coffeeの経営者に対する意見は、次のとおりです。◆◆

    1. 経営者は、ROEを高める最善の努力をすべきである。

    2. ROEの低くかつ改善の見込めない企業は、利益の大部分を配当に 向けるべきである。
       (投資家は、経営者以上の効率的資金活用ができる。)

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    (2000/6/18)
    PBRとその特徴

    PBRとは株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)のことで、計算方法は次のとおりです。
    PBR = 株価÷1株当たり純資産

    企業が保有する純資産(簿価)の何倍までの価格で株が取引されているかを示します。PERが税引き後利益というフローで株価の水準を判断するのに対し、PBRは、フローの累積である純資産で株価が割安か割高かを判断します。
    いわゆる、含み損(益)は、考慮されていませんので、バブル期の土地、株を取得した企業の参考にはできません。

    東証一部上場企業のPBRの平均は、1998年7月で1.9倍だそうです。もちろん、人気企業ではPBRが高く、斜陽産業では低くなります。

    赤字企業などで、PBRが1を大きく割り込むと「会社の清算価格と比べ割安だ」と囃(はや)す人もいますが、清算すると設備、棚卸資産等は、通常二束三文で処分されるので信用できません。

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    (2000/7/4)
    Qレシオとバブル期

    Qレシオ(Qratio)とは、アメリカのトービンという経済学者の説をもとにした株式投資の指標の一つで、計算方法は次のとおりです。
    Qレシオ= 株価÷1株当たり時価評価資産

    1980年代後半日本のバブル期における異常な株価の高騰を正当化するのに便利なため、当時流行した投資指標です。

    日本企業が世界に誇った、土地と株等の含み益を再評価して株価を判断するのが特徴です。バブル崩壊後は、ほとんど使われなくなりました。含み損を抱えた土地バブル企業の評価にも、最適な指標なのに何故使われないのでしょうか?

    含み損に関しては、企業の情報公開がないので計算できないからだ、と私は思います。

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    (2000/7/9)
    配当利回り

    利回りとは、郵便局の定額貯金でもおなじみですね。計算式は、次のとおりです。
    配当利回り= 1株当たり年間配当÷株価×100(%)

    株式から株主が得られる利益は、原則的には配当とキャピタルゲイン(値上がり益)だけなのです。昔は、配当利回りが重視され、新聞にも毎週載っていました。

    30年ほど前のある日、PERの低い銘柄に大量の外人買いが集中し、広範囲の銘柄で、株価の水準訂正が大規模におこりました。当時この事件は、PER革命と呼ばれました。

    それ以来、配当利回りは、主要株価評価基準の地位から追放されました。

    しかし、この低金利の時代、J_Coffeeは、配当利回りをもっと重視すべきだと考えています。会社に利益が蓄えられても、もし株価が上がらなければ、株主にとってどんな意味があるのでしょうか?

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    (2000/6/22)
    日経平均株価とTOPIX

    【日経平均株価】
    日経新聞が東証一部上場の代表企業225銘柄の最新価格、気配値で算出している修正単純平均株価。日経平均225とも言います。次に示すように極めて欠点の多い指標です。

    1. 発行株数を考慮していない。
    2. 全体の2割程度に過ぎない。
    3. 毎年銘柄の入れ替えが必要である。

    この欠点は、特に先物取引との関連で問題となっています。
    しかし、知名度が高くマスコミも大台代わりを大きく報道するようです。

    【TOPIX東証株価指数】
    1968年1月4日の東証一部上場全銘柄の時価総額を100として、日々の時価総額を連続性を持たせながら指数化したものです。

    発行株式数に応じて加重平均しているので合理的であり、相場全体の動きを的確に表します。マスコミには、人気がありません。

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    (2000/6/23)
    株価指数先物取引と
    裁定取引

    【株価指数先物取引】
    金融先物の一種で、株価指数を対象に、将来のある時点に特定の価格で売買することを契約する取引。単純な値ザヤ稼ぎ売買のほか、現物との裁定、ヘッジなど取引手法は多彩。日本では、1988年9月3日に東証でTOPIX大証で日経平均株価を対象とした取引がスタートしました。

    先物の 動きが現物相場を撹乱しているとの批判が強まったため、取引規制が強化されました。現在ではこうした批判も減少し、先物取引は完全に定着しています。

    【裁定取引】
    本来同じ価格の商品が別の市場で違う値段になっていた場合、高い方を売り、安い方を買うことによってリスクなしに値ザヤをかせぐ手法。

    様々な市場で見られるが、株式市場では通常、株価指数先物と現物との裁定取引を指します。株価指数先物と現物指数は、特別清算日(SQ)には必ず値段が一致します。

    例えば、先物が割高な時に先物を 売って、現物株のポートフォリオを買っておけば、その後の株価水準がどうなろうと、特別清算日に反対の売買をすれば確実に利益を得られます。
    アメリカで発達、日本でも日経平均先物など株価指数先物の上場とともに普及しました。

