日本共産党

2002年1月11日(金)「しんぶん赤旗」

首相官邸コンピューターから

株価情報を次々発信


 首相官邸内のコンピューター網を使える人物がインターネット上で、株価情報を交換する掲示板にひんぱんに情報や意見を書きこみ、みずからの株取引も告白していることが本紙の調べでわかりました。この人物は、掲示板で「(仕事は)経済調査」と自称しており、官邸事務所は本紙の取材にたいし「調査する」と回答しました。

 この人物はインターネット上で、投資家が株価情報を交換する掲示板の常連参加者。「degeneratelife(堕落生活という意味)」と名乗り、自分自身の株売買についても、「商船三井をのぞき空(から)売りははずしていた」「不動産株、京成、石川島などは、私の空売りリストにインプットされて」いる――などと告白しています。

 株の「空売り」とは、自分自身は所有していない株を使って売り買いし、差益をねらう投機行為。この人物が掲示板に書きこむ情報も、銀行経営の動向などくわしい内容が多く、他の「掲示板」参加者からは、「凄(すご)い情報網をお持ちですね」などと評されています。「大型倒産がいくつか出て世の中が真っ暗なムードになってきたときがチャンス」などとも発言しています。

 この掲示板では書きこんだ人物の接続元のコンピューターネットワークについて「IPアドレス」(“コンピューターの住所番地”にあたるもの)が年末まで参照できるようにされていました(年初から非公開)。

 本紙がこの人物のIPアドレスを確認したところ、通常、勤務時間にあたる時間帯で、首相官邸の「官邸ネット」から書きこまれていました。外部の人が「官邸ネット」から書きこみを行うことは通常考えられず、官邸内の人物という疑いが濃厚です。

 首相官邸には、首相・官房長官などの秘書官や各省から派遣された官僚などがおり、情報の中枢です。

 


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