■J_Coffeeの徒然草(39巻)■
国民年金の損得(前編) |
国民年金の納付率は、6割まで下がっているそうです。
社会保険庁は、納付促進に江角マキコさんを起用します。
「将来、泣いてもいいわけ?」
「誤解。国民年金がもらえなくなるかも、って言ったの、誰?」
という彼女の挑発的なポスターは、印象に残りました。
「その江角マキコさんが国民年金未納」という事実が露見して、ビックリです。
さて、今日は、国民年金の損得を計算してみましょう。
厳密に解くのは、大変なので、概算を使います。
20歳から60歳までの40年間、国民年金は、かけられます。
現在の保険料は、13,300円です。
最長の40年間かけ続けると、総保険料は
40年間かけた人は、65歳から死亡するまで、毎年797,000円を受け取ります。 20歳の時点での平均余命は、男59年、女66年とします。つまり、死亡年齢は、男79歳、女86歳と仮定します。(根拠)
この年齢まで生きると仮定すると、支給年数は男14年、女21年になります。
男女で7年の格差があることに注目してください。
支給総額は、男11,158,000円、女16,737,000円
保険支払いの中心時期は、
支給の中心時期は、
国民年金は、「40歳の時、6,384,000円を一度に貯金し、32年後に元利合計11,158,000円が一括して返ってくる金融商品」と近似できます。
複利計算で、この金融商品の金利を求めると
したがって、男性の場合の金利は、1.76%に過ぎません。保険料を払わない人が出てくるのも理解できます。
低いですね。
しかも、国民年金制度は、将来改悪される可能性が高いのです。また、支払い期間が、25年間に満たなければ1円も返ってきません。
(女性の場合)支給の中心時期は、
N=(log2.62171)÷35.5=0.117911
10のN乗は、1.0275
女性の金利を求めると
2.75%に上昇します。
◆◆私は、国民年金は、「女性有利、男性不利」と読みます。◆◆
◆◆
明日は、国民年金をいつ受け取るべきかについての研究です。◆◆
ある方から次のご指摘にありました。
以上は、国民年金の老齢基礎年金についての計算です。
国民年金には、遺族基礎年金と障害基礎年金もあります。参考現実の金利はこの分を考慮する必要があるでしょう。
競馬必勝法(頑張れハルウララ) |
3月22日、高知競馬、第10レース。
「105連敗中の超人気馬ハルウララは、今日こそ勝てるかもしれない。」と高知競馬場には、1万3000人が入場しました。
天才騎手・武豊が、ついにハルウララに騎乗するのです。
ハルウララのオッズは、一時たったの1倍になります。 最終オッズは、1.8倍でした。
この値が3を下回れば、競馬に必勝法が成り立ちます。参考1
通常、ハルウララは2番人気ですから、今回は千載一遇の儲けるチャンスでした。
これを次の表で検証しましょう。参考2
枠 | 馬 名 | 単勝式 最終オッズ@ | A=1/@ | 得票率B | ハルウララを 除いた得票率C | 馬券購入の 最適戦略D | 払い戻し金 E=@×D | 利益率 (E-27)/27-1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | カガノジョテイ | 7.4 | 13.51% | 10.18% | 17.49% | 5 | 37 | 37.04% |
2 | シルクコンバット | 8.3 | 12.05% | 9.07% | 15.60% | 4 | 33.2 | 22.96% |
3 | フアストバウンス | 4 | 25.00% | 18.82% | 32.36% | 8 | 32 | 18.52% |
4 | グラスホッパー | 34.7 | 2.88% | 2.17% | 3.73% | 1 | 34.7 | 28.52% |
5 | ハルウララ | 1.8 | 55.56% | 41.83% | 0.00% | 0 | 0 | -100.00% |
6 | ウォーターシュート | 48 | 2.08% | 1.57% | 2.70% | 1 | 48 | 77.78% |
7 | レディサバンナ | 15.7 | 6.37% | 4.80% | 8.24% | 2 | 31.4 | 16.30% |
8 | バンナシャネル | 16.8 | 5.95% | 4.48% | 7.70% | 2 | 33.6 | 24.44% |
9 | サパースファイター | 54.9 | 1.82% | 1.37% | 2.36% | 1 | 54.9 | 103.33% |
10 | シアトルスワン | 51.7 | 1.93% | 1.46% | 2.50% | 1 | 51.7 | 91.48% |
11 | ローズプレイヤー | 17.7 | 5.65% | 4.25% | 7.31% | 2 | 35.4 | 31.11% |
合計 | 132.81% | 100.00% | 100.00% | 27 |
最初の数字@は、単勝式の各馬のオッズです。
Aは、この逆数で、確率分布に似た数字です。
確率分布ならこの合計は100%になりますが、高知競馬がピンハネする為に132.81%となります。
Aを132.81%で割ると、得票率Bが算出されます。
ハルウララは、全体の41.83%もの支持を集めました。この値は、ピンハネ率(通常は25%)を超えているのが面白いのです。
我々株式投資家は、情に流されず常に冷徹な判断を下します。
即ち、武豊が騎乗しても、折り紙付きの駄馬ハルウララの勝率は、限りなくゼロに近いとみなせます。
ハルウララ以外の馬の勝率は、得票率に比例するとします。
全部で27枚の馬券を買うことにします。
27枚に確率Cをかけて四捨五入すれば、馬券購入の最適戦略Dが出てきます。