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    (2000/6/23)
    SQに相場は、何故荒れる

    SQとは、先物、オプションの特別清算日のことで3ヶ月(オプションは、1ヶ月)に一度必ずやってきます。
    先物が高く現物が安い時、「先物売りの現物買いの裁定取引」が活発になり、いわゆる裁定買い残が高水準になります。
    この局面で特別清算日に次の先物が何らかの事情によって売られ、裁定取引解消が有利になると、それに伴う現物売りが大量に 出て株式相場の下げを加速する事態が起こります。

    つまり、SQ(特別清算日)やその前日には、現物株が大量に売られ、先物取引と無関係な人が打撃をこうむることもあるのです。
    3月、6月、9月、12月の第2金曜日が先物の特別清算日(SQ)です。

    日経平均225採用銘柄(特に品薄株)は、注意してください。
    なお、SQ(特別清算日)に次の先物が高ければ現物株は売られず、裁定買い残が3ヶ月後に繰りこされるロール・オーバーがおこります。

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    (2000/7/15)
    信用取引

    簡単に言えば、客が証券会社から、現金や株券を借りて株の売買をすることを信用取引といいます。取引金額より少ない担保ですむので、実力以上の大きな取引が出来ますが、ハイリスクです。

    私は、今日では信用取引を絶対やらない方針を貫いています。
    (カラ売りには、少し未練がありますが)

    客が証券会社から現金を借りて株を買うのが「カラ買い」です。買った株券はもちろん証券会社が預かりますが、この他、客の買った株の値下がりに備え、一定の担保をとります。

    客が証券会社から借りた株を売るのが「カラ売り」です。売却代金は、証券会社が預かります。(利息は、もらえます。)もちろん、貸した株が値上がりすると証券会社も困るので、一定の担保をとります。

    信用取引には、6ヶ月の決済期日があります。その日までに、たとえ損が出ていても反対売買をして、証券会社との取引の清算をしなければなりません。
    もっとも、資金力のある人は、カラ買いの期日に借りていた全額を支払い、株券を手元に引き取ることもできます。これを、「現引き」といいます。
    逆にカラ売りした人が株を調達して証券会社に返すことを「現渡し」といいます。

    客が、証券会社に差し出す担保のことを、委託保証金といい、現金だけでなく株券などの有価証券でも代用可能です。この場合、時価よりも割り引いて評価されます。この割引率を、掛け目といいます。株式相場が加熱すると、委託保証金率の引き上げや掛け目の引き下げが行われ、信用取引は規制されます。

    カラ買いした株が一定率を超えて値下がりした場合、担保の追加が要求さます。これを、追加保証金(追い証)といいます。差し入れ期限は、担保不足の起こった日の翌々日の午前中。それが出来ない人は、反対売買して清算するしかないのです。

    こうした背景が、相場が暴落した直後の投売りにはあるのです。

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    (2000/7/21)
    信用残高の影響

    信用取引で未決済のものの合計を信用残高と言います。カラ買いの残高を「信用買い残」、カラ売りの残高を「信用売り残」と言います。信用取引は、6ヶ月後までに反対取引が必ず行われます。

    例えば、信用買い残が高水準の状態で暴落が起こった場合、信用買い残が将来の売り圧力になり、相場の回復が遅れます。そして、信用買い残の整理が済んだ直後に反騰する、とも言われています。

    したがって、株価に影響を及ぼす信用残高は、投資家(たとえ現物取引に徹していても)が注目しなければならない指標なのです。全銘柄の信用買い残が時価総額に占める割合が2%を超えると、相場は加熱気味だといわれます。

    具体的な信用取引情報は、ここをクッリクすれば、得られます。

    信用倍率は、次式で表され、買い方と売り方の取り組みの状況がわかります。

    信用倍率=信用買い残 ÷信用売り残

    信用倍率が10倍をこえると、買いが一方的で相場が過熱していると言われます。

    信用残高が増大しつつ、信用倍率が1に近づくことを「取り組みが接近する」と言います。仕手戦が始まると必ず、起こる現象です。

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    (2000/6/25)
    ローソク足とは?

    陽線と陰線
    新聞(朝刊)の株式欄を見ると次の4つの株価(四本値)が並んでいます。

    始値 寄り付き(その日の最初)の株価
    高値 その日の最高値
    安値 その日の最安値
    終値 大引け(立会いの終了時)の株価

    これを左図のように解かり易く図示したのが、ローソク足です。株価が上昇したときは白抜き(陽線)に、下落したときは黒抜き(陰線)で表します。

    また、1日の株価の動きを1本で示したローソク足を日足(ひあし)と言います。1週間の値動きを表した週足(しゅうあし)、1月の値動きを表した月足(つきあし)もよく使われます。