@とDをかけて、各馬の払戻金を計算します。 どの馬が勝っても、27を大きく超える点に注目です。利益率は、16.3%〜103.33%。
実際に勝ったのは2番人気のフアストバウンス、払戻金は400円でした。ハルウララは、10着です。
◆◆これは、ギャンブルではなく、株の裁定取引のような競馬必勝法です。◆◆
◆◆チャンスがあれば、実際に経験したいですね◆◆
◆◆
しかし、勝つはずのないハルウララが、もし来たら・・・◆◆
高橋尚子落選と企業の憂鬱 |
アテネ五輪マラソン女子の日本代表が、野口みずき(グローバリー)、坂本直子(天満屋)、土佐礼子(三井住友海上)の3名に決定しました。
シドニー五輪の金メダリスト、国民栄誉賞受賞のアイドル、高橋尚子は落選です。
東京国際女子(2003年11月)の高橋のタイムは、2時間27分21秒の平凡な記録でした。 昨日の名古屋国際女子マラソンで、涙の逆転優勝を果たした土佐のタイムは、2時間23分57秒です。
3分以上もタイムを引き離した土佐が選ばれたのは、公正で当然の結果です。名古屋で戦わずして落選を招いた小出監督の戦略が、悔やまれます。
さて、笑顔の明るいQちゃんは、多くのスポンサーが殺到した高額所得者です。
ガックリしている企業も多いはずです。
悪趣味とは思いつつ、調べるのが私の生まれつきの性癖です。
直ぐ浮かんだのが、キシリトールガムのロッテ、 2005年7月まで、高橋をイメージキャラクターに採用している中日新聞です。
この2社は、かなりの打撃でしょう。
しかし、残念ながら、非上場ですね。
シューズウェアのアシックスは、このとおり、かなり高橋尚子に期待していたようです。
タイトーは、「マラソンしようよ」というゲームソフトを発売していました。
高木ブーが高橋尚子に変身するCMを流したのは、明治乳業でした。各スポンサーの担当者は、固唾をのんで発表を待っていたはずです。
落選の報は、午後2時台に伝わります。
「株価に、少しは影響するか?」と一日チャートを調べました・・・
◆◆結果は、全く株価に影響なし。◆◆
◆◆
こんな調査をしたことを後悔しましたね。◆◆
◆◆Qちゃん、負けずに新記録を出してください。◆◆
◆◆実は、私はファンなのです。◆◆
ソトーのTOB(前編) |
ソトー(東証2部、名証2部)は、毛織物染色の大手で無借金経営です。連結一株当たり資本(2003年9月)は、1631円もあります。 12月18日の株価は、890円ですから、PBRは、0.546倍の低水準です。
19日、日経新聞と中日新聞にTOBの公告が掲載されます。
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン(SPJSF)による
ソトーの株を公開買い付け(TOB)の概要
SPJSFは、2002年8月に9.08%のソトー株を保有したとの大量保有報告書を提出しています。その後買い増しして、TOBの直前には、発行済株数15,173,062株の12.2%を保有していることになります。
SPJSFは、18日の夜、ソートーに電話連絡しただけという敵対的TOBでした。
二日間のストップ高(出来高なし)の後、ソトーの株価は、1130円で寄り付きます。 買い付け価格(1150円)より、20円安いのは、目標所有比率が、33.34%と低いためでしょう。応募しても、外れる確率があるのです。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 |
---|---|---|---|---|---|
2003年12月18日 | 890 | 890 | 890 | 890 | 1,000 |
2003年12月19日 (SPJSFがTOBの公告)1150円 | 990 | 0 | |||
2003年12月22日 | 1090 | 0 | |||
2003年12月24日 | 1,130 | 1,132 | 1,130 | 1,130 | 18,000 |
2003年12月25日 | 1,130 | 1,131 | 1,130 | 1,130 | 8,000 |
2003年12月26日 | 1,150 | 1,150 | 1,126 | 1,139 | 10,000 |
2003年12月29日 | 1,139 | 1,139 | 1,132 | 1,132 | 16,000 |
2003年12月30日 | 1,132 | 1,135 | 1,130 | 1,130 | 61,000 |
2004年1月5日 | 1,130 | 1,130 | 1,130 | 1,130 | 40,000 |
2004年1月6日 | 1,130 | 1,130 | 1,130 | 1,130 | 75,000 |
2004年1月7日 | 1,123 | 1,123 | 1,121 | 1,121 | 6,000 |
2004年1月8日 | 1,121 | 1,124 | 1,101 | 1,124 | 8,000 |
2004年1月9日 | 1,120 | 1,124 | 1,113 | 1,124 | 9,000 |
2004年1月13日 | 1,122 | 1,127 | 1,120 | 1,127 | 13,000 |
2004年1月14日 | 1,109 | 1,160 | 1,109 | 1,150 | 96,000 |
◆◆ソトーの経営者は、株主だけでなく、従業員や取引先も重視していました◆◆
◆◆このTOBを認めることは、絶対に出来ませんでした。◆◆
◆◆
1月15日、ソトー側が、反撃にでます。◆◆
ソトーのTOB(後編) |
大和證券系のNIFは、ソトーの経営側の意向を受け、1月15日の市場終了後、TOBの提案を発表します。
買入価格は、SPJSFの価格(1150円)を100円上回っていました。
米系投資ファンド(SPJSF)とソトーの経営陣(NIF)の双方が、TOBで株集めを始めたのです。
問題・・・・・・・翌日の株価は、どうなったか?