    ◆◆yahooのチャートでローソク足(週足)を再確認しましょう。◆◆

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    (2000/6/26)
    移動平均線

    日足チャートの25日移動平均線とは、直近の25日分の株価の平均値を
    毎日計算してグラフにしたもののことです。

    移動平均線にすると、実際の株価の小刻みな変動がなくなり、大きなうねり成分のみが残ります。移動平均線は、株価の大局的な、マクロな動きを客観的に把握するのに役立つ便利な道具です。

    日足には、75日移動平均線もよく使われ、日足の長期線と言われています。これに対し、25日移動平均線は日足の短期線と呼ばれます。
    週足チャートの短期線には、13週移動平均線、長期線には、26週移動平均線が一般的です。

    ◆◆yahooの一年の週足チャートで移動平均線を再確認しましょう。◆◆

    ◆ピンクが短期線、水色が長期線です。◆

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    (2000/6/27)
    ゴールデンクロス

    移動平均線の短期線が長期線を下から突き上げて交差することを、ゴールデンクロスと言います。ゴールデンクロスがおこると株価が高騰する前兆なので、株を買うとよいと言われています。

    J_Coffeeの ゴールデンクロスに関する考え方は、次のとおりです。

    1. 短期線が長期線の下にある状態で、相場の暴騰がおこると
      必ずその前兆にゴールデンクロスが現れる。

    2. ゴールデンクロスがおきても相場が暴騰するとは限らず、
      株が逆に下がることもある。
    悪質な営業マンが株を買わせる小道具にゴールデンクロスを使いますので、注意しましょう。(経験談です。)

    反対に、短期線が下落しながら、上から長期線と交差することをデッドクロスといい、暴落の前兆だそうです。(もちろん、これも外れることもあります。)

    ゴールデン・クロスの具体的銘柄情報は、キッチン・カブー(ここをクリック)
    「買いサイン」で教えてくれます。

    ◆◆次回は、有名なグランビルの法則を解説してます。◆◆
    ◆◆フィスコのデータを活用できるようになりますよ◆◆

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    (2000/7/1)
    グランビルの法則

    グランビルの法則

    グランビル(Joseph Granvill)は、アメリカの著名なテクニカル・アナリストで、彼は移動平均線と株価の関係に着目し、買いと売りのタイミングを特定する「グランビルの法則」を発表しました。

    株価と移動平均線の値の差を%表示したものを、乖離(かいり)といいます。

    乖離=(株価−移動平均線の値)÷移動平均線の値×100%


    買い場1買い場2買い場3買い場4
    株価が移動平均線を下から上へ突き抜けた瞬間移動平均線が上昇トレンドの時、乖離がマイナスになる。(押し目買いをすべき)株価が移動平均線の上で下がった後、反発したとき移動平均線が下降トレンドの時、乖離が大きくマイナスになった時(リバウンド狙い)
    売り場1売り場2売り場3売り場4
    株価が移動平均線を上から下へ突き抜けた瞬間移動平均線が下降トレンドの時、乖離がプラスになる。株価が移動平均線の下で上がった後、反落したとき移動平均線が上降トレンドの時、乖離が大きくプラスになった時

    お分かりですか?私の説明不足で難解な表になってますね?
    それでは、J_Coffeeがグランビルの法則のエッセンスを特別に伝授しましょう。この法則は、実は次の二つのことを言っているだけなのです。

    1. 株価は、バネのように移動平均線にやがて近づく。乖離がマイナスの時買い、プラスの時売りなさい

    2. 株価が上昇トレンドの時買い、下降トレンドの時売りなさい

    「上昇トレンドか下降トレンドかわからないから苦労しているんじゃないか」と言われそうですね。それを客観的に見分けるのが、株価と移動平均線がクロスする二種類の点なのです。

    最後に一言。株式投資は、企業の業績と株価との関連で行うのが王道です。テクニカル分析(今回の解説が代表例)は、補助的な道具に使うべきでしょう。

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    (2000/7/8)
    出来高と株価の習性

    逆ウオッチ

    左図は、横軸に出来高(一日の株式の売買数量)、縦軸に株価をとったものです。一連の大相場の発生から終了までは、@〜Gまでの逆時計回りの曲線でモデル化できます。

    @出来高が少なく(閑散)、株価が低迷している。
    A出来高がじょじょに増えるが、株価はもちあい
    BC出来高の増加を伴い、株価が上昇
    D出来高がピークから減少するが、株価は、一段高。
    E出来高は減少、株価は、もちあい。
    FG出来高の減少を伴い、株価が下落

    以上のグラフを逆ウオッチ曲線といいます。この株価と出来高との習性は、投資家に多くの示唆をあたえます。

    買いのタイミング
    株価の上昇はわずかだが、出来高が急増しているとき
    売りのタイミング
    株価は一段高だが、出来高が急減しているとき
    もちろん、出来高の増減は多くの要因(例えば、大株主のクロス商い)があり、この習性も当てにしすぎると危険です。

    しかし、プロの投資家が株価だけでなく、出来高を売買の参考にしているのは事実です。

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