答え・・・SPJSFの買入価格をさらに超えた1350円で寄り付きます。
この日の出来高は、210,000株の大商いでした。
翌日は、一時1540円まで買われました。しかし、ここが天井です。 その後は、23日まで、値下がりします。
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 |
---|---|---|---|---|---|
2004年1月15日(NIFがTOBを公告)1250円 | 1,130 | 1,150 | 1,130 | 1,150 | 22,000 |
2004年1月16日 | 1,350 | 1,350 | 1,310 | 1,350 | 210,000 |
2004年1月19日 | 1,400 | 1,540 | 1,350 | 1,400 | 206,000 |
2004年1月20日 | 1,400 | 1,400 | 1,295 | 1,330 | 85,000 |
2004年1月21日 | 1,300 | 1,320 | 1,251 | 1,320 | 68,000 |
2004年1月22日 | 1,299 | 1,305 | 1,280 | 1,305 | 47,000 |
2004年1月23日 | 1,290 | 1,300 | 1,270 | 1,300 | 118,000 |
2004年1月26日(SPJSFが買付価格引上げ)1400円 | 1,399 | 1,490 | 1,399 | 1,485 | 136,000 |
2004年1月27日 | 1,480 | 1,500 | 1,424 | 1,470 | 105,000 |
2004年1月28日 | 1,470 | 1,470 | 1,440 | 1,460 | 39,000 |
2004年1月29日 | 1,441 | 1,460 | 1,432 | 1,460 | 21,000 |
2004年1月30日 | 1,441 | 1,460 | 1,440 | 1,460 | 43,000 |
2004年2月2日 | 1,440 | 1,450 | 1,430 | 1,444 | 35,000 |
2004年2月3日 | 1,427 | 1,440 | 1,413 | 1,440 | 37,000 |
2004年2月4日 | 1,440 | 1,440 | 1,411 | 1,412 | 16,000 |
2004年2月5日(NIFが買付価格引上げ)1470円 | 1,411 | 1,435 | 1,411 | 1,435 | 61,000 |
2004年2月6日 | 1,467 | 1,479 | 1,467 | 1,470 | 178,000 |
2004年2月9日 | 1,471 | 1,471 | 1,470 | 1,470 | 25,000 |
2004年2月10日 | 1,471 | 1,471 | 1,470 | 1,470 | 38,000 |
1月26日は、SPJSFのTOBの最終期限でした。
この日、同社は2月16日までの期間延長と買い上げ価格を1400円に引き上げることを発表します。 同時に、目標所有比率も66.67%に引き上げられます。
さて、この日の値動きです。
寄り付きは1400円で始まりますが、その後は買い付け価格を上回る値段で推移します。
両者の泥仕合は、さらに続きます。
1月5日の市場終了後、NIFが買付価格引上げを1470円に引き上げます。
その後は、1470円〜1471円に株価は、張り付きます。
落ち着いた値動きから推定すると、そろそろ手打ち。
◆◆SPJSFが全株をNIFに売却して、巨額の利益を得る、と私は読みます。◆◆
◆◆
次の注目日は、SPJSFのTOBの期限が切れる 2月16日です。◆◆
(参考文献)日経新聞朝刊(2004年2月6日)
(追記)日経新聞朝刊(2004年2月12日)によれば、SPJSFは、1月12日付けで買い付け価格を1550円に引き上げ、公開買付期間も2月23日までに延ばしました。 私の予測は、外れました。
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